吉川元農水相、無罪主張 500万円は「政治献金」―鶏卵汚職初公判・東京地裁

2021.08.03
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by 時事通信


吉川貴盛被告

吉川貴盛被告

 鶏卵業者から500万円を受け取ったとして、収賄罪に問われた元農林水産相で元衆院議員の吉川貴盛被告(70)の初公判が3日、東京地裁(向井香津子裁判長)であり、同被告は罪状認否で無罪を主張した。
 吉川被告は現金を受け取ったことは認めた上で、「あくまで政治献金だと受け止めていた」と話した。
 検察側は冒頭陳述で、鶏卵業者「アキタフーズ」(広島県福山市)元代表の秋田善祺被告(87)が、鶏の飼育に関する国際基準案が国内業者に不利にならないよう反対意見を取りまとめてもらうことや、日本政策金融公庫の業者への融資条件緩和などを目的に500万円を提供したと指摘。吉川被告もそうした趣旨を知りながら受領し、基準案については業者や国会議員による三者協議を開くよう農水省幹部に指示したと主張した。
 受け取った現金は私的な飲食代などに使い、政治資金収支報告書にも記載していなかったと述べた。
 弁護側も冒頭陳述し、秋田被告からは農水相就任前や退任後も継続して現金を受領していたが、自身の政治理念に共感し託された政治献金だと受け止めていたと主張。500万円もその一部で、大臣として何らかの権限行使を期待されているとは考えておらず、権限を行使することもなかったとして賄賂性を否定した。
 贈賄罪などに問われた秋田被告は起訴内容を認めている。次回公判では、秋田被告の証人尋問が行われる予定。
 起訴状によると、吉川被告は農水相在任中の2018年11月~19年8月、秋田被告から東京都内のホテルや大臣室で3回にわたり現金計500万円の賄賂を受領したとされる。(2021/08/03-18:02)

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