「反撃能力」保有、与党が正式合意 安保政策大転換、戦略文書明記へ―中朝念頭、3要件で行使判断

2022.12.02
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by 時事通信


【図解】反撃能力行使の流れ

【図解】反撃能力行使の流れ

  • 防衛力強化に関する与党のワーキングチームの会合であいさつする自民党の小野寺五典元防衛相(中央)。左端は公明党の佐藤茂樹国対委員長=2日午後、衆院議員会館

 自民、公明両党は2日、国会内で防衛力強化に関し、実務者によるワーキングチーム(座長・元防衛相)の会合を開き、敵のミサイル基地などを攻撃する「反撃能力」(敵基地攻撃能力)の保有を認めることで合意した。これを受け、政府は年末までに国家安全保障戦略など3文書に保有を明記する。これまで専守防衛を基本政策として、打撃力を保有してこなかった日本の安保政策の大転換となる。
 北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射や中国の海洋進出など日本周辺の安保環境は厳しさを増しており、現在のミサイル防衛体制では抑止力を高められないと判断した。
 実務者会合では、反撃能力の行使に当たり、武力攻撃事態法など現行の安保関連法制で定める「使」に基づき、自衛権行使の一環として必要最小限度の措置とする政府方針を了承した。名称については、敵基地攻撃能力ではなく「反撃能力」とすることも与党間で合意した。
 実際に自衛隊が反撃能力を行使する場合、国会承認などの手続きを踏むことになる。日本が攻撃を受けた「武力攻撃事態」だけでなく、限定的な集団的自衛権行使が可能となる「存立危機事態」も対象に含める。(2022/12/02-19:15)

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