会社にケンカを売った社員たち

  • ¥0

    無料

『まぐまぐ大賞2014』ビジネス・キャリア部門第3位!実際の判例から会社を訴えた社員の言い分に着目し、人事リスク発生の原因を探ります。感性豊かな企業の経営者・管理職・人事担当者必読のマガジンです。ノンフィクションなので、読み物としても楽しめます。

著者サイト
 

メールマガジンを登録(無料)

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。
※ 各サービスで登録しているメールアドレス宛に届きます。

メールマガジンを解除

もしくは

※ 各サービスのリンクをクリックすると認証画面に移動します。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
  • 殿堂入り
 
メルマガ名
会社にケンカを売った社員たち
発行周期
隔週刊
最終発行日
2019年01月09日
 
発行部数
3,104部
メルマガID
0000116175
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
ビジネス・キャリア > 経営 > 法務・特許

まぐまぐ!メールマガジンの用語集です。
下記の用語以外の不明な点はこちらをご覧ください。

 
発行周期
週1回、月1回などの発行頻度です。
部数
メルマガの配信数を記しています。
カテゴリ
まぐまぐ!に登録されているカテゴリです。
形式
メルマガには以下の配信形式があります。下部「メルマガ形式」をご参照下さい。
 
最終発行日
最後にメルマガが配信された日付です。
メルマガID
メルマガを特定するIDです。
RSSフィード
RSSを登録すると、更新情報を受け取ることができます。

― メルマガ形式 ―

  • PC向け
    パソコンでの閲覧に最適化したメルマガ
  • 携帯向け
    スマートフォンやフィーチャーフォンでの
  • PC・携帯向け
    PC・携帯どちらでも快適にご購読いただけます。
  • テキスト形式
    文書だけで構成された、一般的なメールです。
  • HTML形式
    ホームページのように文字や画像が装飾されたメールです。
  • テキスト・HTML形式
    号によって形式が変更する場合があります。

閉じる

メールマガジン最新号

━━●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
( ̄ ̄)
( ̄ ̄ ̄)
■■■■■     『 会社にケンカを売った社員たち 』No.478


  ~ 感性豊かな経営者、管理職の方に特に読んでほしいメールマガジン ~

                          (2019/01/09発行)
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ Legal Literacy Inc.━━
※「等幅フォント」に設定していただきますと最適な表示となります。




━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆   『平成31年/2019年新春プレゼント』のお知らせ!(1月15日まで)
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

新年おめでとうございます。
今年はどんどん
労務AIが進化し
お店の”働き方改善”へ貢献していきます。
ご期待ください。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、新春プレゼントとして
日経BP社から発行された
『お店のバイトはなぜ1週間で辞めるのか』をムック本にした
日経トップリーダー編
『パート・あるナイト活用の基本
~ルールと目標で”できるスタッフ”に変わる!~』を
19名様にプレゼントします。

締め切りは1月15日まで。
どしどしご応募ください。

【応募方法】
http://open.kanrishoku.com/wp/contact/
にアクセスしていただき
<<お問合せ内容>>欄に
会社名、住所等の
送り先をご記入願います。




C┃O┃N┃T┃E┃N┃T┃S┃
━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛━┛



■ 今週の事件【日本通運事件】
▽ <主な争点>
業務時間外の酒気帯び運転と退職金の不支給事由など

1.事件の概要は?
2.前提事実および事件の経過は?
3.元社員Xの主な言い分は?
4.判決の要旨は?

■ 編集後記



==========================================================================

■ 今週の事件

【日本通運(以下、N社)事件・東京地裁判決】(平成29年10月23日)

━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 1.  事件の概要は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

本件は、国内最大手の運送業者であるN社の空港営業第一課係長として、運転業務
ではなく、空港における航空機の搭乗手続等に従事していたXが就業時間外に酒気
帯び運転をしたことから、同社がXを懲戒解雇処分とし、退職金不支給条項により
退職金を不支給にしたところ、Xが退職金不支給条項に該当する事由の不存在等を
主張して、自己都合退職した場合の退職金等の支払を求めたもの。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 2.  前提事実および事件の経過は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

<N社およびXについて>

★ N社は、鉄道利用運送事業、貨物自動車運送事業、海上運送事業、利用航空運送
事業等を営む会社であり、甲社から空港における航空機の搭乗手続等の業務を請け
負っている。

★ Xは、平成元年7月、N社との間で期間の定めのない雇用契約を締結し、27年
11月当時、空港営業第一課係長として航空機の搭乗手続等に従事していた者である。


--------------------------------------------------------------------------

<本件酒気帯び運転、本件事故、本件懲戒解雇処分に至った経緯等について>

▼ Xは27年11月17日、呼気1リットルにつき0.5ないし0.55ミリグラムのアルコール
を身体に保有する状態で、仙台市内の当時の自宅からスーパーマーケット(以下「本
件店舗」という)まで、自己所有の普通乗用自動車を運転した上(以下「本件酒気帯
び運転」という)、本件店舗駐車場において、車を後退させて駐車しようとして運転
を誤り、同店舗に車を衝突させ、ガラス等を損壊する事故を発生させた(以下「本件
事故」という)。

▼ Xは現場に臨場した警察官により飲酒検知を受け、その場で道路交通法違反(酒
気帯び運転)により現行犯逮捕された。

★ 本件酒気帯び運転および本件事故は翌18日、地方紙で報道され、会社員として
Xの実名等が掲載されたが、N社の従業員であることは記載されていなかった。


▼ Xは同月20日、N社に対し、退職願を提出したが、同社は自己都合退職に応じず、
28年4月20日付でXを懲戒解雇処分とした(以下「本件懲戒解雇処分」という)。

★ N社の就業規則84条および労働協約66条には「飲酒し、または無免許で運転、
操作したとき」が解雇事由とされており、(1)就業時間内の飲酒運転に限定する
規定や(2)運転業務に係る従業員に限定する旨の文言はなかった。

★ N社はXに対し、27年11月から解雇時までの基準内賃金、年末一時金および解
雇予告期間の不足日数分の平均賃金の合計340万5985円を支払った。


▼ 米沢区検察庁は28年7月、米沢簡易裁判所に対し、本件酒気帯び運転について、
公訴を提起し、併せて略式命令を請求し、同裁判所は同月、Xに対し、罰金35万円
とする略式命令をした。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 3.  元社員Xの主な言い分は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

1)本件懲戒解雇処分は権利の濫用に当たり無効だ!

▼ XはN社に対し、退職願を提出したものの、同社はその受領を留保し、本件懲戒
解雇処分をしたところ、以下のとおり同処分は無効であるから、XとN社との間で
Xが自己都合退職する旨の合意が成立したものといえ、退職金不支給条項に該当す
る事由は存在しない。

▼ Xは本件事故後、捜査機関の事情聴取に真摯に応じた上、本件店舗に謝罪をし、
自らが加入していた自動車保険を利用して全額被害弁償をして示談し、同店舗から
宥恕(ゆうじょ)を得ていること、本件自動車を売却したり、公益財団法人交通遺
児育英会に10万円の贖罪寄付をしたりするなど、一貫して事故を反省し、改悛の情
を示していること、酒気帯び運転を含む前科前歴がないことからして、同種事犯を
敢行する反規範的な傾向もなく、再犯のおそれもない。

▼ XはN社において、これまで懲戒処分歴はなく、約27年にわたり真面目に勤務
してきた。さらに本件事故はXが体調不良により休暇を取得した際に自家用車で起
こしたものであり、業務外の行為であること、刑事処分としては罰金35万円の略式
命令で済んでいること、XのN社にける地位は高くなく、指導的立場にないこと、
本件事故は地方紙の片隅に小さな記事として報道されたにすぎず、会社名等は報じ
られていないことなどからして、外部的な影響はほとんどなく、同社の名誉・社会
的信用が害されたこともない。

▼ XはN社において、主として空港での航空券の販売や航空機への搭乗業務に従事
しており、社用車を運転することはほとんどなく、雇用を継続しても業務中に飲酒
運転をするなどの危険はなかった。

▼ したがって、N社において、懲戒解雇によりXを企業外に排除しなければならな
いほどの重大な事情はなく、停職ないし謹慎等の懲戒処分により、Xへの制裁およ
び企業内秩序維持を十分実現できた。

▼ N社はXに対し、刑事処分が確定してからXの処遇について話し合う旨伝えてい
たにもかかわらず、刑事処分確定前に本件懲戒解雇処分をしたものであり、Xに対
し、刑事処分の内容や情状事実について適切かつ十分な弁明の機会を与えなかった。

▼ 以上によれば、本件懲戒解雇処分は労働者に著しい不利益を与えるものであり、
客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないから、権利の
濫用に当たり無効である。


--------------------------------------------------------------------------

2)N社はXに対し、自己都合を退職事由として算出された退職金全額の支払義務
を負う!

▼ 仮に本件懲戒解雇処分が有効であるとしても、退職金を不支給とするためには労
働者の長年の勤続の功労を抹消してしまうほどの背信行為が労働者に存することが
必要である。

▼ この点、XはN社において、これまで懲戒処分歴がなく、約27年にわたり真面目
に勤務してきたこと、本件酒気帯び運転は業務外の行為であり、マスコミ報道等に
より同社の名誉、社会的信用に影響が生じていないことなどを考慮すると、長年の
勤続の功労を抹消してしまうほどの重大な背信行為がXに存するとはいえない。

▼ したがって、N社はXに対し、自己都合を退職事由として算出された退職金全額
の支払義務を負う。



━━━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 4.  判決の要旨は?
━━━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━…‥

-------------------------------------------------
「労務AI」でお悩み解決
採用力向上/人手不足対策/労務リスクマネジメント

詳しくは ⇒⇒⇒ http://www.kanrishoku.com
-------------------------------------------------

[懲戒解雇の有効性]
▼ N社は各種運送事業を目的とする国内最大手の運送業者であり、会社を挙げて飲
酒運転を阻止すべきとの社会的要請も強く、このため、運送事業に従事する従業員
か否かを問わず、就業規則、労働協約において就業時間内外の飲酒運転を原則とし
て解雇事由としていることは必要かつ合目的であるといえる。

▼ 本件酒気帯び運転はその態様が悪質であり、本件店舗関係者およびその利用者ら
に与えた精神的衝撃も少なくなく、その結果も重大であり、実名で新聞報道された
事実等を考慮すると、本件懲戒解雇処分が重きに失するとはいえず、権利の濫用に
当たらないから有効である。

[退職金不支給の当否]
▼ N社における退職金は支給額の算出方法を勘案すると、功労報償的な性格を有す
るとともに、賃金の後払いとしての性格も有すると解されるところ、退職金不支給
条項に該当する事由が認められるとしても、退職金の不支給ないし減額が正当化さ
れるのは当該労働者において、それまでの勤続の功を抹消または減殺するほどの著
しい背信行為が認められる場合であると解するのが相当である。

▼ 本件においては、(1)N社の事業内容から飲酒運転について厳罰をもって臨む
ことは必要的かつ合目的であり、(2)Xは現行犯逮捕され、実名報道されている
が、他方において、(3)私生活上の非行であること、(4)26年以上にわたり懲
戒を受けることなく、真面目に勤務してきたこと、(5)被害弁償をして示談し、
宥恕されていること、(6)XがN社の従業員であったことまでは報道されておら
ず、同社の名誉、信用ないし社会的評価の低下は間接的なものにとどまることが認
められる。

▼ 以上の(1)ないし(6)の事実と、N社がXの持病の治療や父親の看護等から
懲戒委員会の開催を遅らせ、処分決定までの間、自宅待機を命じ、基準内賃金を支
払っていたこと等の事情を総合すると、減殺の程度は5割と認めるのが相当である。

1)N社はXに対し、121万4467円およびこれに対する遅延損害金を支払え。
2)Xのその余の請求を棄却する。
3)訴訟費用はこれを2分し、その1をXの負担とし、その余はN社の負担とする。

※ 本件は、『労働経済判例速報』平成30年5月10日号
(日本経済団体連合会事務局◇編)を参考に編集しています。


☆★☆ ご意見・ご感想をお寄せ下さい ☆★☆

今回の事件をお読みになって、ご意見・ご感想等がありましたら、
当マガジン公式ブログまで是非お寄せ下さい(ハンドルネームでもOKです)。
⇒⇒⇒ http://blog.goo.ne.jp/ll-inc

なお、ご質問・ご相談につきましては、メールにて info@ll-inc.co.jp まで
お送りいただけたら幸いです。


┏━━━━ ▽ 東京都渋谷区の社会保険労務士をお探しなら ▽ ━━━━┓

 社会保険労務士法人大野事務所(代表社員大野 実)は、渋谷オフィスの
ほか、幕張オフィスを配し、首都圏を中心に約200社のお客様に対して、
総勢約50名体制で、組織的に業務展開をおこなっています。

 私たちは「魅力ある会社」をめざす企業の「人事・労働」に関する課題や
 制度の構築・運用に関し、実践的なアウトソーサーとして情熱をもって
 提案・サポートさせていただきます。

 人事・労務相談から、経営労務監査、労働社会保険手続、給与計算まで
 トータルサポートをしております。
【詳しくは、ホームページへ】>>> http://www.ohno-jimusho.co.jp/
【事務所概要】 http://www.ohno-jimusho.co.jp/office/index.html
  ※ お問い合わせの際は、「このメルマガを見た」旨をお伝えください。

┗━━━━ 社会保険労務士法人 大野事務所(渋谷区南平台町)━━━━┛



━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

■ 編集後記

新年おめでとうございます。例年、新年がスタートして早々、3連休になってしま
うことが多く、なかなか通常モードになれないのが悩みでしたが、今年は成人の日
が遅いので良かったかなと思っています。前号でも申し上げましたが、500号と
いう大きな節目を当面の目標に配信を続けていけたらと考えております。本年も引
き続き読者の皆様のご支援のほどよろしくお願いいたします。素晴らしい年となり
ますようご祈念申し上げます。新春プレゼントへのご応募もお待ちしております。

次号では、内定成立と期待権侵害による不法行為について争われた事例を取り上げ
る予定です。なお、次回配信日は1月23日(水)となります。(Y)


─────────────────────────────────────

※ 当マガジンでは、会社側の主張、争点に対する裁判所の判断の詳細はあえて割愛
しています。これは裁判の結果(勝訴・敗訴)ではなく、争点が生じた原因を探る
ことに重きを置いているためです。もちろん従業員側の主張の全てが真実というわ
けではありませんが、訴えられる余地を最小限に抑えることによって、無用な争い
を事前に回避することが可能になると考えます。株式会社リーガル・リテラシーは、
裁判で勝てる・負けない会社作りよりも社員にケンカを売られない社内環境作りを
サポートするための各種サービスを提供しております。詳しくは当社ホームページ
( http://www.ll-inc.co.jp/ )をご参照下さい。

なお、当マガジンで扱っている判例はほとんどが地裁レベルのものであり、第二審
以降の経過をフォローすることは本来の目的ではありませんので、興味をお持ちの
方はご自身でお調べいただけたら幸いです。

※ バックナンバーで取り扱った事件につきましては、公式ブログをご参照下さい。
◆ http://blog.goo.ne.jp/ll-inc


--------------------------------------------------------------------------

※ ご意見、配信に関する手続などは以下からお願いします。

<ご意見・ご感想・ご質問・ご相談など>
◆ e-mail:info@ll-inc.co.jp
広告(ヘッダー)掲載、相互紹介等ご希望の場合もこちらまでお問い合わせ下さい。
なお、サイドビジネス等の広告は取り扱っておりませんので、ご了承願います。

当マガジンのコンテンツの著作権は、リーガル・リテラシー社に帰属しています。
無断転載(ブログ含む)および無断コピー等は一切禁止させていただいております。


<配信中止・配信先変更>
大変お手数をおかけしますが、手続きはご自身で行って下さい。
当社では一切の代理手続をいたしかねます。
◆ http://www.mag2.com/m/0000116175.html (まぐまぐ!)
◆ http://www.melma.com/backnumber_97380/(メルマ!)
このメルマガは、まぐまぐ!・メルマ!を利用して配信しています。

--------------------------------------------------------------------------

□ 発行元 株式会社 リーガル・リテラシー 広報部 http://www.ll-inc.co.jp/
 〒150-0042 東京都渋谷区宇田川町42-10 高橋ビル
       TEL:03-3463-5858 FAX:03-3463-5885
 ※「会社にケンカを売った社員たち」公式ブログ http://blog.goo.ne.jp/ll-inc
 ※ 公式ツイッター https://twitter.com/legal_literacy
□ 発行責任者 黒部 得善(社会保険労務士)
□ 編集担当者 荻野 泰男(社会保険労務士)

─────────────────────────────────────
Copyright (C). 2003-2019 Legal Literacy Inc., All Rights Reserved

メルマガ全文を読む
 

▲ページトップへ

▲ページトップへ