「格差改善につながらず」 立民、アベノミクス検証
立憲民主党は21日、安倍晋三前首相の経済政策「アベノミクス」に関する検証報告を発表した。「金持ちをさらに大金持ちに、強い者をさらに強くしただけに終わり、格差や貧困問題の改善にはつながらなかった」と批判。「日本経済が混迷から抜け出せない最大の要因だ」と総括した。
報告は、安倍政権下の2014年4月と19年10月の2度の消費税増税についても「需要を喚起しなければならないにもかかわらず、GDP(国内総生産)の半分以上を占める消費を腰折れさせた」と断じた。
立民の枝野幸男代表は記者団にアベノミクスについて「失敗だ。抜本的に変えない限り、日本経済の低迷を抜け出すことはできない」と強調。衆院選で消費税率5%への時限的な引き下げや大企業への課税強化を目玉政策とする考えを示した。
国・地方の基礎的財政収支(PB)を25年度に黒字化するとの政府目標に関し、枝野氏は「財政規律は重要だが、経済を立て直し、暮らしを守ることを優先せざるを得ない」として、政権交代を果たせばPB目標を凍結する意向を表明した。(2021/09/21-11:33)