陸自性被害、賠償求め提訴 実名告発の五ノ井さん―横浜地裁

2023.01.30
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by 時事通信


陸上自衛隊の性被害問題で、提訴後に記者会見する五ノ井里奈さん=30日午後、東京都千代田区

陸上自衛隊の性被害問題で、提訴後に記者会見する五ノ井里奈さん=30日午後、東京都千代田区

 陸上自衛隊の性被害問題で、被害を受けた元自衛官五ノ井里奈さん(23)が30日、国や加害者の元同僚5人を相手取り、計750万円の損害賠償を求める訴訟を横浜地裁に起こした。提訴後に記者会見した五ノ井さんは「本当に反省したのか疑念が生じた。責任を取ってもらうとともに訴訟で自衛隊の体質を変える道筋を付けたい」と話した。
 五ノ井さんは陸自郡山駐屯地に勤務していた2021年8月、先輩隊員らに押し倒され、下半身を押し付けられるなど複数の性被害で精神的苦痛を受けたと主張。被害を訴えたのに、陸自は十分な調査や再発防止措置を取らなかったとしている。
 昨年、退職後に実名で被害を告発。陸自は事実を認めて謝罪し、隊員5人を懲戒免職とするなどした。加害者の隊員は昨年10月に五ノ井さんと面会し、直接謝罪していた。
 五ノ井さん側によると、示談交渉で相手側代理人から「個人の責任が問えるかは微妙だ」という趣旨の説明があった。真意を確認したが応答がなく、交渉が中断していたという。五ノ井さんは「謝罪が表面的なものだったのではと感じ、訴えるしかなかった」と話した。
 防衛省は「訴状が届き次第、関係機関と検討して適切に対応したい」としている。(2023/01/30-17:49)

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