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2017年2月8日発行(Vol.17,No.6)


地震予測サマリ−
〇警戒レベルアップ地域
なし
〇警戒レベルダウン地域
なし

地震予測サマリー
〇概況
・週間高さ変動で4cm超の異常が見られた点は6点で、その内5cm超の点は3点。 異常点の分布は岩手県、長野県、新潟県、山梨県と北信越に多い。他は静謐状態。
・隆起沈降は、数例を除いて全国的に沈降傾向。 岐阜県、京都府、岡山県、兵庫県は一斉沈降。

〇レベル5
(震度5以上の地震の可能性が極めて高く緊急性がある)

南関東周辺

〇レベル4
(震度5以上の地震が発生する可能性が極めて高い)

南海・東南海地方
九州
東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
北信越地方・岐阜県
南西諸島

〇レベル3
(震度5以上の地震が発生する可能性が高い)

鳥取県・島根県周辺
北海道道南・青森県
北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺
北海道北部
北海道道央

〇レベル2
(震度5以上の地震が発生する可能性がある)

なし

〇レベル1
(何らかの異常変動があり、今後の推移を監視する)

なし

※使用データと計測期間について
「隆起沈降図(H)」(地震予測エリアマップのベースとして使用)
 計測期間:1月15日〜1月21日 最終解(F3データ)使用
2015年1月を基点とした高さ(正式には楕円体高)の隆起沈降段彩図(色別の等高図)です。
黄緑・黄色・赤・茶色は数値がプラス(隆起)、青色系統の色はマイナス(沈降)を意味します。 濃い色ほど値が大きいです。

「週間高さ変動」
 計測期間:1月29日〜2月4日 速報解(R3データ)使用
1週間の短期的な高さの変動を表します。

「水平ベクトル」
 計測期間:1月29日〜2月4日 速報解(R3データ)使用
水平方向の動きを矢線で表します。 4週前と比べてどの方向に4ミリ以上水平変動したかを矢印の向きと長さ(変動の大きさ)で表しています。 短期的な動きを捉えることができます。

「6か月間の週間高さ変動」
 計測期間:2016年7月24日〜2017年1月21日 最終解(F3データ)使用
過去6か月間で5cm以上を記録した点です。

・JESEAは、国土交通省国土地理院の電子基準点データを解析に使用しております。 各エリア毎に約2〜3年間にわたる長期の異常変動の傾向を示す 「隆起沈降図(H)」をベースに 1週間の短期的な高さの変動を表す「週間高さ変動」と過去6か月間のF3データの「週間高さ変動」で5cm以上を記録した点、 そして水平方向の4週前との変動を矢線で表した「水平ベクトル」を掲載します。
今まで掲載していた「東西変動図」、「北南変動図」は「累積変位マップ」と同じように3か月に1度、特集で掲載いたします。


【目次】
1.お知らせ
2.地震予測
3.地震情報一口メモ
4.皆様の街の電子基準点


1.お知らせ
1.週刊MEGA地震予測のリニューアルについて
 今回より、地震予測は日本全体を6区分に分けて北から順番に掲載いたします。
これは、仮に地震予測がない場所でも地殻の状況をお知らせするためです。
よろしくお願いいたします。


2.地震予測
北海道・青森県
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 北海道全域で沈降が進んでいます。沈降は地震発生につながることがありますので、注意が必要です。

レベル3:北海道道南・青森県
(3月ごろまで注意)

この地域は北海道から青森県の南部にかけて水平方向の変位が急に大きくなる地域にあたっているため、 常にひずみが生じやすい地域となっています。このエリアは隆起傾向です。監視を続けます。

レベル3:北海道釧路・根室・えりも・中央部周辺
(積雪の影響があるので3月ごろまで注意)

釧路・根室周辺は常に沈降状態を続けております。阿寒2は異常に隆起しており北西方向の水平変位が見られます。 えりもに近いS浦河で南西の大きな水平変位が見られます。 中央の東川は大きく南変位をしています。火山の影響を考慮したほうが良いでしょう。 えりも周辺は隆起していますが、S浦河と東川の間のエリアは沈降しています。 このエリアは隆起と沈降がまだら模様で不安定な状態ですので注意を怠らないでください。

レベル3:北海道北部
(積雪の影響があるので3月ごろまで注意)

道北は沈降傾向です。 監視を続けます。

レベル3:北海道道央
(3月ごろまで注意)

道央の南部に沈降が見られます。しばらく監視を続けます。


東北地方・北関東
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レベル4:東北・北関東の太平洋岸、奥羽山脈周辺
(地震常襲地帯で3月ごろまで注意)

茨城県北部で震度3、宮城県沖、福島県沖、茨城県沖で小地震が起きました。
この地域は地震常襲地帯になっています。
今回岩手県の雫石で5.1cmの週間高さ変動がありました。 奥羽山脈の内陸部では沈降が進んでいます。 隆起沈降図が2015年基点に変わりましたが、2011年の東日本大震災の影響がまだ残っており、 東北地方の太平洋岸は隆起、反対側の奥羽山脈側は沈降を続けています。 依然としてこの地方は東南東方向に大きく変位を続けています。 この地域では震度5クラスの地震を常に警戒しておいた方が良いでしょう。


南関東・北信越地方・中部地方
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レベル5:南関東周辺
(3月ごろまで警戒)

先週に続き三浦半島で大きな南南東方向の水平変動がありました。 昨年7月から5回にわたって一斉異常変動があったのち、現在小地震の発生も見られない静謐状態を続けており、 警戒を怠らないようにした方が良いでしょう。 上図を見ればわかりますように、依然として駿河湾沿いおよび伊豆諸島の新島および式根島で沈降が進行している一方で 大島および三宅島は隆起しており不安定です。 また、房総半島で南北方向に沈降の帯が見えます。 ひずみが貯まっていると考えられます。 警戒を続けてください。

レベル4:北信越地方・岐阜県
(4月ごろまで注意)

今回、長野県豊科で5.0cm、白馬で4.9cm、駒ケ根で4.2cm、新潟県湯之谷で4.7cmの週間高さ変動がありました。 上図を見ますと石川県、富山県、岐阜県、福井県、および長野県の一部が沈降しています。 新潟県は秋田県との県境エリアのみが沈降しています。 先週に続いて長野県の軽井沢で大きな北方向の水平変位が見られます。 方向の不自然さから火山の影響を考慮したほうが良いでしょう。 福井県の大野では西方向に変位していますが、他の北信越の多くの点の変位は東方向と逆ですので、 ひずみが貯まっている可能性があり注意が必要です。


近畿地方・中国地方・四国
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レベル4:南海・東南海地方
(4月ごろまで注意)

四国沖で小地震が起きました。
四国地方は南東に変位しているのに対し、海域は北西に変位しており、 南海・東南海は互いに押し合う拮抗状態にあります。 徳島県の那賀で東北東に、高知県中央部の吉川は東方向に大きく変動をしており、ひずみが貯まっている可能性があります。 注意を継続してください。

レベル3:鳥取県・島根県周辺
(鳥取地震の影響は少なくなりつつあるも2月ごろまで注意)

昨年10月に起きた鳥取地震の影響は少なくなりつつありますが、 中国地方は広範囲で沈降が進んでいます。今しばらく監視を続けます。


九州
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レベル4:九州
(熊本地震の影響が継続)

昨年4月に起きた熊本地震の影響はとても大きく、地震で起きた異常変位が新たなひずみを起こしています。
先週に続き熊本県の泉で大きな南西方向の水平変動が起きています。 九州南部では桜島周辺が隆起している以外は沈降しています。 注意が必要です。


南西諸島
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レベル4:南西諸島
(2月ごろまで注意)

奄美大島近海で震度3、沖縄本島近海で小地震が起きました。
今回は静謐ですが、沖縄本島南部は南東方向に比較的大きく変位を続けております。 奄美大島以南の南西諸島は隆起しています。屋久島および種子島は沈降をしています。 注意が必要です。


3.地震情報一口メモ
  [No.203:JESEAユーザー大会、今村遼平氏の講演No.14]
【自宅近くに活断層があったらどう対処したらよいですか?】
 日本では活断層に対する住環境の規制はないですから、自分で対処するしかありません。 地震の発生確率が少ない活断層の場合はあまり心配しても仕方ないでしょう。 最小限の心の備えだけはしておく必要があります。
活断層だけが揺れるわけではなく、大地震では活断層がないところでも大きく揺れて被害があり得ます。 活断層よりも住んでいる土地・住宅が立地している地盤をしっかり把握しておくことをお勧めします。
アメリカのカリフォルニア州では、次の規制があります。
1.人の住む建物は、活断層を横断して立ててはならない。
2.活断層から約15m以内の地域では、活断層が存在していないことが証明されない限り、建物を建てることはできない。
3.活断層から約400m以内では、地表に変位を生じる恐れがないと判断された場合のみ、建物は許可される。
わが国では原子力発電所は直下に活断層があってはならないと規制されています。


4.皆様の街の電子基準点
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今週の電子基準点:兵庫県の新宮

写真提供者の鈴木啓介様からコメントをいただいております。
「新宮公民館で市民大学の講演終了後立ち寄りました。 たつの市立越部小学校校庭の片隅にありました。 校庭の片隅にあるのですが公道にオープンなので簡単に撮れました。 ちなみにこの基準点の存在を知っていた方は受講者のうち1名だけおられましたが何のための設備かは知らなかったようで、 喜ばれました。」
ありがとうございました。
電子基準点の写真募集
 電子基準点の写真を撮影し、下記メールアドレスにお送りください。 写真を送信する際には、お名前、ご住所(粗品送付用)の他に、 電子基準点を撮影した場所や探すまでの方法や苦労話などをお書きください。
※学校などの敷地内への無断での立ち入り、撮影などは行わないでください
※車道からの撮影など、危険な行動は避けてください

contact@jesea.co.jp
お送りいただいた写真は、こちらで選ばせていただき、 「週刊MEGA地震予測」、「nexi地震予測」にお名前入りで掲載させていただきます。 採用された方には粗品を贈呈いたします。
(送付いただいた写真の使用権はJESEAに帰属いたします)

ご購読、ありがとうございます。 ホームページでも詳しい技術的な説明など、情報発信しております。 よろしければ、チェックしてみて下さい。よろしくお願いいたします。
http://www.jesea.co.jp
※「週刊MEGA地震予測」では、国土地理院のGNSS連続観測点データを元に導き出した地盤の変動情報と過去の地震の震源、震度、 マグニチュード、被害の程度などとの相関分析をして、地震の前兆現象として捉え地震予測を提供しています。 だいたい、震度5以上の地震を想定しております。
JESEAの地震予測は震源地やマグニチュードを予測するものではありません。揺れる地域と震度を予測します。
※データは欠測値の有無および上空視野障害や受信ノイズ等による受信障害 の程度により信頼性を評価した上で棄却する場合があります。
※地震は複雑な自然現象です。本情報はあらゆる地震をすべて予測できるものではありません。 また、予測が外れる場合もあります。

※解約について
ご加入いただいている各配信会社にて解約をお願いします。
まぐまぐ
http://help.mag2.com/000007.html
niconico
http://qa.nicovideo.jp/faq/show/755
フーミー
http://foomii.com/files/information/help.html

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