試練越え、再び舞台に 「希望与える」思い後押し 競泳・池江選手〔五輪・競泳〕

2021.07.24
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by 時事通信


競泳女子400メートルリレー予選のレースを終えた池江璃花子選手(右から2人目)ら日本チーム=24日、東京アクアティクスセンター

競泳女子400メートルリレー予選のレースを終えた池江璃花子選手(右から2人目)ら日本チーム=24日、東京アクアティクスセンター

  • 【図解】競泳の池江璃花子プロフィル

 病気を乗り越え、一度はあきらめた五輪の舞台へ帰ってきた。競泳女子400メートルリレーに出場した池江璃花子選手(21)=ルネサンス=。治療のあまりのつらさに弱音を吐き、競技復帰への不安も感じた。「病気の人に希望を」。背中を押したのは、苦しみを知ってこそ分かる共感だった。
 2018年夏のアジア大会で6冠を達成、飛ぶ鳥を落とす勢いだった池江選手が体調の異変に気付いたのは19年2月。急性リンパ性白血病による入院生活が始まった。
 かつて指導した東京ドルフィンクラブのコーチ、清水桂さん(46)は入院直後、見舞いに訪れた。「ショックすぎる」と言いながらも「治療するしかないので」と吹っ切れたように話す姿は、「練習で文句は言っても、弱音は吐かない」(清水さん)いつもの池江選手だった。
 しかし、18歳には苛酷な試練だった。抗がん剤治療による吐き気で毎日何度も戻す日々。病床から「思ってたより、数十倍、数百倍、数千倍しんどい」とSNSに記した。看病する母には「死にたい」とこぼし、体重は15キロ以上落ちた。
 発病前の自身の競技映像を見て、「この人すごい」と人ごとに感じることも。元のように泳げるか不安はあったが、「水泳があって自分ができている」という思いは消えなかった。「早くプールに入りたい」。退院後に再会した元チームメート、古瀬佳奈さん(23)にそう語った。
 再び泳ぐことで「病気の人に強くなれると知ってもらいたい」という気持ちも大きかった。「がりがりになった姿や髪の毛がない姿は、病気になった人が多く経験している」からと、ウィッグを外した写真も公表した。「戻ってこられるという希望を与えたかった」
 明るく、負けず嫌いな性格は今も変わらない。だが古瀬さんにはある時、「弱音を吐かないと無理だよね。周りに助けてもらうのも大事だと知った」と話したという。古瀬さんは、池江選手の弱さとの向き合い方に変化を感じている。
 「入院していた時よりきついことはない。メンタルは強くなってる」。プールに戻った池江選手はそう話した。(2021/07/24-23:59)

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