BOMB書店☆静かなる読書

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詩を物語化したような、ミステリアスで、ファンタジックな小説です。 「BOMB書店」という一風変わった本屋から、毎週、日曜日に、不思議な本が届くようなイメージで配信いたします。 第二回目は、8月25日から配信開始です♪ タイトル 「オレンジとアップルと9cm王国」☆ 第一回目の「HOUSE OF DRAGON」の前に作られた物語です。 オレンジとアップルという姿や思考が似ている二人が、 不思議な人物や動物たち、精霊、妖精たちと、関わりながら、 消えてしまったネコのキャロルを捜す旅のお話です。 全四部からなり、一章ごとが短編小説のような味わい。「静かなる読書」にぴったりです☆

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メルマガ名
BOMB書店☆静かなる読書
発行周期
週刊
最終発行日
2018年09月16日
 
発行部数
18部
メルマガID
0001600010
形式
PC・携帯向け/テキスト形式
カテゴリ
アート・文芸 > 文芸 > 小説

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            - 市川裕子劇場 - 
No.284
                                               
☆━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━☆
市川裕子の詩や物語を紹介する「BOMB書店☆静かなる読書」です。
■発行者プロフィール ⇒ http://ichikawayuko.com/


こんにちは☆ 発行者の市川裕子です。

毎週日曜日に、市川裕子の描く、

様々な作品をお届けするメルマガです☆

私は、詩を中心とした創作活動をしていますので、

小説は、「詩的なものを物語化している」と思っていただけたら、

分かりやすいかと思います。

現在は、「オレンジとアップルと9cm王国」をお届けしています☆

オレンジとアップルという二人が、

屋敷を取り囲む塀を作り、部屋の壁に絵を描いたことから、

白いネコのキャロルが行方不明になるという事件が起こります。

そして、何かの異変により太陽が出なくなり、

暗闇の中をいろんな人物たちが彷徨います。

支配していた者たちが囚われ、

囚われていた者たちが逃げ出すなど、

それぞれが、それぞれの目的で動き回り、

そして、いろんな出会いを経験していきます。

さて、太陽は戻るのか?

オレンジとアップルは、キャロルを捜し出すことができるのか?

どうぞ、お楽しみくださいませ☆


☆前回のラストシーン☆

両足にはめられた重りがずしりと重たかったが、
その重ささえ、自分の味方になってくれるのではと感じたくらいに
ティオは、真っ直ぐに立ち上がった。
ティオを押さえ込んでいた巨人たちが驚いて、手を離す。
「ティオ」とダルエスが諭すような声をかける。
ティオは、二つの鍵を右の手の平の中でぎゅっと握り締めて言った。
「私の足の、この重りを外してください」

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【★】「オレンジとアップルと9cm王国」  第四部  
   ☆ 第百章  現れたもの☆ 
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

辺りがしんと静まりかえる。

「ついでに、
この手錠も外していただけませんかね? 
鍵が開けられませんから」
と管理人ティオは、巨人たちを見渡しながら言い放つ。

巨人たちは押し黙り、顔を見合わせ首を振る。

ティオの底光りする目が、ダルエスに向かう。

「外してやりたいが、私にはできない。
それこそ、私が解放されたら、お前も自由にしてあげたいが」
とダルエスは答えながら、
自分の腰にはめられた太いベルトのような金属の輪が鎖で壁に繋がっている状態を手で示す。

ティオは、ダルエスの腰に視線を移し、
それから、ダルエスの両足を眺める。

それぞれ金属の輪と鎖で壁に繋がれている。

身動きができない、この巨大な男が解放されたら、
一体、どうなるのだろうかとティオは考えた。

この男は、巨人たちが束になってかかっても、
恐れることのない男なのだろう。

壁に磔にしておいても油断ならない男なのだ。

きっと、今は気絶して寝転んでいる巨人バズは、
この男に恐れを感じている。

カードをシャッフルさせて未来を占わせていたが、
実は、そんなことは見せかけに過ぎず、
もしかしたら、何かの力を封印させているのかもしれない。
…もしかしたら、シャッフルさせること、
そのこと自体が、封印を意味する? 
まさか…いや…
では、バズが、ダルエスにシャッフルさせ、未来を占わせたことは?
それによって、どうしようとしていたのだろうか? 
巨人の帝国を作るつもりか? 
影の国との戦いなどとバカげたことを言っていたが、
それは、本当のことなのか? 
太陽が永久に出ないことと、
あの白いネコが双眼鏡を覗いているということと、
この茶色い鞄が一体どんな意味があるというんだ? 
双眼鏡に現れた、鳥だの金魚だのが、
一体、何をしようとしているのだ? 
どういう関係性があるというのだ? 
そして、この自分は、どうなるというのか?
太陽が戻れば、
管理人に戻れるというのか? 
何を管理するというのか? 
いや、そうではなく、もし、巨人の帝国になったら? 
もしくは、得体の知れない影の国に支配されたら? 
自分はどうなる? 
管理人という立場は破棄され、
いや、今もすでに破棄されているのだが、
一体、自分は、どこへ行き、どうなるのだろうか? 
この足に重りを付けたまま、永久に、地下に閉じ込められるのか? 
この茶色い鞄を手にして、二つの鍵を握っている自分が、
なぜ、ここまで、貶められるのか? 
それは、違うだろう。
自分は、もっと評価されてもよいはずで、
評価されなくても、自分の位置くらい、
自分で決められる権利はあるはずだ。

ティオは、自分でも知らず知らず、
立ったまま、目を開けたまま、瞑想状態になっていた。

周りの巨人たちが騒めき始める。

「時間がない…」
と白いネコのキャロルが呟く。

「あなたは、手錠と重りを外されたら、
鍵を鳥籠の中の青い鳥まで届けると言うの?」

ティオが答える前に、
「俺が届ける」
と巨人のレアリが言い、
ティオの鍵を握っている右手を掴む。

「鳥籠の場所を知っているのは俺だ。俺が行って、鳥籠の扉を開けてやる」
 
レアリのそばにいる旅人リアレが、彼を見上げて続けて言った。

「私も行きます」

レアリは、その言葉には反応せず、
ティオの右手から手を離し、
「さあ、俺に鍵を」
とだけ言った。

ティオは、レアリに鍵を渡すことをためらい、
ダルエスの顔を見上げる。

ダルエスは頷く。

「それが速いだろう」

「鳥籠の扉を開けたらどうなるんです?」
とティオは、自分が、この世界から除け者になっていくことを感じながら、
せめてもの抵抗心を見せて言う。

「脱出です」
と言ったのは、黄色い鳥のプルックだった。

プルックの鳥籠を捧げ持っている巨人ジャグが驚く。

一斉に、視線がプルックに注ぐ。

「二つの鍵の一つは、
この僕が入っている鳥籠の鍵だと思います。
もう一つの鍵は、青い鳥のフィスの鳥籠の鍵です。
青い金魚はルーラットといって、
彼らは、この闇から脱出します。
そしたら、僕たちも脱出できるんです。
みんな、脱出できるんですよ。
こんな地下の暗闇から!」
 
プルックは、ありったけの声を上げた。

「脱出? 鳥たちだけが脱出できるってことですか? 
我々はどうなるんです? 
ここにいる全ての人たちですよ。
私も含めて。
脱出できるというんですか? 
重りを付けられた私が? 
そこに磔にされている予言者ダルエスさんとやらもですか?」
とティオは、皮肉な笑いを浮かべる。

「僕は、太陽が戻ると思う。
太陽が戻れば、全てが元通りになると思う」
とプルックは、胸を反らせ、小さな翼を大きく広げた。

黄色い光が暗闇を照らす。

気絶しているバズを見張っている巨人スライゴが俯きながら呟く。

「俺もそうだと思うよ」

スライゴのそばにいるベッティーダが驚いて、目を見張る。

「太陽が戻れば、みんな、自分の本来の位置につくはずだ。
会いたい者にも会えるだろうよ」

スライゴは、アップルと太陽を捜そうと言ったことを思い出し、
白い大きな鳥のサーとともに、
助けを求めている声に手を差し伸べた時のことを思い出す。

さて、太陽が戻ったら、俺は、どこにいるのだろうか。

また、最初の最初に戻り、
巨人たちとガラスの城の中で命令に従う立場に戻るのか、
それとも、そのもっと前、ガラスの城に行く前の自分に戻るのか。

その考えは、巨人たちの頭の中にもよぎっていた。

それぞれが、また、ガラスの城に戻るのかと。

それとも、このまま、太陽が戻らなければ、
巨人たちの帝国が築き上げられるのかもしれない可能性にかけるのかを考えた。

「太陽が戻れば、それぞれの位置が見付かるはずだ」
とダルエスが呟くように言う。

「私の黒いカードが教えてくれている」
 
ダルエスは、手の中から二枚の黒いカードを出し、皆に見せた。

だが、誰の目にも、ただの黒いカードにしか見えない。

「私を信じてくれるなら、太陽は、今、まさに、ここに産まれる。
その太陽を正確に導くのは、赤い金魚と青い金魚だ。
今、キャロルが双眼鏡で見た通り、
三羽の緑の鳥と透明な青い鳥が彼らに協力するだろう。
更に、我々は、彼らの手助けをしなければならない。
でなければ、ここは、火の海になるだろう」

巨人たちが騒めく。

誰もが、巨人レアリを見詰め、
レアリは、ティオの手から鍵を受け取ろうとする。

ティオは、ぎゅっと握った右手を開こうとする。

その瞬間だった。

大きな笑い声が聞こえた。

「お前たち、その巨大な男の言葉を信ずることはない。
安心しなさい。
全ては、闇だ。
闇の中でこそ、全てのものが安心して休まることができるのだ。
太陽は永久に出ない。
太陽は、眠っている。
全てが静かな世界だ。
争いごともない静かな世界がやってきたのだ。
皆、安心して、自分の位置を全うしなさい」

諭すようでありながら、
威圧的な声が、遥か上の方から聞こえてきたのである。

巨人たちは、天井を見上げる。

「上からの声だ!」
と巨人たちが口々に言い合う。

「上からの声が聞こえる!」
 
巨人たちは、色めき立つ。

今まで、自分たちを支配してきた声が聞こえ、
巨人たちは安心したように肩を叩き合った。

自分たちで決めなくてよいのだという開放感が、
巨人たちを笑顔にさせた。

「違う」
とキャロルは言った。

「この声は、ジャードだ」
と続けてキャロルは言う。

その声に、かつての城の主ルーボンが震え上がる。

巨人たちが顔を見合わせ、
痺れを切らしたキャロルがもう一度、
「影の国のジャードの声だ」
と言おうとした時だった。

「そうだ。上からの声ではない」
と気絶していたはずの巨人バズがぐらりと体を起こした。








 




To be continued. 

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【★】編集後記
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「市川裕子の聖なる創作空間」

「HOUSE OF D」vol.28を終えて、
次の展開が違ったものになりそうなので、
この辺りで、過去を振り返ってみようかと考えました。

「HOUSE OF D」の始まりから16回目までを
ずいぶん前に
「HODフラッシュバック」という形で、
ブログ「HOUSE OF D マガジン」で
連載していましたが、
その続きを書こうかな、と思っています。

でも、その前に、
やはり、一回目からのことを
振り返りたくて、
また、一から紹介しています。

知っている方も読んでいた方も、
もしよかったら、
また、読んでみてください。

自分も、読み返してみて、
ああ〜そうだったな〜と
思い出したりして、
ちょっと面白いです。

「流星ラビットパンチ」のブログで紹介しています。

ただいま、2回目まで進んでいます。↓

http://ameblo.jp/rabittpunch/


ネット販売 creemaの方では、
前回お知らせしたように、
秋の福袋の企画に参加しました!
2種類で、各一点ずつです。

creema↓
https://www.creema.jp/c/ichikawayuko/item/onsale


そして、minneの方でも、
いろいろ企画があるようなので、
それにも参加しようと、昨日、あれこれ準備しました。
まだ、エントリーしてはいないのですが、
今日か明日には、実行する予定です。

minne↓
https://minne.com/@yukoichikawa


アマゾンKindleストアの方は、
やっと中編の小説が整ってきました。

まもなく販売できると思います。

現在販売中の作品は、↓
https://www.amazon.co.jp/%E5%B8%82%E5%B7%9D%E8%A3%95%E5%AD%90/e/B07D6QFM7L/ref=as_li_ss_tl?ie=UTF8&linkCode=sl2&tag=bombshoten-22&linkId=853778e0cc53a3ef43280839dfb29bc3


オススメは、
「ブルミュート」(6編収録)↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B07G89Y21Z/ref=as_li_ss_tl?s=books&ie=UTF8&qid=1533709510&sr=1-1&linkCode=sl1&tag=bombshoten-22&linkId=544401d48acdcb1fd495406240f2ce0b


それでは、また次回!

最後まで読んでいただき、ありがとうございました♪


「オレンジとアップルと9cm王国」は、
2013年8月25日から第一部開始、
2014年7月20日〜2015年7月19日までが第二部。
2015年7月26日〜2016年10月16日までが第三部。
そして、2016年10月23日から第四部を開始しています。

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■市川裕子ホームページ
└→ http://ichikawayuko.com/
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