沖縄陸自、3000人規模に増強 台湾有事に備え、27年度までに―防衛省

2022.12.06
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by 時事通信


沖縄県石垣島で建設工事が進む陸上自衛隊の駐屯地予定地=9月19日

沖縄県石垣島で建設工事が進む陸上自衛隊の駐屯地予定地=9月19日

 防衛省は南西諸島の防衛体制を強化するため、沖縄県に駐屯する陸上自衛隊の部隊を増強する方針を固めた。規模を現在の約2000人から2027年度までに約3000人に増やす方向で調整する。同省関係者が5日、明らかにした。
 中国は沖縄・尖閣諸島周辺で侵入を繰り返し、台湾海峡有事の可能性も指摘されている。こうした情勢を勘案し、現在の体制では不十分だと判断した。
 具体的には、那覇市に司令部がある第15旅団の普通科連隊を現在の一つから二つにする。また、指揮官の階級を陸将補から陸将に格上げする。
 政府は国家安全保障戦略など3文書を月内に改定することにしており、この中に沖縄での部隊増強の方針を明記する考え。現行の「中期防衛力整備計画」に代わる「防衛力整備計画」には従来通り5年単位の経費総額を盛り込むことから、この期間に合わせて必要な整備を進める。
 防衛省関係者は沖縄での部隊増強の狙いについて、有事だけでなく「自然災害発生時の救援でも南西諸島の各離島に対して迅速で手厚い対応を取れるようになる」と説明している。住民の理解を得るため、こうした点を強調していくとみられる。
 中国の動きを踏まえ、自衛隊の「南西シフト」はこれまでも進んできている。16年に台湾に最も近い与那国島に陸自駐屯地を開設し、情報収集を担う沿岸監視隊を配備。19年に宮古島と鹿児島県・奄美大島に駐屯地を設け、警備部隊やミサイル部隊が任務に当たる。22年度末には石垣島にも駐屯地を新設し、ミサイル部隊などを置く計画だ。(2022/12/06-07:09)

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