房 広治
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房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」

房 広治
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房広治の「Nothing to lose! 失う物は何も無い。」

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世界の金融市場・投資業界で活躍する日本人投資家、房広治による、ブログには書けないお金儲けの話や資本市場に通用するビジネスマン・社長のあるべき姿などを、余すことなく書きます。

著者プロフィール

房 広治

アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な日本人投資家。留学中に外資系銀行に就職し、わずか10年で日本のインベストメントバンキングのトップとなった。投資家転向初年度に年率リターン90%以上の運用成績を出し、ファンドマネジャー・オブ・ザ・イヤーとなる。現在は、バークレー大学・ハースビジネススクール、コロンビア大学、ロンドンビジネススクール、香港大学など著名大学で、オルタナテイブ投資、ヘッジファンド、プライベートエクイテイファンド、コーポレートガバナンス、金融危機についてのゲスト講義なども行っている。

アメリカ、イギリス、香港など主要金融センターで著名な日本人投資家。

サンプル号
▼▽▼ Vol.001
--------------       2012/May/06発行
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房広治の
「Nothing to lose!」失うものは何も無い

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◆目次

■0 メルマガ創刊にあたって
■1 失敗を恐れて成功できない社長たち
■2 M&Aのアドバイザーの優劣
■3 インド;今投資をしてはいけない国No1
■4 新興国での詐欺。フィクサー?と詐欺師は紙一重
■5 重慶と薄熙来(Bo Xilai)
■6 Q&A、お金の集め方

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■0 メルマガ創刊にあたって

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私のブログやメルマガの編集者が、4月にメルマガの担当者様との面談をアレ
ンジしてくださいました。有料メルマガのビジネスモデルはとても面白いと感
じ、日本の中では常識と捕らえられていること・意見が、欧米では非常識だっ
たりすることとか、村上ファンドの村上氏が通産省勤務時の最後のクリスマス
に会いに来たときの話をお話したところ、マグマグの有料メルマガの読者層
が、まさに知りたがるような内容とのお話で、とんとん拍子に創刊することと
なりました。このような機会をいただき、ありがとうございました。

このメルマガは、真剣にお金儲けを考えている人、閉塞感のある日本の経営者
の面々とは違う見方をしたい人、海外の投資家、特に投資家としては先行して
いる欧米の機関投資家・ウルトラリッチな資産家がどのように考えているかに
興味のある人たちの集まり、お友達のクラブのようにしたいと考えています。
注意はして書きますが、基となる資料・データの精度よりも、私の考え方・セ
ンスが中心となりますので、他人にお話になるときは十分注意してください。
まじめな質問であれば、どのような質問でも受け付けます。むしろ、読者の皆
様の質問をできるだけ取り上げて、双方向のクラブにしていきたいと思います。

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■1 失敗を恐れて成功できない社長たち

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私の社会人として最初の仕事は、M&Aのアドバイザーでした。そのおかげで、
数多くの大手企業の社長・会長など経営陣と彼らが経営する会社の戦略につい
て相談する機会に恵まれました。資金調達、会社のIR、創業家所有の株の売
却を含めると500社以上の経営者や創業者と一緒に仕事をしてきました。
そのような経験を通じて、企業価値を増加させられる経営者(すなわち「成功」
する経営者)とそうでない経営者を見分ける「法則」を発見しました。その法則
には3つの要素があり、今回は、その中でも他ではあまり聞いたことがない要
素について焦点を当てて書いてみます。(他の2つの要素は、次回以降に書きま
す。)

●「Nothing to lose」の法則の発見。

私の友人(日本人)で、ご子息が世界で最も有名なパブリックスクール(私立の中
学・高校)であるイートン校(イギリス)に入学が決まった方がいらっしゃいます。
このご子息は優秀であったがため日本の学校では目立ちすぎ、ご両親が担任の
先生から「子供に必要用以上に勉強を強要しているのではないか?」と注意を
受けたそうです。本人は日本の学校では才能を伸ばしてくれないと落ち込んで
しまったため、8歳の時に、お兄さんと一緒に、イギリスで最も有名なプレッ
プスクール(私立小学校)であるドラゴンスクールに留学させました。当初の数
週間、英語に困っていたのが嘘のようで、一年もたたないうちにクラスをしき
ってしまい、現地の子供たちのリーダー的存在になりました。この友人のご子
息のイキザマがまさに「失うものは何も無い(Nothing to lose)」です。   

また私の子供の一人もまさに、Nothing to lose派です。先生に「出場人数が足
りないので水泳大会に出てくれ」と言われて出場し、最下位になりながらも、
先生からとても感謝をされました。負けても先生、同じクラスのほかの子供た
ちから感謝されることになりました。「劇の主役が病気だから午後の舞台まで
の間に台詞を覚えて代役で出て欲しい」と言われて、真剣に覚え、先生に恩を
売ることができました。また、友達から「チェスの試合に出て欲しい」と頼ま
れれば、チェスを練習して試合に出場しました。まさにNothing to loseの感覚
で、誰かに何か頼まれると一言「OK」と言い、学年でのリーダーになってい
ます。

●成功する経営者もNothing to lose

アップルの創業者で昨年無くなったスティーブ・ジョブス氏が同じ主旨のこと
を言っていました。「人間はいずれ死ぬのである。だから、失うものは何も無
いと考えて行動すべし」と。

日本のビジネス界にとって重要な歴史的反省材料は、「失敗を恐れるあまり、
何もできない、決定しない経営者が、バブル崩壊後にとても増え、企業が20年
間衰退し、経済は停滞した」ということである。大企業に限らず、中堅企業で
もこの傾向は多く見られます。日本の経済雑誌には、「経営者はリーダーシッ
プをとること」とは書いてありますが、どのようにしてリーダーシップをとる
かということを具体的に書いてあることはほとんどありません。

どういうことでしょうか。
会社経営は、経営資源をどのように配分するかということが最重要課題です。
投資家にとって、「経営資源の配分ということ」は、「どのようなリスクが
存在し、どのようにリスクを取るかということ」と同じ意味です。つまり、
できる経営者とできない経営者の違いは、リスクの取り方の違いとも言えます。

ソニーとアップルの違いで分かるように、一人の「失う者は何も無い」という
考え方の経営者(スティーブ・ジョブス氏)が、潰れそうな会社を14年間でア
メリカで最大の時価総額の会社にしてしまいました。日本の大企業の経営者
の中には「うちはリスクを取らない経営をしている」とIR(投資家説明会)で
言ったりする方々が今でもいる。「リスクを取らないことは良いことだ。」
と思っている経営陣が経営する企業ほど、将来にたいする戦略・計画がない
のです。「リスクを取らないことが最大のリスク」ということは、会社のオー
ナー・投資家になれば、当たり前の視点になるのですが、多くの日本の経営者
にはこの感覚は欠けています。

スティーブ・ジョブス氏の哲学の根底は、「何もしなければ、人間ただ死んで
いくだけ。それでは人生に何の意味もない。」という考え方でした。それだか
らこそ、消費者がただ満足するだけの商品・製品ではなく、「消費者が完璧な
製品と思う」製品を作ることにこだわってきました。アップルには、たった
4つの製品ライン(パソコン、iPod、iPhone, iPad) しかありません。

また、商品の製造はすべてアウトソーシングです。投資家から見れば、夢の
ような会社を作り出したわけです。ジョブス氏と対極におり、比較されるのが
元ペプシコーラの社長で、ジョブス氏をアップルから追い出してしまったジョ
ン・スカリー氏である。スカリー氏は、ブラウン大学と有名ビジネススクール
(ウォ-トン)の出身で、マーケテイングの天才であり、若くしてペプシのトッ
プになった人間ですが、アメリカのハイテクブームの中で、「単なる砂糖水」
を売ることよりもハイテク業界でのトップになりたいと考えたようです。しか
し、既に出来上がっている商品を、小手先のマーケテイング手法を駆使して売
るのと、ゼロベースで商品を設計して売るのとでは、「リスク」に対する感覚
に違いがありすぎて、アップルを「リスクを取らない会社」にしてしまいまし
た。スカリー氏の輝かしい経歴・ペプシでの成功体験が、アップルでリスクを
取れなかった彼の失敗に結びついたことが、日本全体の経験と酷似しています。
すなわち過去20年以上に渡り、日本の経営者は、世代交代がほとんどなく、
前の世代の成功体験・失敗体験から、リスクの取り方が解らなくなってしまって
いたのです。

ちなみに、全てを失ってしまった日本の戦後も当然Nothing to loseでした。戦
時中要職についていた全ての方々がパージされてしまい、もといた組織に行く
ことさえ許されなかったのです。結果、大蔵省の事務次官になった長沼氏は当
時43歳。銀行局長、理財局長のいずれも41歳。Nothing to loseで決断は早か
ったから、戦後の経済成長があったのだと思います。

友人のご子息のように、戦後の若い経営者のように、今の日本でも「Nothing
to lose」の感覚で何でも試す経営をすれば、もっともっと企業価値が上がるこ
と間違いないと思います。

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■2 M&Aのアドバイザーの優劣

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クレディ・セゾンの応接室に「ビジネスで失敗する10の法則」というのが掛
けてある。その7番目の法則は、「専門家やコンサルタントの提案やアドバイ
スを盲信するのは危険である。専門家はあくまでアドバイザーであり、自ら経
営する訳でも責任を取る訳でもない。明らかに提案に間違いがあったと気がつ
いた時には、彼らは次の会社の為に一役買おうとしている。」であり、6番目
の法則は、「熟考する時間を取らないのは失敗の原因となる。人間は理性が大
切であると思っているが、実は感情の罠にはまる。特にM&A等では、第三者
から見て明らかな失敗を興奮のあまりやりたがる。」です。
これを読めば、7番目の法則の専門家やコンサルタントというのはM&Aアド
バイスの専門家やコンサルタントのことを最も意識していると読み取れます。
これは、本当に的を射た教訓だと思います。M&Aのアドバイザー(弁護士を
含めて)と称する者は、日本にわんさかいます。ところが、過去25年間、
M&Aの案件で、それほど目立った成功を目にしていません。
どういうことなのでしょうか?
それは、自称M&Aアドバイザーが多く、実際の経験者は少ないということ
です。

●M&Aアドバイザーの選び方

それでは、企業の経営者は何を基準にM&Aのアドバイザーを選んでいるので
しょうか? 皆さん、ご存知ですか?

既にすばらしいM&Aのアドバイザーを知っている場合は別として、そうで無
い場合で、会社にとって重要な案件の場合、経営者は、M&Aの実績のランキ
ングで選びます。逆に、アドバイザーの立場からすると、ランキングのトップ
3に入っているのと入っていないのとでは、依頼されるビジネスの量が圧倒的
に変わってくるということになります。

ランキングは、取扱高で見るのが一般的ですが、案件数で見る場合もあります。
当然ながら、大きな企業の売買を行えば、小さな案件よりも取扱高へのインパ
クトは大きくなります。M&Aとしては大きな額の案件の方が重要であると考
えることが一般的なため、重要案件でアドバイザーを選ぶ場合は、取扱高でみ
ることが多いと言われています。

●経営者が本来選びたいM&Aアドバイザー

経営者が本来選びたいM&Aのアドバイザーとはどのようなものでしょうか?
それは、売り物件の時には高い値段で売ってくれるアドバイザー、買うときに
は安く買ってくれるアドバイザーである。この選びたいM&Aアドバイザー
と実際選ばれるM&Aアドバイザーは、しばしば一致しないのですが、それを
クレディ・セゾンの7番目の法則は、的確に言い当てています。

野村證券が提携をしていた故ワッセルスタイン(Wasserstein)氏
がこの例に良く出されるが、彼は、買い手の顧客企業の利益よりも、自分の利
益を優先して、自分の顧客企業に、往々にして他のアドバーザーなら高すぎる
からこの案件は止めておけというような値段でも「あと一株0.5ドル出せば、
あなたの長年の夢がかなうんだ」と言って、競い勝たせていたと言われていま
す。このワッセルスタインは、長年M&Aでナンバーワンであったモルガンス
タンレーに替わり70年代にそれまでNo1になったことがほとんどなかった
ファーストボストンのM&A部門をNo1にしたというので、ウォールストリ
ートで一躍有名になりました。その後、独立し、その会社をドレズナー銀行に
売り、最後はラザードという会社で2009年に亡くなるまで、様々な案件をア
ドバイスしてきました。ワッセルスタイン氏の対極にいるのがシグモンド・ウ
ォーバーグ氏やロハティン氏です。ウォーバーグ氏やロハティン氏は戦略家
で、顧客を最重要視しており、常に当事者意識をもっていました。

また、M&Aの業界の優秀なアドバイザー同士はお互いに知っているものが多
く、相手に「こいつは手強い」と思わせることができるアドバイザーが最高の
アドバイザーであると言われています。

経営者はこのような優秀なアドバイザーから一度でもM&Aのアドバイスを受
けると、次からはほぼ確実に同じアドバイザーを選ぶことになります。何故な
ら、ベストのアドバイスをもらったという確信があれば、セカンドベストのア
ドバイスなどほとんど無価値であることを実感するからです。

それではベストのアドバイスとはどのようなものでしょうか?
M&Aは心理戦です。買い手のアドバイザーの場合、買い手候補企業がどれぐ
らいの値段をつけてくるかを予想し、本当に買いたければ、2番札より少しだ
け高い値段(10%ぐらい)で応札させることです。売り手のアドバイザーの場合、
2番札よりずっと高い値段で1番札を引き出すということです。80年代後半
は、日本の企業が買収をした場合、2番札の2倍も出したケースがいくつも出
てきて、まさにこの時期にジャパンプレミアムという言葉ができました。それ
だけ日系企業のアドバイザーは、無能だったということになります。

●M&Aアドバイザー側の内部事情

それでは次に、M&Aアドバイザー側の企業論理はどうなっているかを説明し
ます。M&Aのアドバイザー業を営む経営者にとって、どのような戦略がある
のでしょうか。どこのアドバイザー会社・インベストメントバンクも優秀な人
材は、基本的には、外部から採用します。採用の対象は、弁護士、会計士、コ
ンサルタントやインベストメントバンクの他の部門の社員として実績を積んだ
者がほとんどで、私のように学生から直接M&A部門に採用されるものは原則
いません。要は、金をかけて人材の育成はしないという事です。言い換えれば、
優秀なM&Aアドバイザーという人材は、自身の経験を積み重ねることによっ
てのみしか存在しえないという事になります。

このようにして優秀な頭脳を集めると、次は、どうやってリーグテーブルの上
位に食い込むかということですが、2つの要素があります。(1)リーグテーブル
の作り方と(2)アドバイザーに指名された案件をどのように成功に収めるかとい
うことです。

●小手先のリーグテーブル。

リーグテーブルの要素は、関連案件数と関連案件総額です。例えば海外の会社
が日本の会社を買いたい場合と日本の会社が海外の会社を買いたい場合では、
関連するリーグテーブルは変わってきます。一般には、・・・


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