君が代不起立、元教諭逆転勝訴 再任用拒否「裁量権の逸脱」―大阪高裁

2021.12.09
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by 時事通信


大阪府教育庁が入る府庁別館=大阪市中央区

大阪府教育庁が入る府庁別館=大阪市中央区

 卒業式などでの君が代の起立斉唱をめぐる対応を理由に再任用を拒まれたとして、大阪府立高校の元教諭の男性(65)が府に計約550万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が9日、大阪高裁であった。本多久美子裁判長は「裁量権の逸脱で違法」と述べ、請求を棄却した一審大阪地裁判決を変更し、府に315万円の賠償を命じた。
 本多裁判長は、再任用希望者のほぼ全員が採用される中、過去に元教諭よりも重い懲戒処分を受けた者が同時期の選考で通っていると指摘し、「他の選考対象者との関係で不合理に取り扱われないという期待に反する」と判断した。
 判決によると、元教諭は定年退職前の2017年1月、当時の校長から君が代の起立斉唱を含む職務命令に従うかどうか意向確認を受け、回答を拒否したところ再任用されなかった。
 大阪市内で記者会見した元教諭は「裁判所が真摯(しんし)に事実を調べてくれた」と評価。府教育庁は「主張が認められず残念」とコメントした。(2021/12/09-15:54)

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