「地獄のような場所」で拘束生活 ミャンマーから帰国の久保田さん

2022.11.28
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by 時事通信


記者会見で、横断幕を持たされた自身の写真を示す久保田徹さん=28日午後、東京都千代田区

記者会見で、横断幕を持たされた自身の写真を示す久保田徹さん=28日午後、東京都千代田区

  • 久保田徹さんがミャンマー人から拘束中に託された手紙=28日午後、東京都千代田区

 ミャンマーで今年7月に拘束されてデモを扇動した罪などに問われ、今月17日に解放されたドキュメンタリー制作者の久保田徹さんが28日、東京都内で記者会見し、「地獄のような場所」で拘束されていたと当時の状況を振り返った。また、軍政下で「声を上げられない人々」に注目してもらうため、今後も活動していくと語った。
 久保田さんは、最大都市ヤンゴンで慈善活動を取材するため入国したが、「生命の危機にひんしたり、拘束され自由を奪われたりしている人々」を見て、反軍政デモの撮影を決めた。ただ、「状況判断が甘かった」と反省も口にした。
 拘束後は「(デモを扇動する)横断幕を持たされ、写真を撮られた」。当初は冷房のついた部屋で取り調べを受けたものの、軍政が弾圧するイスラム系少数民族ロヒンギャを撮影した過去の映像が発見され、「2メートル×5メートルほどの部屋に20人以上が生活し、折り重なって寝る、日の光も入らない地獄のような留置場」に移された。「警棒で殴られた人や目を充血させたあざのある少年」も目にした。
 拘束中にミャンマー人から「正義と人権、民主主義のための協力」を求める手紙をひそかに託された。「自分の映像で支援が行き届くような形をつくりたい」と活動継続を誓った。(2022/11/28-20:30)

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