「次男の命、なぜ奪った」 加害男性に父問い掛け―神戸連続児童殺傷25年

2022.05.24
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by 時事通信


連続児童殺傷事件で捜索する兵庫県警の捜査員=1997年、神戸市須磨区

連続児童殺傷事件で捜索する兵庫県警の捜査員=1997年、神戸市須磨区

 神戸市須磨区で1997年に起きた連続児童殺傷事件で、小学6年だった土師淳君=当時(11)=が殺害されてから24日で25年となった。父親の守さん(66)は加害男性に対し、「なぜ、次男の命が奪われなければいけなかったのか。問いに答える義務がある」と呼び掛けるコメントを寄せた。
 医療少年院を仮退院した2004年以降、加害男性からは淳君の命日前に手紙が届いていたが、18年に途絶えた。守さんは弁護士を通じたコメントで、「私たちは真の解答を求め続けている」と心情を明かし、「自らが犯した残忍な犯罪に向き合い、真実を導き出す必要がある。手紙を書くという行為はその方法の一つだ」と男性に訴えた。
 守さんは今年4月施行の改正少年法にも言及。選挙権年齢が18歳に引き下げられる中、18、19歳が引き続き保護の対象とされたことについて、「権利を与えるが、罪を犯したときは少年法で庇護(ひご)するということは異常な状態であると思うのが当然。完全なダブルスタンダードだ」と指摘。「少年法の基本的な精神には賛同している」とした上で、「遺族というような形の深刻な被害者を生み出す場合は、考える次元が大きく変わってくる。バランスを欠いた考え方は許されることではない」と批判した。
 事件は97年2~5月に発生。小学生5人が相次いで襲われ、4年生だった山下彩花さん=当時(10)=と淳君が死亡。当時14歳だった加害男性は逮捕後、医療少年院に収容された。(2022/05/24-09:09)

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