本震発生時刻、現場で祈り 橋崩落で犠牲の学生遺族―熊本地震5年
震災関連死を含め276人が犠牲になった熊本地震は16日、2度目の震度7を記録した本震から5年を迎えた。崩落した熊本県南阿蘇村の旧阿蘇大橋付近では、土砂崩れに巻き込まれ亡くなった阿蘇市の大学生大和晃さん=当時(22)=の遺族が本震発生時刻に合わせて黙とうをささげ、冥福を祈った。
晃さんの遺体が見つかった谷底を見下ろす道路の脇には、アスファルトの破片で組まれた高さ数十センチの祭壇がある。下流側に目をやると、開通した新阿蘇大橋の街灯が暗闇に浮かび上がっていた。父卓也さん(62)と母忍さん(53)、兄翔吾さん(28)ら5人は午前1時に訪れ献花。晃さんが好きだったチョコ菓子や炭酸飲料、たばこを供え、線香に火を付けた。(2021/04/16-10:57)