会社にケンカを売った社員たち

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『まぐまぐ大賞2014』ビジネス・キャリア部門第3位!実際の判例から会社を訴えた社員の言い分に着目し、人事リスク発生の原因を探ります。感性豊かな企業の経営者・管理職・人事担当者必読のマガジンです。ノンフィクションなので、読み物としても楽しめます。

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メルマガ名
会社にケンカを売った社員たち
発行周期
隔週刊
最終発行日
2018年08月01日
 
発行部数
3,164部
メルマガID
0000116175
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
ビジネス・キャリア > 経営 > 法務・特許

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C┃O┃N┃T┃E┃N┃T┃S┃
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■ 今週の事件【F社事件】
▽ <主な争点>
代表取締役の言動等と会社法350条に基づく責任など

1.事件の概要は?
2.前提事実および事件の経過は?
3.元社員Aらの主な言い分は?
4.判決の要旨は?

■ 編集後記



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■ 今週の事件

【F社事件・長野地裁松本支部判決】(平成29年5月17日)

━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.  事件の概要は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

本件は、F社の従業員であったAら4名が同社の代表取締役Eから在職中にパワー
ハラスメントを受けたと主張して、Eには民法709条(不法行為による損害賠償)、
F社には会社法350条(代表者の行為についての損害賠償責任)に基づいて慰謝料
等を求めたもの。

なお、上記の請求のほかに、Aら4名全員または一部から(1)平成25年夏季賞与
を根拠なく減額されたとして減額分の請求、(2)違法な降格処分をされたと主張
して、当該処分によって支給されなかった賃金相当額の請求、(3)会社都合の退
職の係数によって退職金を支給すべきと主張して、支給された退職金との差額の請
求があった。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2.  前提事実および事件の経過は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

<F社およびAら4名について>

★ F社は、医療機器の販売を主な業務とする会社である。同社には取締役会が設置
されておらず、取締役は代表取締役のみである。

★ Aは、昭和56年4月、F社に入社し、平成25年4月当時は営業統括事務係長の
地位にあった者である。

★ Bは、昭和58年12月、F社に入社し、平成25年4月当時は経理・総務係長の地位
にあった者である。

★ Cは、平成7年10月、F社に入社し、11年6月に退職したが、15年6月に再度
入社した者である。25年4月当時は営業所において事務を担当していた。

★ Dは、平成23年4月、F社に入社し、25年4月当時は営業所において事務を担当
していた者である。

★ 25年4月当時、F社本店所在地で常勤する女性従業員はAら4名のみであった。


--------------------------------------------------------------------------

<賞与の減額、降格処分、退職金の算定等について>

[25年度夏季賞与のマイナス考課]
▼ 25年4月にF社の代表取締役に就任したEは、25年度夏季賞与(評価対象期間:
24年10月~25年3月)について、Aに対しては「C評価」として所定の算定額から
20%分(12万6265円)を減額した賞与を支給した。また、EはBについて「D評価」
として、所定の算定額から30%分(20万1277円)を減額した賞与を支給した。


[本件降格処分]
▼ F社は平成24年、18年から23年までの交際費等について修正申告を行って約
2000万円を納付し、延滞税および重加算税も納付した(以下「本件修正申告等」と
いう)。

▼ Eは賞罰委員会の意見を聴いた上で、上記交際費に関するBの不適切な経理処理
が就業規則に定める懲戒事由に該当するとして、Bに対し、降格処分をした(以下
「本件降格処分」という)。

★ Bの賃金は本件降格処分によって25年7月ないし9月分の額面について合計14万
1341円を減額されたが、時間外手当7万4724円が支給されたため、差引6万6617円が
減額されたこととなった。


[退職金の算定]
▼ 25年7月16日、A・BおよびCは退職願を提出し、Dは翌17日、退職願を提出
した。その上で、Aらは同年8月2日まで出勤し、その日以降は有給休暇を取得
して退職した。

★ Aらの退職後、F社はA・BおよびCに対して、自己都合退職の係数によって
算定した退職金を支給した。Dについては、在職要件を満たさない自己都合退職者
に当たるとして退職金を支給しなかった。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 3.  元社員Aらの主な言い分は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

1)AらはEからのパワーハラスメントにより精神的苦痛を被った!

▼ Eは本件修正申告等の責任追及という形でBを追い詰め、退職に追い込んだ。B
の経理処理は非違行為に当たらず、経理責任者でもないにもかかわらず、EはBに
責任があるかのように言いがかりをつけ、長時間代表室に閉じ込めるなど、攻撃し
て退職を強要した。

▼ EはAに対し、年齢や給与についての攻撃だけでなく、日常業務でもAを肉体的、
精神的に追い詰め、さらにBの経理処理を理由とした様々な退職強要を行い、人格
攻撃を行ったのである。

▼ CおよびDは、BおよびAがEから呼び出されるのを見て、自分たちもいつ攻撃
を受けるか分からない、上司のAやBが辞めさせられれば、自分たちがF社に留ま
ることはできないという精神状況に追い込まれた。また、人材派遣会社の担当者が
F社を訪れたことから、自分たちの代替の従業員を確保していると考え、益々追い
詰められた。

▼ Aらはそれぞれ家庭の事情から仕事を続けていく必要があり、年齢上再就職が困
難という状況の中でEからの嫌がらせを受けなければ退職することはなかった。A
らはEのことを思い出して眠れなくなる、過呼吸になるなど体調を崩し、仕事への
誇りや自身の尊厳を傷つけられ、生活の糧である仕事を辞めざるを得ないという重
大な精神的苦痛を被った。Aらに対する慰謝料は各300万円を下らず、弁護士費用は
各30万円が必要である。


--------------------------------------------------------------------------

2)Aらの退職は会社都合の退職に準じる!

▼ AらはEによる退職強要を目的とした執拗な嫌がらせにより退職を余儀なくされ
たのであり、Aらの退職は会社都合の退職に準じるというべきである。

▼ Aらに支給されるべき退職金の額と実際に支給された額の差額は、Aについて
59万6250円、Bについて175万1850円、Cについて65万9200円、Dについては45万
8140円である。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 4.  判決の要旨は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

▼ 代表取締役Eの以下の発言は、いずれもBに対する不法行為に該当する。
〇 25年4月1日
「(この場には)係長もいますね。女性の方もいらっしゃいます。そういう方も含
めてですね。これは私がしている人事ではありませんから、私ができないと思った
ら降格してもらいます。」
〇 同月15日
「自分の改革に抵抗する抵抗勢力は異動願いを出せ。50代はもう性格も考えも変わ
らないから」
〇 同月19日
「社員の入れ替えは必要だ。新陳代謝が良くなり活性化する。50代は転勤願いを出
せ」

▼ Eの上記の発言に加え、以下の発言はAに対する不法行為に該当する。
〇 25年5月18日
「事務員は営業会議の日に残業みたいな仕事をしていないで、勉強会をしろ。おば
さん達の井戸端会議じゃないんだから、議事録を作れ」
〇 同月20日
「自身の夫と比べて自身の給与が高いと思わないのか」
〇 7月12日
「倉庫に行ってもらう」

▼ Bの経理処理は杜撰なものであったというほかないが、他方でBの交際費の経理
処理が延滞税および重加算税に影響を与えたとしても、それをすべてBの責任であ
ったとすることはできず、Bの会計処理は就業規則所定の懲戒事由に当たるものの、
降格処分としたことは相当性を欠くというべきである。

1.Eらは連帯して、Aに対し22万円(慰謝料20万円・弁護士費用2万円)、
  Bに対し110万円(慰謝料100万円・弁護士費用10万円)、Cに対し5万5000円
 (慰謝料5万円・弁護士費用5000円)、Dに対し5万5000円(慰謝料5万円・弁護
  士費用5000円)およびこれらに対する遅延損害金を支払え。
2.F社はAに対し、12万6265円およびこれに対する遅延損害金を支払え。
3.F社はBに対し、201万9744円およびこれに対する遅延損害金を支払え。
4.Aらのその余の請求をいずれも棄却する。
5.訴訟費用の負担は次のとおりとする。
 (1) Aに生じた費用はこれを30分し、その27をAの、その2をEらの、その1を
   F社の負担とする。
 (2) Bに生じた費用はこれを5分し、その2をBの、その2をEらの、その1を
   F社の負担とする。
 (3) Cに生じた費用はこれを75分し、その74をCの、その1をEらの負担とする。
 (4) Dに生じた費用はこれを75分し、その74をDの、その1をEらの負担とする。
 (5) Eに生じた費用はこれを20分し、その4をEの、その4をAの、その2をB
   の、その5をCの、その5をDの負担とする。
 (6) F社に生じた費用はこれを20分し、その4を同社の、その4をAの、その2
   をBの、その5をCの、その5をDの負担とする。

※ 本件は、『労働経済判例速報』平成29年9月10日号(日本経済団体連合会
労政第二本部 編)を参考に編集しています。


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■ 編集後記

早いもので8月に入りました。先日の台風を経て、半端なかった暑さにも少しは慣
れてきたような気もしています。今年は桜の開花や梅雨明けが異例の早さだったの
で、涼しくなるのも早くなるのでは・・・というのは希望的観測でしょうか。いず
れにしても今後台風などで大きな被害が出ないよう祈るばかりです。

次号では、出勤停止の懲戒処分、配転命令について争われた事例を取り上げる予定
です。なお、次回配信日は8月22日(水)となります。(Y)


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※ 当マガジンでは、会社側の主張、争点に対する裁判所の判断の詳細はあえて割愛
しています。これは裁判の結果(勝訴・敗訴)ではなく、争点が生じた原因を探る
ことに重きを置いているためです。もちろん従業員側の主張の全てが真実というわ
けではありませんが、訴えられる余地を最小限に抑えることによって、無用な争い
を事前に回避することが可能になると考えます。株式会社リーガル・リテラシーは、
裁判で勝てる・負けない会社作りよりも社員にケンカを売られない社内環境作りを
サポートするための各種サービスを提供しております。詳しくは当社ホームページ
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なお、当マガジンで扱っている判例はほとんどが地裁レベルのものであり、第二審
以降の経過をフォローすることは本来の目的ではありませんので、興味をお持ちの
方はご自身でお調べいただけたら幸いです。

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