バフェットも「損切り」する
今度はバフェットの「売り」について考えてみたいと思います。
1994年からのバフェットの投資銘柄は196銘柄もあり、少数厳選と思われていたかもしれませんが、実際にはかなりの数になっています。
しかし、その内150銘柄は既に売却されています。
平均保有期間は3.88年となっており、一般の投資家と比べれば長いと言えるかもしれませんが、永久保有や長期保有とは言い難い数字です。
売買の中で上昇した銘柄は124、下落した銘柄は57という結果となっており、投資の神様と呼ばれながらも下落して損切りしたケースも多いことが分かります。
バフェットですら3分の1は損切りだということですから、私たちが損切りすることはごく自然なことだと認識していただきたいです。
その上で、投資した銘柄を見ると、半数以上がS&P500を下回っています。
84銘柄が上回り、97銘柄が下回っているという結果です。
1銘柄単位で見ると、指数に対する勝率としては負け越しているということになります。
実は、バフェットの利益はApple1社によって支えられているという状況です。
『投資の神様』と呼ばれるバフェットですら失敗や撤退を繰り返しているわけです。
ただ、その中でうまくいったApple1社が全体の利益に貢献しています。
逆に、今まで得た利益を、信頼しているAppleにつぎ込んできたからこそ今の状況があるとも言えます。
結論として、利益を出している銘柄を持ち続け、むしろ買い増しを検討することが重要です。
一方で、ダメだと思った銘柄に対しては損切りをしっかり行うことも必要です。
まずは自ら投資してみて、トライ&エラーを繰り返して最高の銘柄を見つけることが投資の真髄だと言えるでしょう。
バフェットが次に買いそうな日本株
最後に、バフェットが次に買う日本株の候補ではないか思われる銘柄をあげたいと思います。
<割安のアプローチ>
【三菱地所】
シンプルに割安となっています。
丸の内という一等地を持っていて、その地価に対して株価は低くなっており、“価値よりも価格が低い”銘柄です。
株価が下がっている理由としては、リモートワークの普及やオフィスの大量供給問題があります。
【NTT】
安定成長をしていて、PERが10倍程度です。
割安株としては非常に面白く、少なくとも安定はしています。
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