電力大手8社が大幅赤字 東電6509億円、燃料高直撃―4~12月期

2023.02.01
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by 時事通信


決算発表記者会見に臨む東京電力ホールディングスの山口裕之副社長(右)=1日午後、東京都千代田区

決算発表記者会見に臨む東京電力ホールディングスの山口裕之副社長(右)=1日午後、東京都千代田区

 沖縄電力を除く電力大手9社の2022年4~12月期連結決算が1日、出そろった。ロシアのウクライナ侵攻を背景とした液化天然ガス(LNG)や石炭などの燃料高を受け、純損益は8社が大幅な赤字となった。特に東京電力ホールディングス(HD)が6509億円の赤字に陥るなど、東北電力、中国電力、北陸電力を含む4社の赤字額は過去最大。ただ、四国電力は伊方原発3号機(愛媛県伊方町)の稼働で燃料費を圧縮でき、唯一黒字を計上した。
 23年3月期通期業績見通しも8社が赤字を予想する。一方、中部電力は足元で燃料価格や卸電力市場の取引価格が下落していることから上方修正し、従来予想の1300億円の赤字から一転して500億円の黒字を見込む。
 電力会社は「燃料費調整制度」に基づき、燃料価格の上昇分を事前に定めた上限まで利用者に転嫁できるが、上限を超えた分については自社で負担している。通期の負担額は、東電HDで1000億円に上るなど9社で総額4000億円規模に膨らむ見通し。(2023/02/01-19:54)

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