半導体規制、米日オランダ合意 中国包囲網の「一里塚」

2023.01.28
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by 時事通信


中国の半導体受託製造大手「中芯国際集成電路製造(SMIC)」の上海工場=2020年9月、上海(EPA時事)

中国の半導体受託製造大手「中芯国際集成電路製造(SMIC)」の上海工場=2020年9月、上海(EPA時事)

 【ワシントン時事】米国、日本、オランダの3カ国は27日、中国による先端技術の軍事転用を阻止するため、半導体製造装置の販売に一定の制限を設けることで合意した。ブルームバーグ通信など複数の米欧メディアが報じた。バイデン米政権が目指す対中包囲網の形成に向けた「重要な一里塚」となるが、中国の強い反発は必至。関係する日本の企業も厳しい対応を迫られる。
 米政権は昨年10月、台湾有事といった地政学リスクも念頭に、大量破壊兵器に転用できる半導体および製造装置の対中輸出規制を大幅に強化した。バイデン大統領は今月中旬、先端技術に強みのある日本の岸田文雄首相、オランダのルッテ首相と相次ぎ会談し、中国の問題を直接提起。台湾や韓国にも共同歩調を求めている。
 半導体製造装置市場に占める米日オランダのシェアは約7割に達する。オランダ大手紙フォルクスクラントは、3カ国の合意を東西冷戦時代になぞらえ「中国を取り巻く鉄のカーテン」と表した。ただ、英紙フィナンシャル・タイムズによると、中国の報復に対する「懸念」を理由に、合意した事実や詳細は公表されていない。(2023/01/28-16:39)

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