国内最大級、3.5メートルの木製埴輪 峯ケ塚古墳から出土―大阪・羽曳野

2022.12.08
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by 時事通信


峯ケ塚古墳から出土した国内最大級の木製埴輪(はにわ)の残存部分(大阪府羽曳野市教育委員会提供)

峯ケ塚古墳から出土した国内最大級の木製埴輪(はにわ)の残存部分(大阪府羽曳野市教育委員会提供)

 大阪府羽曳野市教育委員会は8日、世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の構成資産の一つである「峯ケ塚古墳」(羽曳野市)から、長さ約3.5メートルの国内最大級の木製埴輪(はにわ)が出土したと発表した。
 発見されたのは、木製埴輪の一種「石見型木製品」。羽曳野市教委は「石見型木製品はこれまで、国内15基の古墳からしか見つかっていない。木材は当時の権力者が好んだ『コウヤマキ』が使われており、非常に珍しい」と話している。
 市教委によると、峯ケ塚古墳は5世紀末に築造されたと考えられている前方後円墳で、墳丘の全長は約96メートル。今回の発掘調査で、古墳を囲む堀から長さ約3.5メートル、幅約75センチ、厚さ約8センチの木製埴輪の残存部分が発見された。長さは、御墓山古墳(奈良県天理市)の石見型木製品(長さ約2.6メートル)を超え、最長という。
 木製埴輪に詳しい奈良県文化財保存課の鈴木裕明課長補佐は「伐採できる場所が限られているコウヤマキ製の木製埴輪は、近畿の古墳にしか分布せず、数も極めて少ない。王権の中枢にいた人物が埋葬された可能性がある」と説明している。(2022/12/08-16:50)

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