伊藤さんの性被害、二審も認定 元TBS記者に賠償命令―東京高裁

2022.01.25
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by 時事通信


ジャーナリストの伊藤詩織さん=2021年11月30日、東京都千代田区

ジャーナリストの伊藤詩織さん=2021年11月30日、東京都千代田区

 ジャーナリストの伊藤詩織さん(32)が、元TBS記者山口敬之氏(55)から性的暴行を受けたとして損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日、東京高裁であった。中山孝雄裁判長は一審に続き伊藤さんに性被害があったと認め、治療関係費として2万円余りを増額した計約332万円の支払いを山口氏に命じた。
 一方、著書などで名誉を毀損(きそん)されたとして山口氏が1億3000万円の賠償などを求めた訴訟では、伊藤さんに55万円の支払いを命じた。
 伊藤さんが起こした訴訟で中山裁判長は、性暴力被害を訴えた伊藤さんの供述を「ほぼ一貫して具体的で、虚偽の申告をする動機は認められない」と指摘。性行為に合意があったなどとする山口氏の主張は「(伊藤さんと)親密な関係とは認められない。意識を失っている中で始めたと認めざるを得ない」と退けた。
 名誉毀損訴訟では、伊藤さんが著書などで薬を盛られた可能性に触れた点を「真実と信じる相当の理由があったとは言えない」と判断し、山口氏の訴えを一部認めた。同氏が求めた謝罪広告の掲載は認めなかった。
 判決によると、2人は2015年4月、東京都内で食事や飲酒をし、伊藤さんは気分が悪くなって吐いたほか、自力で歩行できない状態だった。山口氏は伊藤さんを自分が宿泊するホテルに連れて行き、性行為に及んだ。
 一審東京地裁は19年12月、山口氏が意識のない伊藤さんに合意なく性行為に及んだと認定し、330万円の支払いを命令。山口氏の請求は退けていた。
 東京地検は16年7月、準強姦(ごうかん)容疑で書類送検された山口氏を嫌疑不十分で不起訴とした。(2022/01/25-17:59)

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