北朝鮮、新型ICBM発射 核起爆装置試験を探知、実験警戒―米大統領歴訪直後

2022.05.25
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by 時事通信


北朝鮮の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」=3月24日、撮影場所不明(朝鮮中央通信配信)(AFP時事)

北朝鮮の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」=3月24日、撮影場所不明(朝鮮中央通信配信)(AFP時事)

  • 北朝鮮の弾道ミサイル発射について、記者団の取材に応じる岸田文雄首相=25日午前、首相官邸
  • 【図解】北朝鮮、弾道ミサイル発射

 【ソウル、ワシントン時事】韓国軍によると、北朝鮮は25日、平壌の順安空港一帯から日本海に向け連続して3発の弾道ミサイルを発射した。新型の大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星17」と短距離弾道ミサイルとみられる。1発は途中で消え、韓国軍は失敗の可能性を視野に分析している。日本政府も少なくとも2発を捕捉し、2発は日本の排他的経済水域(EEZ)の外に落下した。
 バイデン米大統領が24日まで日韓を歴訪し、北朝鮮対応での日米韓連携を確認した直後の発射。韓国大統領府高官はミサイル発射以外にも、北朝鮮の北東部豊渓里の核実験場とは別の場所で、核起爆装置作動試験を探知していたと明らかにした。「1、2日以内に核実験が起きる可能性は小さいが、その後の時点では十分ある」と指摘し、核実験場を注視している。
 韓国軍によると、弾道ミサイルは25日午前6時(日本時間同)ごろと同37分ごろ、同42分ごろの3回にわたり各1発発射された。1発目はICBMと推定され、飛距離約360キロ、最高高度約540キロ、2発目は高度約20キロで消失し、3発目は短距離弾道ミサイルと推定され、飛距離約760キロ、最高高度約60キロだった。
 韓国軍と在韓米軍は、日本海に地対地ミサイルを計2発発射する訓練を行った。韓国空軍はF―15K戦闘機30機以上を滑走路に待機させる「エレファント・ウォーク訓練」を実施。さらなる挑発を抑止するため攻撃力を示したと説明した。
 朝鮮中央通信によると、北朝鮮では4月末からの累計で約306万4880人が発熱し、68人が死亡した。新型コロナウイルス感染拡大状況下でも軍事力開発を続ける姿勢を示した格好だ。
 米ホワイトハウスによると、サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)と韓国の金聖翰国家安保室長が電話会談し、北朝鮮のミサイル発射をそろって非難し、緊密な連携を確認した。サリバン氏は韓国に対する米国の防衛義務は揺るぎないことを確認した。
 防衛相は「国連安保理決議に違反するもので強く非難する」と述べた。日本政府は北京の大使館ルートを通じて抗議した。首相は情報収集、国民への情報提供、船舶の安全確保を指示。韓国の尹錫悦大統領は国家安全保障会議(NSC)を開催した。(2022/05/25-18:43)

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