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雨宮処凛、石坂啓、宇都宮健児、落合恵子、佐高信、田中優子、中島岳志、本多勝一の各氏が編集委員を務める『週刊金曜日』のメールマガジンです。本誌の巻頭ニュース「金曜アンテナ」、編集委員コラム「風速計」、平井康嗣編集長のコラム、市民運動・イベント情報案内板、有料メルマガオリジナル北村肇発行人「多角多面」を、本誌発売日にお届けします。タブーが多くワイドショー化したマスコミは、大切なことを報道しません。広告に依存しない『週刊金曜日』は「真実」を報道します。

サンプル号
■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

   2017.11.3 きんようメルマガ 236回/石坂 啓
   《巨大カジノ》

■□■━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 カジノがどうなっているか覚えていらっしゃいますか。カジノを日本の成長
戦略の一環として推進すると称し、「IR推進法」(カジノ法)を自民と日本維
新が中心となって成立させたのが2016年末。政府は1年以内をめどにカジノの
規制基準等を定める「IR実施法案」を国会に提出することが求められています
が、安倍政権は臨時国会を開かないようです。カジノを推進すべきと言いたい
のではありません。自分たちで決めた約束すら相変わらず無視するのが安倍政
権なのです。

「風速計」では、石坂啓編集委員がシンガポールのカジノを批判しています。
(WEB編集長・伊田浩之)


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【1】編集長コラム
【2】風速計
【3】今週号の特集
【4】金曜アンテナ
【5】〈メルマガ限定〉発行人コラム
【6】編集後記(金曜日から)
【7】〈メルマガ限定〉現代日本を読み解く200冊
【8】〈メルマガ限定〉神保町ゴンゾ日記
【9】きんようびのはらっぱで
  (市民運動から講演・映画・音楽・イベントの情報案内板)
                      http://www.kinyobi.co.jp/


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┗━━━━━┛21世紀に『資本論』をどう生かすか
       [鎌倉孝夫+佐藤優:著]
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働きづめなのになぜ貧乏なのか

こんにちの社会問題の根本がどこにあるかを考えるために、マルクスの『資本
論』は最強の武器であり続けている。ただし、『資本論』は革命の手引書では
ない。著者2人の対話による講義をまとめた本書は資本主義の内在論理をあき
らかにするとともに、『資本論』の誤読されやすい部分をていねいに説きおこ
す。

定 価:2200円+税
サイズ:四六判上製 288頁
ISBN:978-4-86572-023-5
http://www.kinyobi.co.jp/publish/002411.php


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【1】編集長コラム
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 安倍政権には、ここにいたっても驚くことばかりだ。国会での与野党質問時
間の配分比を検討するという話だ。野党の質問時間を減らして、政権にとって
都合が悪い質問をさせまいということか。これには立憲民主党の長妻昭議員が
ツイッターでも猛反発。「自民党が野党時代、強力に要請をして今の配分比と
なった。野党の質疑時間を減らす姑息な試みは止めて総理の言う丁寧な説明に
努めてもらいたい」と批判している。

 特別国会も当初は首相指名や議席の指定という型通りのものだけに収める予
定だったが、さすがにそれでは批判がかわせないということで与党側は検討を
しているという。

開票センターでの首相の憮然とした表情の意味がようやく理解できた気がす
る。第一野党が立憲民主党であることが、気に入らないのだろう。国会の場で
突き上げをくらうのが怖いということか。

 しかし、そういう安倍首相をいまもかつぐ人たちの打算こそ、私は怖い。最
新調査で、安倍首相の不支持率が支持率を上回っている。(小林和子)


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【2】風速計
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□■巨大カジノ(石坂 啓)■□

 はじめてシンガポールに行った。

 あんまりタバコを喫えないんじゃないかと夫は用心して、旅行前に電子タバ
コに切り換えていた。このごろは喫煙者には風当たりの強い国が多い。アイコ
スやプルーム・テックを揃えて張り切っていたら、電子タバコは持っているだ
けでNG、そもそも国への持ち込み禁止なのだと直前に知らされる。

 見つかった場合は没収だったり罰金だったりとたいへん厳しい。「チキ
ショー」と夫はリキッドも充電器も荷物から取り出し、「二度と行ってやら
ねーぞ、そんな国!」とキレている。いやまだ一度も行ってないってば。せっ
かくやめていたタバコを彼はヤケで空港で1カートン買って、入国の際にそれ
にかかる税金をさらに7000円(1箱700円ほど)支払った。

 不思議なのはじゃあ誰もタバコを喫っていないかというと、高額なのにけっ
こう愛煙家もいるし喫煙所も多い。私は酒の値段にびっくり。コンビニで買っ
ても缶ビールが500円近い。ホテルのミニバーでは1缶1200円。ハイネ
ケンなんてケチケチとスリムな缶コーヒーサイズだ。

 デカくて驚いたのがマリーナベイサンズのカジノ。屋根があってあの広さの
建物って、武道館くらいしか知らない。タテヨコ高さも破格なら収容される人
数も。外国人観光客も列をなしているが、有料で入る地元の常連客も一晩中過
ごしている。何層にも階が見渡せる金ピカの巨大ホールはわんわんと鳴り響い
て、スズメバチの巣を内側から見たとしたらこんなかなという様相。

 たしかに瞬殺、されます。最低賭け金だって数千円、5万や10万を5分で
使ってかまわないという気でなければ、ディーラーの前には立てない。その感
覚でいられる人がこんなにいるのかと、何千人もの人々を思わず見渡してし
まった。

 表層的に眺めただけの旅だったが、表層的な部分を見習って、日本に取り入
れたいと思った政治家もこれまで多くいたのじゃないだろうか。多くの外国人
に金を落としてもらう巨大カジノ。日本よりもはるかにリッチに見える都市に
空港。メイドや清掃員など街の美観には安く使えるアジア人労働者。

 行ってみたい国――というわけではなかったけど、行ってみてよかったとは
感じた。


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【3】今週号の特集
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■創刊24周年 憲法特集

安倍晋三首相は総選挙で改憲を積極的に語ることはなかったが、
改憲派多数議席を背景に、改憲論議を進める方針は間違いない。
ただ、立憲民主党の躍進は計算外だったろう。
同党の立党、共産党の67選挙区候補者取り下げなどの
野党協力は「市民と野党の共闘」が生んだものであり、
立憲主義を求める市民の声が改憲論議に影響を与えることは確かだ。
日本国憲法は日本に住む私たち一人ひとりのものであり、
内閣や国会のものではない。首相や内閣が勝手に解釈を変えたり
改憲内容を決めたりすることは許されない。憲法を私物化している
安倍政権から憲法をとりもどす。私たち市民の手に。


●安倍総裁提案の「9条改正」、与党内にも異論
改憲のゆくえ、先行き不透明 「3分の2」首相を誰が止めるか
西谷玲

総選挙が終わり、新勢力で国会が始まった。その新勢力では、憲法改正に前向
きな人たちの議席数が、憲法改正発議に必要な「3分の2」を超えた。しか
し、数はそうでも、実態を見ていくと、先行きはかなり不透明だ。


●政治と憲法と市民――これからの「壊憲」阻止の闘い
市民のための政治を築き直す
対談 植野妙実子×中野晃一

突然の解散による今回の総選挙は、再び自民党の圧勝を許した。だが、今後の
安倍政権に反撃する上で評価できる点もあった。特に、立憲民主党の結党とそ
れに連携した市民の動きは、今後の闘いにとって大きな意義を残した。2人の
気鋭の学者が、新たな対抗軸の形成を語り合う。


●緊急事態条項――大震災を体験した自治体首長が知る中央集権の怖さ
「3・11」は「緊急事態条項」の無意味さを示した
井戸川克隆

改憲派は、「緊急事態」が起きたら中央に権力を集中させるべきだと主張す
る。だが、原発事故や大規模な自然災害への対処の基本は、現地自治体への権
限移譲だ。実際に大震災を体験した福島の自治体首長は、地元自治体に権限を
集中させなければ住民の命にかかわると指摘する。


●緊急事態条項――「災害に備えるため」はウソ
知る・伝える・笑う 権力と闘うために
辛淑玉×おしどりマコ

安倍政権が憲法に書き込みたい「緊急事態条項」。ひとたび緊急事態が宣言さ
れれば、情報も財産も政府が握り、国の都合が何よりも優先される。「災害
時」を名目にした「緊急事態条項」がいかに命と人権をおろそかにするもの
か、そして改憲勢力とどう向き合い闘っていくか、災害と抗いの現場をよく知
る2人が語り合った。


●「憲法カフェ」@金曜日
「憲法をとりもどす」のはどっち?
『週刊金曜日』女子会(黒澤いつき×竪十萌子×弓削田理絵)

憲法は、時代に、現実にあっていない!?  本当でしょうか?  今回は、つい
に“本家本元”あすわか(明日の自由を守る若手弁護士の会)メンバーによる
「憲法カフェ」を『週刊金曜日』で開催しちゃいました。


●憲法を撮る 15条/21条/41条
亀山ののこ


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【4】金曜アンテナ
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◆小池氏、自らの発言で希望の党失速にも責任をとらず
「排除」引き出した記者を排除

 民進党の前原誠司代表は10月27日の両院議員総会で、党全体が希望の党へ合
流するとの方針を撤回して、代表辞任を表明。民進党に残っていた参議院議員
や地方組織はそのまま存続することになり、11月1日から始まる特別国会前ま
でに新代表を選ぶ見通しとなった。

 投開票日直後の会見で前原氏は、参院議員や地方組織の方向性を決めた上で
辞任する考えを明らかにしていたが、党内の参院議員は「希望合流を決めて辞
められても困る。そもそも前原代表に残務処理をする資格はなく、すぐに辞任
して、残ったメンバーが今後の方針を決める」と反発。解任決議を出す構えも
見せていたため、前原氏が自発的に辞任する形となった。

 なお前原氏は代表辞任をした後に、民進党を離党して希望の党に入る意向を
すでに表明している。

 一方、野党乱立を招いて安倍政権をアシストしたもう一人の“A級戦犯”の
小池百合子都知事(希望代表)は25日朝にフランスから帰国、午後から両院議
員懇談会に出席した。3時間以上にも及んだ懇談会の冒頭で小池氏は、「多く
の方々を傷つけてしまったことについても、改めて謝りたい」「言葉が歩いて
しまった結果だ」と謝罪した。それでも複数の国会議員から代表辞任を求める
声が出た。

 しかし、これに対して小池氏は創業者責任を口にしながら代表辞任を否定し
た。自らの「排除」発言で希望は失速、落選議員を多数出したのにもかかわら
ず、結果責任を取ろうとしなかったのだ。

 23日のキャロライン・ケネディ前駐日米大使とパリでの対談でも、小池氏の
責任転嫁の姿勢が浮彫りになった。小池氏は「都議選もパーフェクトな戦いを
してガラスの天井を破ったかなと思ったが、今回の総選挙で鉄の天井があると
改めて知りました」と語り、希望惨敗の原因が自らの失言ではなく、日本の特
殊事情であるかのような言い逃れをしたのだ。

 その一方で、「(小池代表)関係者」「周辺」と名乗る側近を使って“悲劇
のヒロイン仕立て作戦”と呼ぶべき世論工作も始めたようだ。「〈誤算の行
方〉(上)振付師なく『敵役』に 小池氏 過信が生んだ排除発言」と銘打っ
た10月25日付『東京新聞』は、9月29日の会見で口にした「排除」発言につい
て「関係者によると、小池氏は食事がのどを通らないほど、この発言を悔いて
いた」と紹介しているが、作り話にしか見えない。本当に後悔していたのな
ら、すぐに「排除」発言を撤回、「前原代表が説明した通り、公認申請者は全
員受け入れます」と方針変更をしていれば、希望は勢いを維持、野党乱立を招
くこともなく非自民勢力が結集、安倍自民党を大幅議席減に追い込むことが可
能だった。

【「次の質問をどうぞ」】

 そこで25日の両院議員懇談会後の囲み取材で、「結果責任を取らない理由は
何ですか。『排除』発言をすぐに撤回していれば、こんな事態を招かなかった
のではないですか。前原さんにウソをついたことになる」と聞いたが、小池氏
は答えず、「次の質問をどうぞ」と言って別の記者を指名した(編集部注:小
池氏から「排除」発言を引き出したのは本稿筆者)。政治家に続き記者も「排
除」したのだ。

 連合の神津里季生会長と小池氏が会談した翌26日の囲み取材でも、露骨な記
者排除(選別)を繰り返した。「多くの候補者が連合の支援を受けて戦った。
支援に感謝したい」「政策を含めて協力関係を持っていく。地方選があり、協
力をお願いした」と会談内容を小池氏が説明した後、私は再び「排除」発言に
ついて質問したのだが、ここでも一言も発することなく、早々に会見を打ち
切ったのだ。

「排除」発言について、「政策の門、公認の門をいたずらに狭めたという感が
強くある。罪はきわめて大きい」(23日の会見)と小池氏を批判していた神津
氏にどう釈明や謝罪をしたのかについて小池氏は、一切説明しようとしなかっ
たのだ。説明責任も果たさず、結果責任も取ろうとしない独善的な小池氏に対
して、「代表不適格」「辞任すべき」といった批判が強まるのは確実だろう。

(横田一・ジャーナリスト)
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◆安倍自民党圧勝でも課題山積の公約に不安の声
「教育無償化」で歪む社会保障

 2017年衆院選は、自民党の圧勝で幕を閉じた。安倍晋三首相は公約に掲
げた「教育無償化」を進める意向だ。しかし課題は多い。財源が増えないもと
での教育費の膨張は、社会保障制度を圧迫する、との懸念も根強くある。

 衆院選の大勝から一夜開けた10月23日。揚々と記者会見に臨んだ安倍首相
は、選挙直前に打ち上げた「2兆円規模の子育て政策パッケージ」に触れ、
「教育の無償化を一気に進める。消費税の使い道を見直し、子育て世代、子ど
もたちに大胆に投資する」と語った。

 「パッケージ」は、3~5歳児の教育・保育の完全無償化(約7300億
円)や、0~2歳児保育費の一部無償化(500億~2300億円程度)が
柱。他には大学生向けの給付型奨学金の拡充や、待機児童解消に向けた32万人
分の保育施設整備などが並ぶ。

 19年10月に消費税率10%への引き上げが実現すると、約5・6兆円の増収と
なる。この中から約4兆円を「社会保障の安定化」に充てるのが当初の政府方
針。社会保障費のうち、国が借金で補填してきた部分を増税分で賄うように改
める構想だった。だが、首相は唐突に約1・7兆円分を教育無償化などに振り
替えるとし、衆院解散に踏み切った。「2兆円パッケージ」に足りない約30
00億円分は、企業の負担増で埋める。

 安倍首相は27日夕、経団連の榊原定征会長に協力を要請。榊原氏は「応分の
協力はすべきだ」と応じた。

 ただ、自治体や保育の現場では「待機児童の完全解消が先」との声がやまな
い。保育士不足の解消なしに保育施設の整備は進まないし、そもそも枠を32万
人分増やしても足りないだろうという。東京都のある区の幹部は「保育所無償
化で入所希望が増え、待機児童もまた増える。入所できた親とできない親の格
差拡大と分断が進み、社会不安が広がる」と見ている。

【財務省牽制する厚労省】

「法改正は不要ですよ」

 最近、財務省幹部は国会議員らにこう耳打ちしている。12年に成立した社会
保障・税の一体改革関連法のことだ。同法は消費税の使い道を年金、医療、介
護、子育ての「社会保障4経費」に限り、いわゆる教育費は含めていない。4
経費への「侵犯」を警戒する厚生労働省は、「教育無償化にまで広げるなら、
法改正が必要」と財務省を牽制している。

 これに対し、「奨学金も子育て支援」というのが財務省の言い分だ。借金返
済に充てる予定のカネを教育無償化に取られて青くなり、「消費増税の撤回よ
りはマシ」と、安倍官邸に尻尾を振る側に回った。そして借金返済分を別に確
保すべく、社会保障費カットにムチを入れようとしている。

 10月25日の財政制度等審議会(財務相の諮問機関)。年末の18年度予算編成
に向けて、医療機関に支払う「診療報酬」の改定議論を始めたこの日、財務省
は「2%半ば以上のマイナス」を強く求めた。診療報酬改定は2年に一度。
1%減は約4500億円の医療費圧縮になる。また18年度予算編成は、3年に
一度の介護報酬改定、5年に一度の生活保護見直しの時期とも重なる。同省は
訪問介護費の圧縮などによる介護報酬削減、生活保護費の引き下げなども提示
したほか、所得の低い世帯に支給している児童手当の「特例給付」廃止案まで
挙げた。

 財務省が社会保障費削減に躍起なのは、18年度予算でも教育無償化の財源を
ひねり出す必要に迫られているからだ。2兆円の子育て政策パッケージは消費
増税後でも、選挙公約だけに今から「芽出し」はしておかないといけない。

 社会保障・税の一体改革は、消費増税分を社会保障の「安定化」と「充実」
に充てると定めている。介護保険料の軽減など、個別政策への使途も決まって
いる。

「パイを増やさないまま教育無償化を無理に割り込ませば、改革の全体像が壊
れ、『社会保障費のツケを後の世代に負わせない』という理念まで崩れかねな
いよ」

 厚労省幹部はそう言って、深いため息をついた。

(吉田啓志・『毎日新聞』編集委員)
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◆国税庁・佐川氏罷免求め2万筆超の署名も集まる
「モリ・カケ」徹底追及緊急集会

 与党大勝で「うやむや結末」が懸念される中、10月26日夜、「アベ政治に幕
引きを! 『モリ・カケ問題』の責任を徹底追及!!」の緊急集会(森友学園問
題を考える会主催)が大阪市中央区で開かれた。元文部官僚の寺脇研京都造形
芸術大学教授は加計学園について「『記憶がない』と言っているが総理の秘書
官が今治市の職員と会うようなレアケースを忘れるはずはない」「野党は萩生
田文書を追及すべきだ」と強調。森友問題では「安倍夫人元秘書の女性は『あ
んな人(籠池夫妻)と付き合っているのはまずいのでは』と報告しなくてはい
けなかった」などと話した。

 山口4区で出馬した「今治加計獣医学部問題を考える会」の黒川敦彦共同代
表は「安倍首相のお膝元で6687票以上入れてくれたことは意義があった。
加計学園の建築図面を専門家に見てもらうと坪単価60万~70万円くらい。それ
を150万円かかると水増ししている。補助金詐欺です」と話す。

 森友学園問題の火付け役、木村真豊中市議は「近畿財務局の幹部が『(国有
地価格を)ゼロ円にする努力をします』と話す生々しい録音が暴露されたら解
散になった。まさに「モリ・カケ」隠し。松井(一郎)大阪府知事は『忖度に
はいい忖度と悪い忖度がある、大阪府職員も僕に忖度します』と言った。公務
員は全体に奉仕するのではなくトップにだけ従えという姿勢です」と話した。
 

 行政官が政治家にモノが言えなくなったことを憂う寺脇氏は「安倍首相は、
自分は選挙で選ばれたから官僚は自分に従えという姿勢。しかし公務員は試験
という形で国民から選ばれているが、選挙では能力とは全く関係なく選ばれ
る」と話し大きな拍手が起きた。

 先立つ24日、「森友・加計問題の幕引きを許さない市民の会」メンバーは財
務省と国税庁を訪れ面談、国税庁の佐川宣寿氏の罷免を求める署名2万筆超を
提出した。

(粟野仁雄・ジャーナリスト)
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◆11月3日、全国市民アクションに向けた記者会見
国会包囲で9条改憲阻止を

 憲法9条改憲阻止の意思を示したい人は国会前へ。「安倍9条改憲NO!全
国市民アクション」(以下、アクション)の一環として、憲法公布記念日の3
日、国会包囲大行動がある。それを前に、同行動の趣旨などを説明する記者会
見が10月26日、東京・千代田区の参議院議員会館で行なわれた。

 22日の衆議院選挙の結果、自民党、公明党の議席は3分の2を超えた。これ
に改憲を容認する政党を加えると、改憲勢力は8割に達する。今後、改憲論議
が政治の前面に登場することは必至だが、11月1日に始まった特別国会の日程
は8日間しかない。

 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会の高田健さんは、「安
倍政権は臨時国会をパスして、来年の通常国会で憲法改正を発議してくる可能
性がある」と危機感を募らせる。「一つの国会で採決、発議することは許せな
い」として、臨時国会開催を求める市民行動を今年から来年にかけて起こす考
えだ。3日の行動もその一つ。同日、大阪、京都、広島などでも集会が予定さ
れている。

 同時に力を入れているのが、改憲発議を阻止するための9条改憲反対300
0万人署名運動だ。平和フォーラム・原水爆禁止日本国民会議の勝島一博事務
局長は、「10月23~25日の3日間で3000通近くの署名が郵送されてきた。
(目標の)3000万人も不可能な数字ではない」と指摘。「戦後最大の憲法
の危機をなんとしても阻止せねばならない」と力を込めた。

 全日本民主医療機関連合会の岸本啓介事務局長は、「憲法改正は国民的議論
を前提とすべきで、野党第一党である立憲民主党を無視はできない」と強調し
た。

 3日は午後1時からフォーク・シンガーの中川五郎さんらが出演するプレコ
ンサートの後、2時からスピーチ、シュプレヒコールなどがある。国会正門前
など、ステージは4カ所に設けられる。

(文聖姫・編集部)
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◆集計漏れの福島の子どもたち
甲状腺がん数まだ未把握

 10月23日に開かれた福島県「県民健康調査」検討委員会で、東京電力福島第
一原発事故以来、行なわれてきた当時18歳以下の甲状腺検査の結果が報告され
た。

 検査対象約37万人のうち、1巡目(2011~13年度)では受診した約30万
人のうち116人が、2巡目(14~15年度)では約27万人のうち71人が、3巡
目(16~17年度)は約12万人中、新たに3人増えて7人、計194人が甲状腺
がんまたはその疑いが診断されている。100万人に1~3人とされる子ども
の甲状腺がんだが、今回も「多発論」は皆無だった。

 前回(6月5日)の検討委員会で、2次検査で「経過観察」とされた後に甲
状腺がんの摘出手術を受けた4歳児の症例が集計に含まれていないことが明ら
かとなり、環境省の梅田珠実環境保健部長が「手術症例を統計として求めて報
告していただく」と指摘。福島県立医科大学の大津留晶甲状腺検査部門長は
「経過観察」とされ保険診療扱いとなったうち、「半数以上が次回の一次検査
を受診」しているとだけ述べ、その後の対応が注目されていた。

 だが、それから5カ月近くが過ぎたにも拘わらず、未だ集計は行なわれてお
らず、県立医科大学ふくしま国際医療科学センターの横谷進甲状腺・内分泌セ
ンター長が、「大学の倫理審査委員会で承認され次第」、医科大学内で「がん
または疑い」と診断された患者が甲状腺検査の集計外であるかを、放射線医学
県民健康管理センターに照会して、集計から漏れている人数を把握すると説明
を行なった。

 今回、検討委員会と甲状腺検査評価部会の任期切れにより、前者は再任が多
数、後者は全員が入れ替わった中、日本甲状腺学会から推薦を受け両方の委員
となった高野徹大阪大学大学院講師(内分泌代謝内科学)が検査の継続的に消
極的なスタンスを露わにした。

(まさのあつこ・ジャーナリスト)
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◆ギャンブル依存症でシンポ
家族会「超党派で法案を」

 ギャンブル依存症者を家族にもつ家族会(群馬、東京など国内に8カ所)が
連携、今年8月にNPO法人「全国ギャンブル依存症家族の会」(丸山康子代
表)として認定されたことを記念したフォーラムが10月26日夕、東京・千代田
区永田町の星稜会館ホールであった。

 フォーラムでは、依存症当事者と家族の体験談に続き、今年6月に議員立法
で衆院に提出され、継続審議となっていたものの、安倍晋三首相による突然の
臨時国会冒頭の衆院解散で廃案となってしまった「ギャンブル等依存症対策基
本法案」をめぐるシンポジウムが行なわれた。

 ファシリテートを行なったのは田中紀子さん(ギャンブル依存症問題を考え
る会代表)。希望の党を除き、自民、公明、立憲民主、維新、共産、無所属の
6人の国会議員が登壇。討論やフロア発言も含め、論点ごとに専門家の立場か
ら精神科医の松本俊彦氏(国立精神・神経医療研究センター)がコメントを加
え進んだ。

 議論が集中したのは、同法案には依存当事者や家族の意見・経験を反映する
ための「関係者会議」が施策決定の中核機関の一つとして明記されず、単なる
ヒアリング止まりになっている点。田中さんは「仕切り直して超党派の法案を
作って」と訴えた。

 アルコール問題議員連盟の初鹿明博衆院議員(立民)、薬師寺みちよ参院議
員(無)が、会議の位置付けが書き込まれているアルコール健康障害対策基本
法を例に挙げながら必要性を述べ、松本医師も「審議会として、関係する民間
団体を位置付けることが決定的に重要」と指摘した。

 また、元厚労省依存症対策専門技官で精神科医の蒲生裕司氏も「ギャンブル
依存症は借金を抱える問題もあり、医療ケアだけでは足りない。総合的な施策
が必要」とフロア発言した。

(小宮純一・ジャーナリスト)
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◆山口記者告発の伊藤詩織さん
記者会見で「これが真実」

 10月18日に手記『Black Box』(文藝春秋)を出版したフリー・ジャーナリ
ストの伊藤詩織さんが、10月24日に日本外国特派員協会にて記者会見を行なっ
た。

 白い丸襟トップスに黒のパンツ姿で会見にあたった詩織さんは、記者を前に
「隠れなければいけないのは私たち被害者ではありません」と発言。2015
年にTBS元記者の山口敬之氏から受けた性暴力と、9月の検察審査会による
「不起訴相当」の議決について説明した。さらに「不起訴相当」と判断した東
京第6検察審査会の委員は男性が7名、女性が4名、平均年齢は50・45歳だっ
たことに関しては「このような男女で問題の捉え方が異なる可能性のある事例
について、男女比を半々に近づけていただけなかったことは大変残念に思いま
す」と、悔しさをにじませた。

 この2年間、さまざまなメディアに相談しながらもほぼ無視され続け、山口
氏の逮捕見送りを報じたのは『週刊新潮』だけだったことにも言及した。会見
では触れなかったものの、著書によるとジャーナリストの清水潔さんに相談し
たことで、新潮社との繋がりを得たそうだ。他のメディアが無視し続けてきた
ことを詩織さんは、「不起訴だから報道できないではなく、本当に正しい判断
がなされたのか、どのような方法を取れば問題点を報じることができるのかと
いう視点をぜひ持ってくださるよう願います。それだけでたくさんの人が救わ
れる可能性があるのです」とも語った。

 日本では5%程しか報告されないレイプだが、なぜ、あなたは(勇気をもっ
て)声をあげることができたのか。そう質問した男性記者に対し、彼女は毅然
と「これが真実であり、真実に蓋をしてしまったら、真実を伝える仕事である
ジャーナリストとして、もう働けないと思っていたことと、これは個人的な話
ではなかったから話せたんだと思う」と答え、拍手に送られて会場を後にし
た。

(玖保樹鈴・ライター)
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◆創価学会会員有志らがサイレントアピール

 総選挙の投開票日の10月22日、安保法制や共謀罪の廃止を求める創価学会員
有志らによるサイレントアピールが、雨が激しく降る中、東京・信濃町の学会
本部前で行なわれ、約30名が参加。「日本を戦争に導く安保法制と共謀罪法の
廃止のために闘え!」という横断幕を掲げた。

 元学会職員の野口裕介さんは「近年、安保法制や共謀罪法が強行採決され
た。公明党がそこで自民党に加担して、賛成に回っている。池田大作名誉会長
の“絶対平和”の思想から言えば、現状の公明党や創価学会本部がそれらを容
認する方針は間違っている。学会本部前にて、牧口・戸田・池田の創価三代会
長の姿勢に立ち返るべきだとアピールしたい」と今回の行動の意義を語った。
現状の公明党については「大衆のために・大衆と共に……という元々の信念を
失っている。自民党という権力側に付いてしまって、“与党ぼけ”したのか、
大衆のためにという視点を忘れてしまった」と切り捨てた。

 同じく元学会職員の滝川清志さんは公明党について「明らかに変質し、信念
を失っている。牧口初代会長は治安維持法によって獄死させられた。共謀罪法
は治安維持法と違うとはいえないと思う。思想に殉じていった初代会長の精神
を思うと、いまの共謀罪は廃止しないといけない」と語った。

(及川健二・日仏共同テレビ局France10記者)
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◇ジェンダー情報

【国連】「世界の記憶」の「慰安婦」問題資料の登録見送りへ 10月27日

「世界の記憶」に登録申請されている「慰安婦」関連資料について、国連教
育科学文化機関(ユネスコ)の国際諮問委員会が10月27日、登録を見送る方向
であることがわかった。同委員会の勧告を受け、ユネスコ事務局長が最終判断
する。

「慰安婦」関連資料は、市民団体などが2016年5月、旧日本軍や連合軍の公文
書、証言記録、写真などを申請。日本政府は、2015年の日韓合意の趣旨に反す
るなどとして登録に反対している。『東京新聞』によると、非公開の会議で委
員から「議論が分かれる案件は当事者間の対話や意見聴取が必要」との意見が
出たという。

【言葉】岩波書店が『広辞苑 第七版』で「フェミニズム」の定義変更 10月
24日

 岩波書店は10月24日、来年1月の『広辞苑 第七版』刊行を発表。この版で
「フェミニズム」「フェミニスト」の語釈を変更するという。

 現在の「第六版」では、「フェミニズム」の説明が「女性の社会的・政治
的・法律的・性的な自己決定権を主張し、男性支配的な文明と社会を批判し組
み替えようとする思想・運動。女性解放思想。女権拡張論」で、「フェミニス
ト」の説明は「女性解放論者。女権拡張論者。俗に、女に甘い男」となってい
る。これについて、男女平等を求める若手フェミニストのアーティストグルー
プ「明日少女隊」が今年5月、岩波書店に対して「女権拡張論者は、女性が男
性以上の権利を求めていると解釈されやすく、実際にこの広辞苑の語釈を引用
して、フェミニズムを女尊男卑の思想であると結論づける人が後を絶ちませ
ん」「フェミニストの理念を大きく歪めるような用法であり、語の理解を妨げ
ています」などとして「第七版では、『あらゆる性の平等を目指す思想・運
動』であることが分かるように語釈を書き換えてください」と求める公開書簡
を送付。その後6月からオンライン署名を始め、6200筆以上を集めた。

 表記変更に書簡の影響があったのかを同書店辞典編集部に聞くと「多くの方
からの質問や意見を参考にしている、という返答になる。刊行後、内容を見て
判断してほしい」とのこと。

「明日少女隊」の尾崎翠さんは「私たちは、多くの人たちにこの問題を伝え、
日本で『フェミニズム』や『フェミニスト』の定義を考える一つのきっかけを
作り、署名という形で岩波書店に届けたいと考えた」と話す。同グループは
「表記にあらゆる性の平等を目指すフェミニストの理念を明示することなどが
確認できるまで署名を続ける」としている。

協力/mネット・民法改正情報ネットワーク


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【5】〈メルマガ限定〉発行人コラム
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〈北村肇の「多角多面」(340)〉

◆二つのキャンペーン◆

 先の衆院選で自民党が「愚直」という言葉を使っていた。のけぞってしま
う。愚直に憲法を壊してきました、愚直に民主主義を破壊してきました、愚直
に米国べったりの外交をしてきました、愚直に大企業・富裕層を優遇してきま
した、とでもいうのか。「愚直」は『週刊金曜日』のモットーの一つでもあ
る。愚直に憲法を守ってきました、愚直に人権の大切さを訴えてきました、愚
直に事実・真実を伝えてきました……。こんな価値ある言葉を自民党に横取り
されたのではたまらない。

 1993年の創刊以来24年間、本誌は愚直にぶれずに憲法を大事にしてきた。主
権在民、基本的人権の擁護、平和主義を根底に据えてきた。だから、憲法を踏
みにじる安倍政権とは徹底的に対峙してきた。悔しいことに、いま憲法は自公
政権により壊されている。戦争法、共謀罪、特定秘密保護法、これらはすべて
違憲としかいえない。メディアに対する異常とも思える締め付けは言論の自由
の侵害であり、沖縄で起きた山城博治さんの逮捕・長期勾留も憲法をないがし
ろにした暴挙だ。

 ここまで憲法を壊しておいて、今度は「現実に合わない」という理由で明文
改憲をもくろむ。まさに逆転している。現実が憲法から遊離しているのだか
ら、現実を憲法に合わせて改善するのが筋であり政治家の役割だ。安倍晋三首
相を筆頭に、改憲派の国会議員は全員が憲法99条(憲法尊重擁護の義務)に違反
している。

 主権者として改憲阻止を主張するのはあたりまえだが、もっと主体的に憲法
をとりもどさなくてはならない。権力者に憲法を奪われたのでは、自民党の改
憲草案がそうであるように、本来は権力を縛るはずの憲法が市民を縛るものに
変質させられてしまう。なんとしても私たちの手にとりもどし、壊憲状況を根
底からひっくり返すことが求められる。

 創刊記念号を迎え、本誌は改めて「憲法キャンペーン」に乗り出す。憲法を
蘇生させるため、安倍壊憲政権を倒すため、これまで以上に充実した誌面を展
開する。愚直に、ぶれずに、憲法をとりもどすまで徹底的にペンでたたかう覚
悟だ。

 あわせて「読者拡大キャンペーン」も実施。部数が増えればそれだけ影響力
を高めることができる。創刊時4万3000部だった定期購読部数がいまは1万
3000部強。ひとりでも多くの方に読んでいただけるよう、初心に戻り、ますま
す充実した内容をお届けしたい。周囲の方に宣伝していただくなど、ご協力い
ただければ幸いです。何とぞよろしくお願いいたします。(2017/11/3)


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【6】金曜日から(編集後記)
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▼今年の創刊記念号は11月3日。新たな1年を始める号の刊行日が憲法公布日
なのは、ずっと憲法をとりあげてきた本誌にぴったりだ。

 政治状況は戦後最大の「壊憲危機」が続くが、一方で「市民力」も高まって
いる。特集の対談で植野妙実子教授は「少し前なら立憲民主という党名は堅苦
しく感じられただろうが、躍進は市民が立憲主義を認識した証」、中野晃一教
授は「市民が野党をつないだからこその結果」と、市民の力を実感していた。
確かに、若者たちが声をあげたことで「民主主義・立憲主義を壊す安倍政治を
終わらせる」目的の市民が結束し、それが野党共闘を実現させた。「政治とは
一線を画す」人が多かった憲法研究者たちも今や壊憲政治に物申し、市民とし
て活動を始めている。

「あすわか」弁護士たちは「憲法をとりもどすのは安倍さんじゃない、私た
ち」と話してくれた。同感。国会を、憲法を変える議論の場から憲法を実現さ
せるための議論の場へ。そして憲法をとりもどそう。私たち市民の手に。私た
ち市民の手で。(宮本有紀)

▼投票しない理由はさまざまある。今回の選挙で期日前投票をした人は、過去
最多の2137万人あまりだった。私の周りでも期日前投票をしに行った人は
多かったが、投票所に行ったのに、投票しないで帰った人もいた。投票所が長
蛇の列で、1時間待ちの所もあったということはいくつかの報道で伝えられ
た。どんな状況だったか知り合いに聞くと、ある東京都内の投票所ではスタッ
フが「2時間待ちです」と告知しており、「待っていられない」と帰った人が
いたという。選挙人名簿のデータが入ったパソコンは1台しか用意されておら
ず、それが待ち時間を長くしていることは明らかだったそうだ。

 最近海外に移り住んで在外選挙登録が間に合わず、投票できなかった人の話
も聞いた。申請してから在外選挙人証が交付されるまでには約2カ月かかる。
今回、突然の衆院解散宣言から実際の選挙まで1カ月も時間がなかった。なぜ
選挙に行かないかを問うことも重要だが、投票するつもりがある人の投票する
環境を整えることにも目が向けられるべきだ。(渡部睦美)

▼お陰さまで本誌は創刊24周年を迎えました。創刊時から比べると、日本国憲
法を取り巻く状況は悪化するばかり。ときに下を向いてしまうときがあります
が、先日、元経産官僚の古賀茂明さんから「諦めたらそこで終わり。権力側は
僕らを分断して個々に潰していくのが目的だから、バラバラにならず、一緒に
がんばっていくことが大切だよ」と、『SLAM DUNK』の安西先生並の言葉をか
けてもらいました。「今の社会がおかしい」と思う人と一人でも多く連帯して
いきたいですし、私も誰かを元気づける言葉を発信できるよう、精進していき
ます。

 その連帯の輪を広げるため、この創刊記念号から本誌編集委員・佐高信さん
の新連載「憲法を求める人びと」が始まります。憲法の理念を求め、実践して
いる方々を毎回お一人ずつ、ご紹介していきます。イラストは、以前の連載
「抵抗人名録」と同様、いわほりけんさん。「新・政経外科」と交互に掲載し
ていきます。(赤岩友香)

▼流行語大賞を引き合いに、安倍晋三首相とトランプ米大統領がそろって辞め
れば「世の中明るくなる」と本欄に書いてから5カ月。安倍氏は“国難突破”
の選挙に勝ち、トランプ氏もしぶとく居すわっている。世の中真っ暗闇が続
く。

 選挙のごたごたで、各党の本性が見えたのがせめてもの収穫だった。これか
らの課題は、安倍公約の実現をいかにして阻むか。その第一は平和憲法が壊さ
れ、自衛隊が米国の求めに応じて全世界に出動できるようになることだ。火の
粉は日本にも降りかかってくる。

 勝因の一つ「アベノミクス」については成果の有無だけが議論され、それを
支えて膨らむ一方の財政再建は棚上げだった。このまま放置すれば破裂して株
価も暴落、私のわずかな年金も危うくなる。

 若い人に安倍支持が多かったそうだが、派兵や財政再建の苦しみを主に担う
のもその若い人たち。功成った安倍氏はトランプ氏とゴルフなどしながら余生
を楽しむことだろう。そうなることだけは、何としても防ぎたい。(神原由
美)


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【7】〈メルマガ限定〉現代日本を読み解く200冊(佐高信)
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《177》運転席から見た日本

『タクシードライバー日誌』梁 石日(著)──ちくま文庫

 梁は、かつて某大手企業常務の専属ハイヤーの運転手をしていた。自己顕示
欲が強く、自慢話をするのが常だったこの常務は、ある時、この後部座席にふ
んぞりかえって、こう公言したという。

「運転手君、君にはわからんだろうが、日本の金はわれわれ大企業のもので
あって、極端にいうと君たちの家も車もわれわれが恵んでやっているようなも
のなんだよ。わかるかね。いま春闘で労働者諸君はなにがしかの賃上げを要求
しておるが、適当に与えてやればいいんだ」

 あまりにバカらしくて梁が黙っていると、この常務は、「運転手のぶんざい
で、きさまは生意気すぎる。おれの小便でも掃除しろ」と言って、いきなり放
尿した。それがもとでケンカになり、梁はハイヤー会社をクビになった。

乗客との口論や喧嘩の相手の多くは、はじめから忌避しているヤクザのような
人間ではなく、若者や酔っ払いサラリーマンだった。

「彼らの中には、自分が帰るべき家を忘れたり、大声で運転手を罵倒したり、
支離滅裂な言葉を吐いたり、ときには車内で失禁するものさえいる。こういう
現象が四十歳前後のサラリーマンに多いというのは、彼らがいかに心身ともに
消耗しているかを物語っている」

《178》存在する自己に忠実な人々

『それぞれの機会』日向 康(著)──同時代社

 日向は「あとがき」に、「私は、かつてこのような人びとが生きていた事実
を知って欲しいと望むに留まらず、いたるところに、現在もなお、自己に忠実
な人びとが存在しているであろうことに注目していただきたい」と書いてい
る。

「岩上作松の場合」「亙会嘉吉の意見」「大石重太郎の夢」と分かれたこの本
で、たとえば古本屋の岩上は、知り合いの洋傘修繕屋から古洋傘を三〇円とか
二〇円で譲り受けておき、突然の雨で困った客の役に立つようにする。そのと
き、どんなに深いつきあいの客でも、その人にとって「三〇円」の出費が過当
でないと思われる客からは、実費のそれを受け取る。

「ところが、三百円に負けてくれとねばられた学生に、一円も値引かないで売
価三百二十円どおりに売りながら、雨が降ると例の古洋傘を無料で進呈したこ
ともあった。古本の三百二十円はこの学生にとって当然支出すべき金である
が、古洋傘の二十円は負担が重いと判断したためであろう」

 たしかな手ごたえを残す人間の生き方が不思議な味を醸し出す。鶴見俊輔は
これを「記録小説」と評しているが、三人とも実在の人物なのである。日向の
ペンは過度に乾きもせず、また過度に湿り気も帯びず、一徹と形容していい対
象者の生き方にふさわしい感じで、その人生をつづっていく。


※小社発行単行本『現代日本を読み解く200冊』から、毎回2冊紹介します。

単行本詳細はこちら↓
 http://www.kinyobi.co.jp/publish/000451.php


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【8】〈メルマガ限定〉神保町ゴンゾ日記
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神保町ゴンゾ日記(50)

==10月×日==

▼ようやく宗教改革500年の記事が校了できた。主眼は宗教改革というより
は、マルティン・ルターが起こしたプロテスタント運動を16世紀文化革命であ
るととらえること。記事作成に際して山本義隆さんの『一六世紀文化革命』は
非常に参考になった。

==10月×日==

▼希望の党の近畿ブロックで比例名簿2位で当選した井上一徳は沖縄県名護市
辺野古への米軍新基地を強引にすすめてきた人物である。井上一徳が入ってい
る時点で、希望の党は日米安保堅持という姿勢が見える。小池百合子都知事も
防衛大臣をしていたわけであり、当時はハイブリッドの戦闘機など相当変なこ
とも言っていた。

▼スイス人のシモン・センリッヒが来日。朝から会社で取材。スイスの通貨政
策について憲法改正を主張しているエコノミストだ。日本とちがって、スイス
では安保などイデオロギーの根幹に関わるようなものが最近の憲法改正のテー
マになっていない。そのためか年に複数回実施されるスイスでの憲法改正のた
めの国民投票は直接民主制を感じるために有効なアイテムだろう。日本では人
を選んでその人に政策のすべてを託すような選挙になってしまっている。いび
つである。シモンとは15時くらいまで付き合い、そのまま成田空港に向かいス
イスに帰国していった。

==10月×日==

▼『君の膵臓をたべたい』(住野よる)を読む。泣いた。ある種のサプリメン
ト小説だという指摘がアマゾンの書評などにあったが、ほとんどの物語が人の
感情を動かすことを目的としているのだろうから、小説自体がサプリメントで
ある。好きだけどはっきりと言わないという点が恋愛小説でひっぱるうえでは
要諦だろう。

▼夜はバックギャモン世界一になった女性プレーヤーらと都内で懇親会。バッ
クギャモンはボードゲームの一種で日本ではマイナーだが、アラブなどでは庶
民的なゲームらしい。将棋ももともと庶民的だった。マグネットのバックギャ
モンが20年位前から家にあったものの、ルールはわからなかったのが、ようや
くなんとなくわかった。彼女は見かけから生活まで、小説から抜け出たような
人物である。スパイというか。政治家や棋戦で戦うプロ棋士にも教えていると
いう。羽生善治がチェス好きなどほかのボードゲームが好きな棋士が多いよう
だ。

==10月×日==

▼「金曜日ちゃんねる」の動画を編集する。ついつい30分喋ったら3ギガくら
いになってしまい、PCで修正しても20分くらい時間がかかる。

==10月×日==

▼午前中はこどもの学校公開に行く。授業参観というよりは定期的に学校が公
開されていて、学校内を自由に動き回る。午後は子どもにバックギャモンを教
える。ダイスによる偶然性が強いので、将棋のように一方的な勝負にはならな
い。ランニング、ブロッキング、プライミング、アタッキングなど、ゲームの
つくりかたにはそれなりのパターンはあるが、それでもダイスで翻弄されるの
で、ばたばたと負けることもある。件の女性プレイヤーは、アメリカンフット
ボールのようだと言っていたが、そんな気がする。

▼夜中に『ブレードランナー』を見る。ブレードランナーはレプリカントを始
末する殺し屋。ハリソン・フォードの役だ。『ブレードランナー2049』が公開
されるので、事前に見てから映画館に行こうと思いDVDを購入。昔見たはずだ
がほぼ忘れていた。この世界観が攻殻機動隊などにもろ反映されている。美意
識の高い映画でこの点が後世につながるのだろう。ハリソン・フォードの部屋
のデザインがフランク・ロイド・ライトというのは驚くばかりだ。

==10月×日==

▼こどものお昼に、朝残ったご飯で焼きおにぎりをつくる。テレビでも最近、
焼きおにぎりのCMをよく見かけるが、なぜそんなものを買うのか。簡単なの
に。焼きおにぎりはコツがある。失敗するパターンは、ほかほかのご飯をやい
て、醤油を塗ってお米がばらばら崩れるパターン。せんべいを意識したつくり
かただ。これは2つもポイントが違う。まず、ご飯に最初から醤油をまぜる。
醤油の量は、一膳でおおさじ1.5くらいか。そして冷やす。冷やすと米がね
ばってかたくなる。十分醤油を吸わせたものを握ればきれいに焼ける。

==10月×日==

▼校了日。3日が金曜日なので一日早い。

▼自民党の若手議員から国会での質問の機会がないので議員数に応じて、質問
させろという要望が官邸にあがる。現在の質問時間は与党が2、野党が8とい
う割合だ。この若手の直談判に萩生田晃一は、一理あるとし安倍首相も同意し
たという。

 一見もっともらしいが、問題はいくつもある。もともと与党4、野党6だっ
た質問時間の割合を2:8にしたのは自民党の要望で民主党政権時代に変えた
ものだ。報道によれば小沢一郎だという。与党の質問など首相に太鼓をたたい
て応援しているようなものだから無駄だと考えたらしい。

 しかし自民党は与党になったら民主党が勝手にやったことだから戻せという
のだ。言論や情報公開など二の次の自民党らしいと言えば自民党らしい。そも
そも自民党が国会審議という公開の場から逃げており、選挙前には臨時国会を
開かなかった。そこで自民党若手議員から審議を減らせという要望があがるの
も不自然だ。2回生議員は安倍首相下の小選挙区制で当選した議員たちだ。彼
らは安倍首相のおかげで当選した、安倍の親衛隊みたいなものだろう。自分に
媚び売る連中を遇する安倍首相らしい。こういう気持ちの悪い取り巻きをつく
るリーダーの器はしれているが、きっちりとつめて潰さないと次第に独裁化へ
進んでいくものだ。

==10月×日==

▼毎回取材している東京モーターショーに行く。自動車の未来についてはほぼ
傾向は固まってきているようだ。人工知能(AI)や自動運転、電気自動車に完
全にシフト。場合によっては水素電池か。車のデザインはもともとハリボテの
ようなものだが。

※本日記は、平井の身辺雑記を主観的に書きつらねていく落ちのない有料メー
ルマガジン限定コラムです。

◎文中一部敬称略

(平井康嗣・『週刊金曜日』編集主幹/シニアエディター)


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【9】きんようびのはらっぱで(情報案内板)
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■九州■

11月11日(土)

豊田勇造ライブ|INブックスキューブリック 平和への「道しるべ」 19時半
~21時、福岡県:ブックスキューブリック箱崎店2階(箱崎駅)。2500円+1
ドリンク要オーダー。ふくおか自由学校(090-4357-7596)

■関西■

11月11日(土)

講演|相模原事件と関わって 障がい者の自立支援を問う 15時~、大阪市:
PLP会館(地下鉄扇町駅)。無料。講師:最首悟。大阪市立大学創造都市研究
科(Mail mizuno@gscc.osaka-cu.ac.jp)

集会|原発も核燃もいらん! 戦争いやや! 2017関西集会 11時半~、エル
おおさか大ホール(天満橋駅)。前売1000円(避難者・障がい者700円)。講
師:小出裕章、福武公子。映画『奪われた村』上映。脱原発政策実現全国ネッ
トワーク関西・福井ブロック(072-843-1904)

集い|ドキュメンタリーを視て語るつどい 18時半~、大阪市北区民センター
(天満駅)。300円。福島原発事故の「放射能とトモダチ作戦・米空母ロナル
ドレーガンで何が?」と差別を煽る「揺れるトランプのアメリカ 白人至上主
義vs“謎の集団”」を上映。映像で現代を語る会(090-5151-9763中森)

11月12日(日)

羽田闘争50周年・関西|山崎博昭追悼 14時~16時半、大阪市:梅田スカイビ
ルイースト36階(大阪駅10分)。1000円。講師:三田誠広、歩み映像:代島治
彦、歌と語り:趙博。10・8山崎博昭プロジェクト
(Mail monument108@gmail.com)


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