会社にケンカを売った社員たち

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メルマガ名
会社にケンカを売った社員たち
発行周期
隔週刊
最終発行日
2018年07月04日
 
発行部数
3,178部
メルマガID
0000116175
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
ビジネス・キャリア > 経営 > 法務・特許

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■ 今週の事件【東京都港区医師会事件】
▽ <主な争点>
行為の悪質性と懲戒解雇事由該当性など

1.事件の概要は?
2.前提事実および事件の経過は?
3.職員Xの主な言い分は?
4.判決の要旨は?

■ 編集後記



==========================================================================

■ 今週の事件

【東京都港区医師会(以下、T会)事件・東京地裁判決】(平成29年1月24日)

━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.  事件の概要は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

本件は、T会に雇用されていたXが懲戒解雇されたが、これが無効であるとして、
労働契約上の地位の確認、ならびに解雇日から本判決確定の日までの賃金などを求
めたもの。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2.  前提事実および事件の経過は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

<T会およびXについて>

★ T会は、地域住民の健康の維持および増進に関する事業、公衆衛生の向上に関す
る事業等を主な事業とする一般社団法人である。

★ Xは、平成9年4月、T会との間で労働契約を締結し、10年以降は経理業務を
担当していた者である。なお、Xは16年4月、経理業務担当の主任職に昇格し、前
任者から業務全般を引き継いだところ、当時現金で保管され、簿外処理がなされて
いた業務についても前任者のやり方を踏襲した。


--------------------------------------------------------------------------

<本件懲戒解雇に至った経緯等について>

[医師国保茶菓代残金等]
★ T会では医師国民健康保険の高齢者表彰に伴い、東京都医師国民健康保険組合よ
り茶菓子代として毎年1万円が交付され、その交付金から高齢表彰の対象者1名当
たり1000円を交付していた。各表彰者に交付後の残金は26年度末時点で2万5000円で
ある。

★ Xは経理担当職員として上記医師国保茶菓代の表彰者交付後の残金および中元・
歳暮で受領した現金(以下「医師国保茶菓代残金等」という)を手提げ金庫で管理
していたところ、27年7月30日時点で手提げ金庫内に確認された残金は6000円であ
る。医師国保茶菓代残金等については、少なくとも27年7月まではT会において会
計処理はなされていない。

[カルテ用紙等販売事業の収支]
★ T会では昭和40年代からカルテ用紙等販売事業が行われていたところ、当該事
業の収支については従前から会計処理がされておらず、担当者が交代しても簿外処
理が継続されていた。

[ビール瓶リターナブル代金]
★ T会では内部での懇親会用にビールを購入しているところ、その容器であるビー
ル瓶を返還する際、購入時に保証金として支払っている部分について1本当たり5
円の返還を受けていた(以下、この返還金を「ビール瓶リターナブル代金」という)。

★ Xはこのビール瓶リターナブル代金を自己の机の引出し内に保管していた。27年
7月30日時点で確認された金額は1264円である。ビール瓶リターナブル代金につい
ては、少なくとも27年7月まではT会において会計処理はなされていない。


★ T会が一般社団法人に移行する制度改革の過程でも医師国保茶菓代残金等、カル
テ用紙等販売事業およびビール瓶リターナブル代金の簿外処理については変更され
ず、代々の事務局長および次長からその管理の問題性が指摘されることはなかった。

▼ 27年4月に就任したA事務局長は同年6月頃、医師国保茶菓代の残金がT会の
雑収入で会計処理されておらず、Xが手提げ金庫に現金で管理していることを知る
に至り、Xに対して他に自らが管理する預金通帳や現金がないか、報告するよう指
導した。

▼ T会は同年8月25日、Xに対して諭旨解雇を告げ、退職願の提出を促したが、
Xから拒絶されたため、同日、Xに対して懲戒解雇を通知した(以下「本件懲戒解
雇」という)。


--------------------------------------------------------------------------

<T会の就業規則の定めについて>

★ T会の就業規則では以下の条項が定められている。

第46条 職員は、本会の目的を達成するため、本会の一員としての責任を自覚して
誠実に職務を遂行するとともに、職場の秩序維持に努めなければならない。

第47条 職員は、明朗はつらつとした気風を養い、もって相互に和を図り、本会事
業の円滑な運営に寄与するため、次の事項を遵守しなければならない。
(6)業務に関連して自らの利益を図り、または他より不当に金品を借用し、もし
   くは贈与を受けるなどの不正な行為を行わないこと。

第56条 懲戒は、その情状により、次の区分にしたがって行う。
(5)諭旨解雇 退職願を提出するよう勧告を行う。職員がこれに従わない場合は
   第6号の懲戒解雇とする。
(6)懲戒解雇 予告期間を設けることなく即日解雇する。

第58条 職員が次の各号の1に該当する場合は懲戒解雇とする。ただし情状によっ
ては処分を軽減し、または諭旨退職とすることがある。
(3)正当な理由なく、しばしば業務上の指示または命令に従わないとき
(6)本会内で暴行、傷害、窃盗、横領など、刑法その他の刑罰法規に違反する行
   為を行い、その犯罪事実が明らかになったとき(当該行為が軽微な違反であ
   る場合を除く)
(10)職務上の地位を利用して私利を図り、または会員や取引先等から不当な金品
   を受け、もしくは求め、または供応を受けたとき
(13)その他、第1号から第12号までの規定に準ずる程度の不適切な行為があった
   とき



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 3.  職員Xの主な言い分は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

1)簿外処理等はいずれも懲戒解雇事由には当たらない!

[医師国保茶菓代残金等の着服、簿外処理、報告義務違反]
▼ Xは医師国保茶菓代残金等を手提げ金庫に入れて保管し、特段会計処理はしてい
ないが、これは前任者から経理業務を引き継いだ際、その保管方法を引き継いだも
のであり、Xの判断で会計処理から除外したものではない。この保管方法は上司で
ある事務局長等も当然に把握しており、かかる簿外処理が懲戒解雇事由に該当する
とはいえない。

▼ A事務局長から個人で管理している現金および通帳を報告するよう指示されて
いたが、その報告対象は自らが経理処理を担当しているT会資産としての通帳や現
金であると理解していたため、元々簿外処理している医師国保茶菓代残金等を報告
しなかったものであり、これを報告していないことが業務命令違反とはいえず、こ
の点でも懲戒解雇事由には当たらない。


[カルテ用紙等販売事業の収支の簿外処理]
▼ T会では従前からカルテ用紙等販売事業の収支は簿外処理されているところ、こ
の取扱いはXが採用される以前からであり、採用後も一貫して簿外処理がなされて
いた。この処理の是非はともかくとして、長期にわたり慣習としてなされていた処
理方法であり、たまたまこれが問題として発覚した際の経理担当主任がXであるに
過ぎない。

▼ Xはこれまでカルテ用紙等販売事業を会計処理するよう上司から指示されたこ
ともない。よって、かかる簿外処理が懲戒解雇事由に当たるとはいえないし、業務
命令違反として懲戒解雇事由に当たることもない。

[ビール瓶リターナブル代金の着服、簿外処理、報告義務違反]
▼ Xはビール瓶リターナブル代金を自己の机内に保管していたが、これも医師国保
茶菓と同じように前任者から引き継いだものである。そして、上司の了解のもとで
懇親会の際に飲み物代やつまみ代に支出していた。

▼ 25年4月以降は事務局内での懇親会が禁止されたため、その後は費消されるこ
とはなくXが解雇されるまで保管していた。よって、Xがこれを横領・着服したも
のとして懲戒解雇事由には当たらない。

▼ Xはビール瓶リターナブル代金について上司から会計処理するよう指示された
こともなく、報告を求められたこともない。よって、簿外処理についても、業務命
令違反としても懲戒解雇事由には当たらない。


--------------------------------------------------------------------------

2)本件懲戒解雇は相当性を欠く!

▼ XはT会が主張する懲戒事由に該当する行為はしていないし、それ以外でもこれ
まで同会の業務命令に違反するような対応はしていない。

▼ Xは自宅待機命令後もT会から質問書が送付されるたびに自己の記憶に基づき
回答し、誠実に調査に協力している。懲戒委員会が開催されると、Xは懲戒該当事
由に該当する事実はない旨説明したが、同会はこれを受け入れず、諭旨解雇を言い
渡して退職届の提出を命じた。Xがこれを拒絶すると、T会から即日懲戒解雇を言
い渡された。

▼ このようにXはこれまでT会の業務命令に応じて職務を遂行し、懲戒解雇事由の
調査に対しても誠実に協力してきたものである。さらに、会計処理の点で不適切な
方法が発覚したのであれば、その時点で注意指導すれば足り、懲戒解雇を行う必要
性は全く認められない。よって、本件懲戒解雇は相当性を欠く。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 4.  判決の要旨は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

▼ Xが意図的に現金を隠匿していたものとまでは認定できず、T会が主張する懲戒
解雇該当事由はいずれも認められない。仮にこれが認められたとしても、本件の懲
戒解雇事由がそれほど悪質なものとはいえないこと、Xにこれまで懲戒処分歴はな
いこと、同会側でXに対して問題点を指摘して繰り返し注意指導した形跡もないこ
とに照らすと、懲戒解雇は重きに失し、相当性が認められない。よって、本件懲戒
解雇は無効である。

1)XがT会に対し、労働契約上の権利を有する地位にあることを確認する。
2)T会はXに対し、27年9月1日から本判決確定の日まで月額37万7702円
  およびこれに対する遅延損害金を支払え。
3)Xのその余の請求を棄却する。
4)訴訟費用はT会の負担とする。

※ 本件は、『労働経済判例速報』平成29年5月30日号(日本経済団体連合会
労政第二本部 編)を参考に編集しています。


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■ 編集後記

髙橋大輔さんの現役復帰のニュースには驚かされました。会見のやりとりを聞いて
もあれだけの実績を残した選手が4年のブランクを経てわざわざ戻ってくる動機の
説明としてはあまり腑に落ちませんでした。いろいろな考え方があるとは思います
が、フィギュアスケートもたとえば25歳以上の部でもつくったらどうかと考えてし
まいました。

次号では、在職中長年仕事を与えられなかったことを理由とする損害賠償請求につ
いて争われた事例を取り上げる予定です。なお、次回配信日は7月18日(水)とな
ります。(Y)


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しています。これは裁判の結果(勝訴・敗訴)ではなく、争点が生じた原因を探る
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なお、当マガジンで扱っている判例はほとんどが地裁レベルのものであり、第二審
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