裁量労働制、見直しへ 再調査踏まえ拡大協議―厚労省初会合

2021.07.26
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by 時事通信


裁量労働制の在り方について議論する厚生労働省の検討会=26日、東京都港区

裁量労働制の在り方について議論する厚生労働省の検討会=26日、東京都港区

 厚生労働省は26日、裁量労働制の在り方を議論する検討会の初会合を開いた。今後、対象業務の適用範囲拡大や従業員の健康状態を確保するための対策などについて協議する予定。厚労省が先月公表した裁量労働制に関する再調査を踏まえ、制度の見直しを検討する。
 裁量労働制は、実際に働いた時間ではなく、労使であらかじめ定めた時間を勤務時間とみなして一定の賃金を支払う制度。厚労省は先月、裁量労働制で働く人の1日当たりの平均労働時間が、適用されていない人と比べ約20分長いなどとする新たな調査結果を公表した。
 初会合では、一部有識者が「裁量のある働き方で心身の健康や満足度にプラスの影響も見えてきている」と主張。一方、「本来支払うべき労働時間(に対する賃金)を経営側が減らしたいときに、裁量労働制が使われる実態もある」との意見も出された。厚労省は今後、実態の調査やヒアリングを進めた上で、労働政策審議会で制度の見直しを協議する。(2021/07/26-19:24)

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