政府、感染「第7波」警戒 全国旅行支援、なお判断保留―新型コロナ

2022.07.02
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by 時事通信


記者会見する木原誠二官房副長官=1日、首相官邸

記者会見する木原誠二官房副長官=1日、首相官邸

 新型コロナウイルスの新規感染者が全国的に増加に転じ、政府は感染「第7波」につながりかねないとして警戒を強めている。首相は状況が許せば新たな観光需要喚起策「全国旅行支援」を7月前半にスタートさせるとしていたが、判断を誤ると感染拡大を加速させる恐れがあるため、推移をなお見極めたい考えだ。
 官房副長官は1日の記者会見で、新型コロナの感染再拡大に「高い緊張感、警戒感を持って対応していきたい」と表明。その上で全国旅行支援に関し、「もう少し感染状況を見守りたい。特に期限は区切っていない」と述べ、開始のタイミングを慎重に検討する方針を示した。
 新規感染者は2月をピークに減少が続いてきた。だが、29都府県で先週に比べて陽性者が増えたことを受け、厚生労働省の専門家組織は先月30日、「全国的に上昇傾向に転じた」との見解を発表。東京都は「感染が再拡大している」として感染状況レベルを1段階引き上げた。
 3回目のワクチン接種から時間が経過し、多くの人の免疫が衰えてきていることに加え、感染力が強いとされるオミクロン株の新系統「BA.5」への置き換わりが進んでいることが背景にあるとされる。政府関係者は「どの程度勢いがあるか注視している」と語った。
 全国旅行支援は2020年末に中断された「Go To トラベル」に代わる施策だ。旅行代金を国の補助で割り引く内容で、社会経済活動の回復を重視する首相が「6月中の感染状況を見極め、改善が確認できれば、7月前半より実施する」と6月15日の会見で表明した。
 しかし、「感染状況は改善された」とは言いづらい状況になり、全国旅行支援を予定通り始めるか、政府内では慎重論も出ている。首相官邸幹部は「選挙期間中だけに難しい判断だ」と指摘。7月10日の参院選投開票後に結論を先送りする可能性に触れた。(2022/07/02-07:20)

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