AOKI元会長に懲役2年6月求刑 五輪汚職、検察「国内外の信頼失墜」―東京地裁

2023.02.01
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by 時事通信


東京地裁=東京都千代田区

東京地裁=東京都千代田区

 東京五輪・パラリンピックのスポンサー契約を巡る汚職事件で、大会組織委員会元理事の高橋治之被告(78)=受託収賄罪で起訴=に便宜供与を頼み賄賂を渡したとして、贈賄罪に問われた紳士服大手「AOKIホールディングス」元会長、青木拡憲被告(84)ら3人の論告求刑公判が1日、東京地裁(安永健次裁判長)であった。検察側は「大会の公正な運営に対する国内外の信頼を失墜させ、大会が生み出した高い公共的価値を踏みにじった」とし、同被告に懲役2年6月を求刑した。
 青木被告の実弟で元副会長の宝久被告(77)には同1年6月、元専務執行役員の上田雄久被告(41)には同1年を求刑。この日で結審し、判決は4月21日に言い渡される。
 検察側は論告で、青木被告らが大会スポンサーを安値で打診され、契約締結の後押しを頼んだことを皮切りに日本選手団の公式服装の受注などを繰り返し請託していたことから、「あらゆる機会を利用した貪欲で執拗(しつよう)な犯行だ」と非難した。その上で、「正規で契約した企業と比べて極めて不公平で理不尽だ」と指摘した。
 青木被告については、「贈賄を主導して証拠隠滅を事細かく指示しており、犯情は悪質だ」とした。
 弁護側は「高橋被告が私的利益を得る目的で青木被告らを引き込んだ」とした上で、3人とも起訴内容を認めていることから執行猶予付きの判決を求めた。最終陳述で、青木被告は「深く反省しております。申し訳ございません」と述べ、一礼した。(2023/02/01-11:59)

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