工業用水、取水を再開 本格復旧めど立たず―愛知

2022.05.19
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by 時事通信


漏水が発生した取水施設「明治用水頭首工」。仮設のポンプで川から水をくみ上げている=19日午前、愛知県豊田市

漏水が発生した取水施設「明治用水頭首工」。仮設のポンプで川から水をくみ上げている=19日午前、愛知県豊田市

  • 漏水が発生した取水施設「明治用水頭首工」に集まる関係者ら=19日午前、愛知県豊田市

 川をせき止めて水を取り込む愛知県豊田市の施設「明治用水頭首工」で大規模な漏水が起き、同県内の工業用水などに一部影響が出ている問題で、愛知県は19日、仮設ポンプによる応急措置が進み、取水を再開したと発表した。工業用水については、同日午後7時から通常の3割程度での供給が可能になったが、漏水部分の復旧のめどは立っておらず、本格的な供給再開には時間がかかる見通しだという。
 県は通常、豊田市や岡崎市など12市町131事業所の工業用水を頭首工から取り、用水路を通じて安城浄水場(安城市)に送っている。そこから各事業所に給水しているが、漏水で18日から取水が止まっていた。
 県は同日、浄水場に残った水で給水を続ける一方、企業に節水を要請。頭首工を所管する東海農政局は工業用水の応急確保のため、仮設ポンプで川の水をくみ上げていた。19日に浄水場の配水池に新しい水がたまり、供給できる見通しが立った。当初危惧されていた全面的な給水停止は免れた形だ。
 漏水は頭首工の川底に穴が開き、水が地中を通って下流に流れたことで起きた。東海農政局は仮設ポンプの台数を増やすなどして工業用水を確保するが、本格的な復旧工事の見通しは立っていない。(2022/05/19-21:52)

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