看板政策、実現性疑問も 河野氏、年金改革トーンダウン―自民総裁選

2021.09.27
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by 時事通信


自民党総裁選候補者の共同記者会見を前に撮影に応じる(左から)河野太郎規制改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=17日、東京・永田町の同党本部

自民党総裁選候補者の共同記者会見を前に撮影に応じる(左から)河野太郎規制改革担当相、岸田文雄前政調会長、高市早苗前総務相、野田聖子幹事長代行=17日、東京・永田町の同党本部

 29日の自民党総裁選の投開票に向け、4候補が看板政策を競い合っている。ただ、中には実現性を疑問視する声があちこちから出る独自色の強い政策もある。全額税方式の最低保障年金創設構想をぶち上げた規制改革担当相(58)は、早くも発言をトーンダウンさせている。
 「年金を議論しなければいけないよね、という思いだった。何かの案にこだわっているわけではない」。河野氏は24日のBS日テレの番組で、最低保障年金の創設を提唱した理由をこう説明した。「必要だ」と断言した当初との落差は鮮明だ。
 最低保障年金は、保険料と税金で現在賄っている基礎年金の財源を全額税とし、所得にかかわらず一定の給付を保障する制度だ。消費税の活用が想定されているが、大幅な税率引き上げが不可避とされ、2009年に誕生した旧民主党政権がマニフェスト(政権公約)に掲げながら断念した経緯がある。
 河野氏が告示前の報道各社のインタビューで打ち出すと、他の3候補は「難しい」「無理がある」「不安をあおる」と一斉に批判。「元祖」の流れをくむ立憲民主党からも「消費税はその後10%まで引き上げられており、12年前と違って導入の余地はない」(幹部)との声が出た。
 河野氏周辺は「主張を弱めるべきだ」と進言せざるを得なかった。
 ◇所得2倍?敵無力化?
 前政調会長(64)の金看板は、宏池会(現岸田派)創始者の池田勇人元首相にならった「令和版所得倍増」。ただ、池田氏が所得倍増を唱えたのは高度経済成長の黎明(れいめい)期で、現在との時代背景の違いは明らかだ。足元の岸田派からも「さすがに風呂敷を広げ過ぎ」(中堅)と苦笑が漏れる。
 前総務相(60)は「敵基地無力化」を主張する。前首相が目指した敵基地攻撃能力の保有を発展させるものだ。具体策として挙げるのは衛星の捕獲・妨害や電磁波の活用など。ただ、今の段階で現実的と言えず、国防族議員から「めちゃくちゃな政策」と非難が上がる。防衛省幹部も「真意が分からない」と困惑気味だ。
 年金や自衛官のなり手不足の問題を問われた際、幹事長代行(61)が解決策になると常に主張するのが少子化対策。ただ、少子化はこれまで歴代政権が「国難」などと位置付けながら妙手を繰り出せなかった課題だ。短期間で流れを変えられるとみる向きはほとんどない。
 12日間の選挙戦は佳境に入ったが、情勢はなお混戦模様。ただ、誰が次期首相になっても「公約」実現を迫られるのは間違いない。ある省庁の幹部は「実現できなければ政治責任を問われる可能性はある」と冷徹に語った。(2021/09/27-07:05)

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