「辺野古」問題、地元と対話を 沖縄知事インタビュー―復帰50年

2022.05.10
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by 時事通信


報道各社のインタビューに応じる玉城デニー沖縄県知事=9日、那覇市

報道各社のインタビューに応じる玉城デニー沖縄県知事=9日、那覇市

 15日に沖縄が本土復帰50年を迎えるのを前に、玉城デニー沖縄県知事が9日、県庁で報道各社のインタビューに応じた。政府と県で平行線が続く米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設に関し、「政府は(地元の)意見を真摯(しんし)に聴く責任がある」と強調。対話の場を設けるべきだとする従来の主張を改めて展開した。主な一問一答は次の通り。
 ―復帰から50年たった沖縄をどう見るか。
 5次にわたる沖縄振興計画でさまざまな社会基盤の整備が進むに伴い、観光、情報通信関連産業は発展を遂げた。しかし、現在でも1人当たり県民所得は一貫して全国最下位あたりの位置で、自立型経済の構築はまだまだ道半ばだ。
 ―国による振興策はいつまで必要か。
 振興策は、離島の条件不利性や米軍基地問題など、沖縄の特殊事情から生じる課題にも対応するため行われている。この課題が解決されることが重要なポイントだ。
 ―辺野古移設問題の対応次第で政府が関連予算を増減させる「リンク論」をどう考えるか。
 政府も「基地を容認するから予算を増やす」とは考えていないと思う。基地の跡地利用が沖縄振興につながるという意味なら「リンクしている」と納得できる。基地問題は政府が解決すべきで、沖縄振興もしっかりした予算で行われるべきだ。
 ―基地の整理・縮小が県民の望み通りになっていない要因は。
 外交・安全保障という国の専権事項を政府間協議だけで進め、基地所在市町村や都道府県の意見を取り入れることがない構図に問題がある。地域の発展の障害に基地問題があるなら、政府は都道府県の意見を真摯(しんし)に聴く責任がある。これからも政府と対話によって解決する方針を堅持したい。
 ―自衛隊の「南西シフト」が加速している。
 台湾をめぐる問題がエスカレートし、有事に発展することや、沖縄が攻撃目標となる不測の事態が生じることは絶対にあってはならない。日米安全保障体制の必要性は理解するが、十分に説明し、専守防衛の必要最小限度の整備に徹してほしい。(2022/05/10-07:05)

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