三菱UFJ、米地銀株売却 総額2兆円規模、ユニオンバンク

2021.09.21
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by 時事通信


三菱UFJフィナンシャル・グループの看板

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 三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は21日、傘下の米地方銀行、MUFGユニオンバンクの全株式を米地銀大手USバンコープに売却すると発表した。MUFGは売却対象の資産価値を176億ドル(約1兆9000億円)と算定。80億ドル(約8800億円)を現金とUSバンコープ株で受け取るとともに、売却に先立ち96億ドル(約1兆円)をユニオンバンクによる配当などの形で得る。
 米金融当局などの承認を得て、2022年1~6月に売却を完了する。MUFGは、個人や中小企業融資の事業を売却し、大企業取引など一部は保持する。ユニオンバンク株の対価として、USバンコープ株の2.9%程度を取得して資本提携するほか、業務提携も検討していく。
 ユニオンバンクは米西海岸を中心に展開する中堅商業銀行で、MUFGが08年に出資比率を引き上げ完全子会社とした。住宅ローンなど個人向け業務から法人融資まで幅広く手掛けているが、デジタル化に伴うコスト負担や長引く低金利による収益悪化が課題となっていた。
 ユニオンバンクにとっては、USバンコープ傘下となることで規模拡大による収益強化が見込める。MUFG側も新たにUSバンコープと資本業務提携することで、「デジタル金融での連携や現地での日系企業への決済サービスの強化が期待できる」(関係者)と判断した。(2021/09/21-22:21)

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