感染者9割に血小板の塊 新型コロナ、重症化予測へ―東大など

2021.12.09
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by 時事通信


東京大学医学部付属病院=東京都文京区

東京大学医学部付属病院=東京都文京区

 新型コロナウイルス感染者の約9割に過剰な数の血小板の塊があり、重症者ほど多かったと、東京大大学院の合田圭介教授らの研究グループが発表した。塊が増えると血栓症が起きやすいため、発見は重症化リスク予測に役立つと期待される。論文は9日、英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズ電子版に掲載された。
 コロナに感染すると全身の血管に多様な血栓症が起き、重症度が上がると報告されている。研究グループは東大病院に入院した感染者110人について、特別な検査機器を使って血小板の塊の出現頻度を調べた。
 その結果、全体の約87%に過剰な数の塊が存在していた。軽症(23人)、中等症(68人)、重症(19人)の各患者で症状が重くなるほど、塊が現れる頻度が上がった。
 頻度は死者(11人)の方が生存者(99人)より高かった。頻度のピークは、軽症者は発症から9~12日目だったが、中等症者は同13~16日目、重症者は同7日目だった。
 研究グループは「塊がどの程度増えると重症化リスクが何倍になるかなどはまだ不明だが、さらにデータを集めればより的確な血栓症治療薬の選択につながる可能性もある」と指摘している。(2021/12/09-19:10)

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