笹川氏、和平推進に意欲 国軍と武装勢力の停戦仲介―ミャンマー

2023.02.07
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by 時事通信


6日、バンコクで時事通信の取材に応じる日本財団の笹川陽平会長

6日、バンコクで時事通信の取材に応じる日本財団の笹川陽平会長

  • ミャンマー西部ラカイン州の避難民キャンプを視察する日本財団の笹川陽平会長(左)(日本財団提供・時事)

 【バンコク時事】ミャンマー国軍と西部ラカイン州の少数民族武装勢力「アラカン軍」の停戦を仲介した日本財団の笹川陽平会長が6日、タイのバンコクで取材に応じた。4日に現地視察した笹川氏は、国軍とアラカン軍は情報を共有する体制を構築しており、停戦は「予想外に順調」と評価。「他地域のモデルにしたい」と述べ、戦闘が続く各地での和平交渉推進に意欲を見せた。
 国軍とアラカン軍は昨年11月、日本財団の仲介で、人道支援が行われている間の停戦維持で合意した。ミャンマー国民和解担当の日本政府代表を務める笹川氏は「話し合いで多くの問題が解決したと報告を受けた」と語り、手応えを口にした。
 日本財団はラカイン州への支援第1弾として、3月末までに州内の避難民に毛布約2万3300枚を配布。第2弾として学校や診療所、帰還者用住宅の建設を計画しており、国軍とアラカン軍に場所や時期を協議するよう働き掛けている。
 ミャンマーではクーデターで権力を握った国軍と民主派武装組織の武力衝突が続くが、笹川氏にはいずれからも仲介の要請はないという。8月に予定されていた総選挙は、非常事態宣言の延長で先送りされる見通しとなった。笹川氏は「民主化の第一歩は選挙。何が何でもやらないといけない」と力説した。
 笹川氏は東南アジア諸国連合(ASEAN)が国軍に履行を求める暴力停止などの「5項目の合意」に支持を表明する一方、「掲げるだけでは解決しない」と指摘。最大都市ヤンゴンに現地事務所を設け、連絡を密にすべきだと提唱した。(2023/02/07-13:31)

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