ホンダ、燃料電池を販売 トラック、工場に活用拡大

2023.02.02
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by 時事通信


ホンダが販売する「次世代燃料電池システム」の展示モデル(手前)=2日午前、東京都港区

 ホンダは2日、燃料電池システムの他社への販売を開始し、商用車メーカーや工場などに水素技術の活用の幅を広げる方針を発表した。併せて2024年発売の新型の燃料電池車(FCV)を北米に加えて日本市場にも投入すると明らかにするなど、水素事業を多面展開する。
 同社は40年に世界で販売する全車種を、電気自動車(EV)とFCVにする計画。自動車はEVシフトが世界の潮流だが、燃料電池の用途を自社のFCV以外にも増やすことで、培ってきた水素技術を脱炭素化につなげたい考え。
 燃料電池の用途は、乗用車や商用トラック、工場の非常用電源などに使う「定置電源」、建設機械の各領域を想定。20年代半ばに年間2000基規模で販売を開始し、30年に6万基、30年代後半には数十万基へと規模を拡大する。 
 まずは、米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発中の「次世代燃料電池システム」を販売。従来型と比べ、コストを3分の1以下に抑え、2倍以上の耐久性を見込む。30年の普及期には、さらにその半分以下にコストを下げることを目標に研究していく。
 青山真二専務は「自動車の世界ではEVが中心になる一方、(トラックなど輸送)距離が長いものはFCVに優位性がある」と話す。ホンダは、いすゞ自動車や中国の東風汽車集団と共同で商用トラックの実証実験を進める。(2023/02/02-19:47)

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