東芝、2兆円買収受け入れ 国内ファンドが7月にTOB―非上場化で再建へ

2023.03.23
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by 時事通信


「TOSHIBA」のロゴマーク=2021年4月、東京都港区

「TOSHIBA」のロゴマーク=2021年4月、東京都港区

 東芝は23日、国内投資ファンドの日本産業パートナーズ(JIP)陣営による買収提案を受け入れることを同日の取締役会で決議したと発表した。JIPが提示した買収総額は1兆9987億円。7月下旬にもTOB(株式公開買い付け)を開始して東芝の全株式を取得し、非上場化を目指す。2015年に不正会計が発覚して以来、迷走を続けてきた東芝は、経営再建に向けて一歩前進した。
 東芝の取締役会はTOBに賛同する一方、株主に対して「現時点ではTOBへの応募を推奨することまではしない」と決議した。JIP陣営が提示した1株当たり4620円のTOB価格について、東芝株を保有する「物言う株主」が納得しない恐れがあり、今後は株主がTOBに応じるかどうかが焦点となる。
 TOB価格は23日の終値4213円を約400円上回るが、関係者からは「価格は不十分」との声も漏れる。東芝はJIP陣営以外からの提案も引き続き受け付ける方針だ。TOBに先立ち、各国当局による許認可手続きも進められる。国内の過去の事例などから、数カ月程度はかかる見込みだ。
 東芝は、米原発子会社の破綻による巨額損失などで債務超過に転落。上場廃止を免れるために17年、物言う株主に出資を仰いだが、その後は経営方針を巡る対立が深まった。グループ分割などによる立て直しを目指したものの、株主の反対で頓挫。昨春に再建策の提案を募集し、この中からJIP陣営に優先交渉権を与えて協議していた。(2023/03/23-22:32)

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