人に合わせて笑うロボット 相手への「共感」目指す―京都大

2022.09.29
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by 時事通信


相手の笑いに応じて笑いを返すロボット(右)=28日午後、京都市の京都大学

相手の笑いに応じて笑いを返すロボット(右)=28日午後、京都市の京都大学

 京都大大学院情報学研究科の井上昂治助教らの研究グループは29日までに、相手の笑いに合わせて笑い方を選ぶロボットを開発したと発表した。人の笑い声の周波数を分析し、人工知能(AI)が大笑いや愛想笑いを返すか、笑わないかの三つから選ぶ。適切な笑い方を自ら判断して選ぶロボットは世界で初めてという。
 井上助教らは、質問に適切に答えるだけでなく、相手の話に共感を示すロボットの開発を目指しており、「自然に笑うロボットの開発を進めることで、人と共生するロボットの実現につなげたい」と話している。
 研究グループは初対面の男女82人の会話を録音し、相手の笑いに合わせて笑う「同調笑い」に着目してAIに音声データを機械学習させた。相手の笑い声の周波数を分析し、まず一緒に笑うか笑わないかを選んだ上で、笑う場合は大笑いか愛想笑いかを選択するシステムを構築した。
 研究成果は15日付の国際学術誌に掲載された。今後は、介護施設などへの導入に向けた実証や会話の内容を理解して笑う機能の開発に取り組むという。(2022/09/29-05:16)

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