元国交次官、民間人事に介入 OBの社長昇格求める

2023.03.30
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by 時事通信


取材に応じる元国土交通省事務次官の本田勝氏=30日午後、東京都台東区

取材に応じる元国土交通省事務次官の本田勝氏=30日午後、東京都台東区

  • 記者団の取材に応じる空港施設の乗田俊明社長=30日午後、東京都大田区

 国土交通省の元事務次官で現在東京メトロ会長を務める本田勝氏が、空港インフラの維持管理などを行う民間企業「空港施設」(東京都大田区)に、同省OBの副社長を社長に昇格させるよう求めていたことが30日、分かった。同社によると本田氏は、OBが社長になれば「国交省としてサポートする」とも話したという。
 同日記者団の取材に応じた空港施設の乗田俊明社長らによると、本田氏は昨年12月に同社を訪れて乗田氏らと面会。今年6月に予定している役員人事で、国交省OBの山口勝弘副社長を社長に昇格させるよう求めた。同社側は「取締役候補者は指名委員会で決める」と断ったという。
 同社の社長は長年同省OBが務めていたが、2021年に日本航空(JAL)出身の乗田氏が民間出身者で初めて就任した経緯がある。乗田氏は記者団に「今のコーポレートガバナンスの枠組みではやってはいけないことだと思う」と話した。
 国家公務員法では、現役職員が利害関係企業に地位の要求を行うことなどを禁じているが、OBは対象外となっている。この件で同省は「現役職員は関与していない」としている。
 本田氏は都内で記者団の取材に応じ、他のOBから社長人事の件で「相談に行ってこいというような話があった」と説明。「権威を振りかざして何かをお願いしたことはない」とする一方、「私の振る舞いが疑惑や不快感を与えたとしたら不徳の致すところだ」と陳謝した。(2023/03/30-20:34)

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