暴力団検挙、初の1万人割れ 構成員も過去最少、潜在化懸念―警察庁

2023.03.23
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by 時事通信


特定危険指定暴力団工藤会の2次団体・石田組の事務所の家宅捜索を終えた福岡県警の捜査員ら=2022年11月、福岡県春日市

特定危険指定暴力団工藤会の2次団体・石田組の事務所の家宅捜索を終えた福岡県警の捜査員ら=2022年11月、福岡県春日市

 昨年1年間に警察が検挙した暴力団員と準構成員らが前年比1832人減の9903人で、初めて1万人を下回ったことが23日、警察庁のまとめで分かった。暴力団勢力自体が縮小傾向にあり、母数が減ったことが要因の一つとみられる。
 検挙者の内訳は、覚醒剤取締法違反が21.6%で最も多く、詐欺14.4%、傷害11.5%、窃盗8.6%と続いた。
 昨年末時点の暴力団勢力は過去最少の約2万2400人と、18年連続で減少した。山口組、住吉会、稲川会などの主要6団体が全体の71.9%を占める。平均年齢は54.2歳で10年前より6.8歳上がり、高齢化が進む。20代以下は全体の6%に満たない。
 こうした傾向について、同庁は暴力団の存在を許さない機運が世間に醸成され、活動しにくくなっていると分析する。一方、潜在化の懸念もある。
 同庁が「準暴力団」と定義し、「半グレ」と呼ばれる犯罪グループの活動が近年活発化。暴力団員からの加入もあるとみられるが、同庁は人数やグループの勢力を公表していない。暴力団のようにピラミッド型の組織ではなく、事件ごとにメンバーが離合集散して、実態把握が難しいという。(2023/03/23-10:13)

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