電通など6社、立件検討 自主申告ADKは免れる―五輪談合、東京地検・公取委

2023.02.09
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by 時事通信


電通本社=東京都港区

電通本社=東京都港区

 東京五輪・パラリンピックの会場運営業務を巡る談合事件で、東京地検特捜部と公正取引委員会が広告最大手「電通」など関与した7社のうち6社について、独禁法違反(不当な取引制限)容疑での立件を検討していることが9日、関係者への取材で分かった。いち早く違反を自主申告した広告大手「ADKマーケティング・ソリューションズ」は刑事告発を免れる見通しという。
 事件では、大会組織委員会大会運営局の元次長、森泰夫容疑者(55)と電通スポーツ局局長補だった逸見晃治容疑者(55)ら4人が逮捕され、2018年に各社と共謀し、テスト大会計画立案業務や本大会などの会場運営業務の委託契約で、各社の希望に応じて落札予定企業を決定し受注調整した疑いが持たれている。
 関係者によると、談合に関与したとされるのは電通、博報堂、ADK、東急エージェンシーの広告4社と、セレスポ、フジクリエイティブコーポレーション(FCC)、セイムトゥーのイベント3社。
 テスト大会の計画立案業務委託契約は会場ごとに26件の競争入札が行われ、9社と、セレスポ・FCCの共同企業体が計5億円余りで落札した。大広は正規の手続きで落札したが、大半は事前の事業者間の合意に基づく「1社応札」で落札し、テスト大会や本大会の運営業務も含めて受注規模は計約400億円に上った。
 このうち、野球やサッカー会場などを受注した電通、国立競技場などの委託を受けたセレスポが最多の5件を落札。ADKと東急が各3件、FCCとセイムトゥーが各2件を受注した。電通ライブはサーフィン会場を落札したが、電通本体が差配したと判断されたとみられる。
 ADKが課徴金減免制度を活用して自主申告したほか、セレスポとFCCを除く社の担当者らは特捜部と公取委に対し大筋で談合を認めているという。(2023/02/09-13:43)

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