殺処分、過去最多987万羽 卵値上がり招く―鳥インフル今季収束

2021.05.09
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by 時事通信


【図解】鳥インフルエンザの発生状況

【図解】鳥インフルエンザの発生状況

 昨年11月以降、日本列島で猛威を振るったが、ほぼ収束した。今季は養鶏が盛んな千葉、茨城など全国18県で発生。被害拡大を防ぐために殺処分された鶏やアヒルは、これまで最も多かった2010年秋から翌年春の約183万羽をはるかにしのぐ約987万羽(8日現在)に上った。大量処分が最近の卵の値上がりを招いたとも指摘されている。
 全国屈指の鶏卵産地、千葉県。鶏や卵の運搬を禁じる「移動制限」が4月20日にようやく解除された。県内では昨年末から断続的に感染が判明し、卵を産ませるために飼育していた採卵鶏の3分の1に当たる約456万羽が処分された。
 これが引き金となり、「物価の優等生」と呼ばれる卵の値段が上がっている。JA全農たまごの今月7日の取引価格(東京)はMサイズ1キロ当たり250円と、1年前と比べて1.5倍に上昇。大手鶏卵業者は「鳥インフルのまん延で供給不足となり、卸売価格が上がった」と解説する。
 被害が1000万羽近い規模に上ったのは、関東以西の広い地域で感染が拡大したことに加え、担い手不足などで養鶏場の大規模化が進んだことも影響した。養鶏場1戸当たりの採卵鶏の飼育数は19年に約6万7000羽と、09年の約1.5倍に増えた。千葉では今季、一度に100万羽を超える大量処分が3例もあった。
 農林水産省は来季をにらんで養鶏農家にウイルスの侵入防止策を徹底するよう呼び掛けている。
 ウイルスは大陸から飛来する渡り鳥によって持ち込まれ、渡り鳥のふんなどに触れたネズミといった小動物、養鶏場に出入りする人や車両が拡散させるとみられている。感染が判明した養鶏場では、小動物が侵入できる隙間が見つかるケースが多い。農水省は隙間の修繕や消毒の徹底、防鳥ネットの総点検を繰り返し要請。農家の意識を高めるため、国が定める衛生管理基準の順守を補助金の支給条件とする検討に入った。
 鳥インフルに詳しい北海道大の迫田義博教授は、「世界的には野鳥が群れの中でウイルスをうつし合っている可能性があり、危機感を持ち続けることが大切だ」と注意喚起している。(2021/05/09-07:23)

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