温室ガスの「50年ゼロ」法定化 温対法改正案を閣議決定

2021.03.02
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by 時事通信

 政府は2日の閣議で、2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする目標を盛り込んだ地球温暖化対策推進法改正案を決定した。首相が昨年10月に宣言した政府目標を法律に明記することで、日本が気候変動対策に継続して取り組む決意を国内外に示す。
 環境相は閣議後の記者会見で「首相の宣言を宣言に終わらせず、法的根拠を持ってこれから国際社会に訴えることができる」と意義を強調した。
 現行法は、政府に地球温暖化対策計画の策定を義務付け、同計画で温室ガス削減の具体的な目標を定め、閣議決定している。削減目標の根拠を国会の議決が必要な法律に「格上げ」することで、政権交代などがあっても方針転換を難しくし、政策の継続性を高める。
 改正案では、国による地球温暖化対策について「50年までの脱炭素社会の実現を旨として行わなければならない」と明記。国民と国、地方自治体、事業者などが密接に連携して取り組みを進めることも定めた。
 この他、太陽光や風力など再生可能エネルギー発電所の建設について、周辺住民との合意の上、地元市町村が優良な事業計画と認定した場合は、環境影響評価(アセスメント)の手続きを一部省略できる仕組みも盛り込んだ。
 また、再生エネの活用拡大に向け、都道府県や政令市、中核市に対し、地域内での太陽光や風力の導入目標を定めるよう新たに義務付けた。市町村が再生エネ発電所を積極的に誘致する「促進区域」の設定に努めることも定めた。(2021/03/02-11:16)

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