ベラルーシ選手、ポーランド亡命へ 大使館でビザ発給、東京五輪初

2021.08.02
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by 時事通信


2日、東京の在日ポーランド大使館に入るベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(左)(ロイター時事)

2日、東京の在日ポーランド大使館に入るベラルーシのクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(左)(ロイター時事)

 東京五輪陸上の代表で、本国からの帰国命令を拒否して都内に滞在しているクリスツィナ・ツィマノウスカヤ選手(24)が2日、在日ポーランド大使館を訪れ、同国への亡命に向けた書類を提出した。この後、ポーランド外務省高官は人道的理由からビザを発給したとツイッターで発表。本人は近く出国するとみられる。
 は「欧州最後の独裁者」と呼ばれるルカシェンコ大統領が強権支配を続け、同国オリンピック委員会も影響下に置く。実際に政治亡命に発展すれば、東京五輪開幕後初めて。
 ツィマノウスカヤ選手は2日の女子200メートル予選に出場する予定だった。仲間のドーピング検査をめぐる不手際で、5日の女子1600メートルリレー予選にも出るよう迫られ、インスタグラムでコーチを批判したことから代表を外された。1日に選手村の荷物をまとめて帰国するよう強制された後、羽田空港で警察などに保護を求めた。
 日本時間1日夜に動画の声明で「国際オリンピック委員会(IOC)に支援を求める」と要請。母国で紹介されたインタビューでは「ベラルーシで投獄されるかもしれない」と訴えた。
 IOCのアダムス広報部長は2日、選手に接触したと明かした上で、日本の当局が身の安全を確保していると説明。本人が第三国への亡命を希望していることから、チェコなども受け入れの用意を示していた。(2021/08/02-20:33)

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