関越バス事故から10年 遺族「終わったわけではない」―群馬

2022.04.29
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by 時事通信


7人が死亡した関越バス事故から10年がたち、現場近くの祭壇に手を合わせる遺族ら=29日午前4時50分ごろ、群馬県藤岡市(代表撮影)

7人が死亡した関越バス事故から10年がたち、現場近くの祭壇に手を合わせる遺族ら=29日午前4時50分ごろ、群馬県藤岡市(代表撮影)

 群馬県藤岡市の関越自動車道で2012年、乗客7人が死亡、38人が重軽傷を負った高速ツアーバス事故から29日で10年となった。発生時刻の午前4時40分には犠牲者の遺族や友人ら約30人が事故現場を訪れ、近くに設置された祭壇に手を合わせた。
 事故で母親の郁子さん=当時(49)=を亡くし、自身も重傷を負った林彩乃さん(33)=富山県高岡市=は「あっという間でもあったし、まだそれしかたっていないのかという気持ちもある」と振り返る。10年たった今も母への思いは募るばかりで、「(事故は)終わったわけではない。節目という言葉では片付けられない」と語った。
 山瀬俊貴さん(29)=前橋市=は、事故で母の直美さん=当時(44)=を失ったことをきっかけに、群馬県警の警察官となった。10年の間に、自らも父親となった。「家族を大事にしたい」と決意を新たにし、亡き母にはこの日、「天国から守ってほしい」と改めて伝えたという。(2022/04/29-10:58)

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