赤木さん妻の請求棄却 佐川氏に賠償認めず―森友文書改ざん・大阪地裁

2022.11.25
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by 時事通信


記者会見する赤木雅子さん代理人の松丸正弁護士(左)ら=25日午後、大阪市北区

記者会見する赤木雅子さん代理人の松丸正弁護士(左)ら=25日午後、大阪市北区

 学校法人森友学園を巡る財務省の公文書改ざん問題で、近畿財務局職員赤木俊夫さん=当時(54)=が自殺したのは同省理財局長だった佐川宣寿元国税庁長官の改ざん指示が原因だとして、妻雅子さん(51)が1650万円の損害賠償を佐川氏に求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁であった。中尾彰裁判長は「公務員の個人責任を認める法的根拠は見いだしがたい」として請求を棄却した。原告側は控訴する方針。
 国家公務員の職務中の不法行為について、個人ではなく国が責任を負うと法律で規定されている中、佐川氏個人の賠償責任を問えるかが争点だった。
 原告側は、改ざん指示は「特別に悪質な行為」として、同種行為を抑止するため、例外的に責任を認めるべきだと訴えた。しかし、中尾裁判長は損害賠償制度は「加害者への制裁や一般予防が目的ではない」と指摘。佐川氏とともに提訴された国が昨年末、賠償請求を認める「認諾」を行ったことから、「被害者保護に欠けることはない」とも述べた。
 これまで公の場での証言を拒んできた佐川氏についても、「道義上はともかく、説明や謝罪をすべき法的義務が発生するとは考えられない」とした。(2022/11/25-18:50)

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