中国、TPP参加を正式申請 通商交渉で主導権狙う

2021.09.17
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by 時事通信


アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のオンライン会合で講演する中国の習近平国家主席=2020年11月19日(EPA時事)

アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議のオンライン会合で講演する中国の習近平国家主席=2020年11月19日(EPA時事)

 【北京時事】中国商務省は16日、環太平洋連携協定(TPP)への参加を正式に申請したと発表した。昨年11月に習近平国家主席がアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で参加検討を表明しており、貿易の大きな枠組みに積極的に関与することで、今後の幅広い通商交渉で主導権を握りたい考えだ。
 TPPへの新規加入には、全参加国の同意が必要。ただ、中国の参加には日本などの警戒感も強く、各国との交渉が順調に進むかは不透明だ。TPPは求められる貿易自由化の水準が高く、中国は国有企業改革などでかなりの痛みを迫られることになるため、早期の参加は困難とみる向きも多い。
 一方、米国はトランプ前政権下でTPPを離脱し、バイデン現政権も復帰に慎重な姿勢を崩していない。中国には、巨大経済圏構想「一帯一路」への風当たりが強まる中、米政府のTPP復帰に向けた動きが本格化する前に具体的な協議に入り、今後の展開を有利にする狙いもありそうだ。
 中国商務省によると、王文濤商務相がこの日、TPPの事務局の役割を担うニュージーランドのオコナー貿易・輸出振興相に申請書を提出。双方は電話会談し、今後の手続きについて話し合った。(2021/09/17-05:56)

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