自民総裁選、石破氏不出馬 三つどもえ、ほぼ固まる―細田・麻生派は自主投票
自民党の石破茂元幹事長(64)は14日、党総裁選(17日告示、29日投開票)への出馬を見送り、河野太郎規制改革担当相(58)を支援する意向を固めた。総裁選は岸田文雄前政調会長(64)、高市早苗前総務相(60)、河野氏による三つどもえの構図がほぼ固まった。これを受け、各派閥は態度決定に向けた調整を本格化。最大派閥の細田派は事実上の自主投票を決めた。
石破氏は14日、二階俊博幹事長と党本部で会談し、15日の石破派臨時総会で最終判断を明らかにすると伝えた。同派幹部は石破氏は河野氏支持に回ると言明。派内で出馬慎重論が強まる中、石破氏は13日に会談した河野氏から「挙党態勢をつくりたい」と総裁選後を含めた協力を要請されていた。
石破氏は二階氏との会談後、記者団から不出馬方針について問われたが、「決定は同志の議員にお話しする。その後、広く国民にお伝えする」と述べるにとどめた。
細田派は14日、臨時総会を党本部で開催。会長の細田博之元幹事長は、高市氏か岸田氏を派として支持する方針を明らかにした。その上で、「最終的な判断は個々の議員の責任に帰す」と述べ、派の方針に沿わない対応を容認する考えを示した。上位2人による決選投票になった場合の対応には触れなかった。
河野氏が所属する第2派閥の麻生派は16日に総会を開く。派内の支持は岸田氏と河野氏に割れており、細田派と同様に2人を「基本的に支持する」との方針を決める見通しだ。
竹下、二階、石原各派も16日の会合で対応を協議するが、いずれも支持が入り乱れており、自主投票となる可能性がある。谷垣グループは15日、岸田氏支持を基本とする方針を確認する。
一方、岸田氏は派所属議員の女性支持者とオンラインで意見交換。「幅広い方の所得を引き上げたい」と「所得倍増」を訴えた。高市氏は衆院議員会館で選挙対策本部の発足式に出席し、「傷んだ経済を一刻も早く立て直したい」と強調。河野氏は派閥横断の中堅・若手議員の会合に出席し、「目の前の新型コロナウイルス禍、そして日本を前に動かしていく」と力説した。
野田聖子幹事長代行(61)は14日も推薦人集めを続けたが、支援を期待した石破氏が河野氏支持に回り、確保は難航しているもようだ。(2021/09/14-20:38)