仕事で心の病、最多更新 608件、パワハラ急増―労災認定・20年度

2021.06.24
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by 時事通信


【図解】労災認定件数の推移

【図解】労災認定件数の推移

 厚生労働省が23日公表した2020年度の労災補償状況によると、仕事の強いストレスに伴う精神障害の労災認定は前年度比99件増の608件だった。2年連続の増加で、過去最多を更新。20年6月から精神障害の原因として明確に認められたパワハラの労災認定が急増した。
 精神障害の原因は「上司などからのパワハラ」(99件)が最多。「事故・災害の体験・目撃」(83件)、「同僚などからの暴行・いじめ・嫌がらせ」(71件)、「仕事内容・量の変化」(58件)と続いた。
 年代別に見ると40代、30代、20代の順に多かった。職種では「一般事務」「保健師・助産師・看護師」「介護サービス職」が目立つ。精神障害の認定のうち、自殺・自殺未遂は7件減の81件だった。
 精神障害全体の申請数は9件減の2051件となり、8年ぶりに減少した。厚労省の担当者は、新型コロナウイルスの感染拡大で「時間外労働や長時間労働が減ったのが一つの要因とみられる」と説明した。
 一方、過重労働による脳・心臓疾患の労災認定は22件減の194件。新型コロナや働き方改革で長時間労働が減ったことから、4年連続の減少となった。年代別では50代と40代、職種別では自動車運転手や商品販売員が多かった。
 脳・心臓疾患の認定のうち、過労死は19件減の67件。脳・心臓疾患全体の申請数は152件減の784件だった。(2021/06/24-07:27)

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