電力カルテル、課徴金1000億円 中部・中国・九州、過去最高―競争制限、公取委が処分案通知

2022.12.01
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by 時事通信


(上から)中国電力、九州電力、中部電力のロゴ

(上から)中国電力、九州電力、中部電力のロゴ

 大手電力会社が顧客獲得競争を制限するを結んでいたとされる問題で、公正取引委員会は1日、中部電力(名古屋市)、中国電力(広島市)、九州電力(福岡市)などに課徴金納付を命じる処分案を通知した。課徴金の総額は約1000億円で過去最高となる見通し。
 中国電と九電、中部電の子会社などには再発防止を求める排除措置も命令する予定で、公取委は各社の意見聴取後に最終的な結論を出す。巨額の課徴金納付が命じられれば、燃料費高騰や円安で悪化している各社の業績に影響を与えそうだ。
 関係者によると、処分案で最も課徴金額が高かったのは中国電で約700億円。中部電と同社子会社に計約275億円、九電に約27億円を求めている。
 これまでに公取委が命じた課徴金の最高額は、道路舗装に使うアスファルト合材の販売で価格カルテルを結んだとして、大手メーカー8社が2019年に受けた計約399億円。中国電の1社だけで、これを上回る見通しとなった。
 中部電と中国電、九電は18年ごろから、事業者向けの販売を巡り、関西電力(大阪市)と互いに他社エリア内で低価格を提示するなどの営業活動はしないよう申し合わせ、競争を制限した疑いが持たれている。(2022/12/01-17:50)

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