北京五輪対応「国益照らし判断」 中和抗体薬、年初までに50万回分―岸田首相

2021.12.09
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by 時事通信


衆院本会議で国民民主党の玉木雄一郎代表の代表質問に答弁する岸田文雄首相=9日午後、国会内

衆院本会議で国民民主党の玉木雄一郎代表の代表質問に答弁する岸田文雄首相=9日午後、国会内

 首相は9日の衆院本会議で、来年2月の北京冬季五輪に政府関係者を派遣しない「外交ボイコット」を米英などが相次ぎ表明していることに関し、「日本政府の対応は適切な時期に外交上の観点、諸般の事情を総合的に勘案し、国益に照らして自ら判断したい」と述べた。
 国民民主党の代表は、中国の人権状況を踏まえ、「日本も外交ボイコットを検討すべきだ」と求めた。首相は「人権をはじめ普遍的価値を守り抜くことを重視しており、中国でも保障されることが重要だ」と指摘するにとどめた。
 首相は、新型コロナウイルスの軽症者などの治療に使われる中和抗体薬について「来年初頭までに約50万回分、確保する」との見通しを示した。その上で「必要とする方が適切に使用できるよう投与体制の整備を進めていく」と述べた。日本維新の会の共同代表への答弁。
 変異株「オミクロン株」の感染拡大で外国人の新規入国を原則禁止している水際対策に関し、首相は「機動的かつ適切な水際対策を講じていく」と強調。例外として、外国政府関係者やワクチン開発の技術者など公益性が高い人、日本人の配偶者ら人道上の配慮が必要である人を挙げた。
 マイナンバーカード取得者に最大2万円分のポイントを付与する新たなマイナポイント事業をめぐり、「新規取得に対する最大5000円相当のポイント付与は来年1月1日から開始する」と表明。健康保険証として利用登録した場合などのポイント付与は、システム改修を行った上で早期に始めるとした。公明党の幹事長への答弁。
 揮発油税などを減税する「トリガー条項」の凍結解除については、「適当ではない」と述べ、農業や漁業など業種別の対策を講じる考えを示した。
 首相は、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設について「唯一の解決策だ」と述べ、工事を進める必要性を強調した。共産党の委員長への答弁。(2021/12/09-19:01)

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