「悲しみと苦しみの2年」 発生時刻に黙とう―死亡母子の遺族・池袋暴走

2021.04.19
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by 時事通信


池袋暴走事故から2年。現場近くで手を合わせ、黙とうする遺族の松永拓也さん=19日午後、東京都豊島区

池袋暴走事故から2年。現場近くで手を合わせ、黙とうする遺族の松永拓也さん=19日午後、東京都豊島区

 東京・池袋で高齢男性が運転する車が暴走し、松永真菜さん=当時(31)=と娘の莉子ちゃん=同(3)=が死亡した事故は、19日で発生から2年を迎えた。真菜さんの夫拓也さん(34)は黙とう後、「悲しみと苦しみの中で、葛藤しながら生きた2年間だった」と涙をこらえながら語った。
 拓也さんは発生時刻の午後0時23分、現場近くの公園にある慰霊碑の前で黙とうした。事故当時を振り返り、「遺体を見た時は本当に無残で、顔を見てお別れができなかった。こんな理不尽なことはないと思った」と語った。
 拓也さんは現在、交通事故撲滅に向けた活動に取り組んでいる。「2人への愛と感謝があるからこそ、2人の命を無駄にしたくない」と話し、「(交通事故で)当たり前の日常が奪われない社会にしたい」と訴えた。
 事故は2019年4月19日に東京都豊島区の都道で発生。旧通産省工業技術院の元院長飯塚幸三被告(89)がブレーキと間違えてアクセルを踏み続けたまま走行し、横断歩道に突っ込むなどして真菜さん母子を死亡させ、9人に重軽傷を負わせたとされる。自動車運転処罰法違反(過失運転致死傷)罪に問われた飯塚被告は車に異常があったとして、公判で無罪を主張している。(2021/04/19-20:31)

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