フードサイエンスニュース

こんにちは！
このメールマガジンでは、フードサイエンス研究をやさしく解説し、日々の生活や仕事に役立つヒントをお届けします。

今回ご紹介するのは、日本人女性を対象に行われた「発酵豆乳とイソフラボン吸収率」に関する研究です。

今回の論文ピックアップ

「発酵豆乳飲料は、イソフラボンの体内利用効率を高める」
（Biosci Microbiota Food Health, 2016）

研究の内容

対象：健康な日本人女性 7名（平均年齢35歳）

方法：通常の豆乳（未発酵）と、乳酸菌 Lactobacillus casei Shirota で発酵させた豆乳を飲んでもらい、血中のイソフラボン濃度を比較。

結果：

発酵豆乳を飲んだとき、イソフラボン（特にゲニステイン）の血中濃度が約1.4倍高かった。

体質的にイソフラボンを吸収しにくい人ほど、この効果が顕著だった。

ポイント解説

大豆に含まれるイソフラボンは、通常「配糖体（糖がついた形）」で存在します。

体内で吸収されるには「アグリコン型（糖が外れた形）」になる必要があります。

発酵の過程で乳酸菌が糖を分解してアグリコン型を増やすため、吸収率が高まるのです。

つまり、「発酵＝消化の下準備」をしてくれるイメージですね。

日常生活へのヒント

発酵豆乳や味噌・納豆など、発酵大豆食品を取り入れると効率よくイソフラボンを吸収できる可能性があります。

特に更年期対策や骨・血管の健康が気になる方におすすめ。

「普通の豆乳＋乳酸菌飲料」を合わせる食習慣も有効かもしれません。

編集後記

イソフラボンは「女性ホルモンに似た働き」を持つことで知られていますが、吸収のされやすさには個人差があります。今回の研究は「発酵」という伝統的な知恵が、その差を埋める可能性を示していて興味深いですね。