デジタルノマド会計士の週刊通信

創刊号:自己紹介 - デジタルノマド会計士の「働き方の再編集」

■創刊にあたって

「デジタルノマド会計士の週刊通信」を始めます。

時間や場所に縛られずに働く。そんな生き方を実践しながら、会計士・税理士としてフリーランス、スモールビジネス、マイクロ事業の支援をしています。このメルマガでは、日々の気づきや考えを、週に一度、静かに綴っていきます。

生き方、働き方、独立、起業、そして自由。これらのテーマについて、私自身もまだ明確な答えを持っているわけではありません。しかし、変化の時代に、自分らしく働き、生きるために。ともに思考を整える時間を共有できたらと思っています。

創刊号は、私の自己紹介から始めます。

パソコンの画面には、全国各地のクライアントとのオンライン面談予定が並び、別のウィンドウには帳簿データが映し出されています。隣の部屋からは、子どもたちの声が聞こえてきます。これが、私の日常です。

「デジタルノマド」という言葉があります。デジタルツールを使って場所に縛られず働く人々を指す言葉です。時間と場所の自由を持ちながら、専門性を活かして働くスタイル。会計士・税理士として独立開業し、完全オンラインで事業を営みながら、子どもたちとの時間を大切にする。そう呼ばれる生き方を、私は確かに選択してきました。

しかし、この働き方は、最初から計画されたものではありません。むしろ、いくつもの違和感と限界、そして必要性が重なり合って、少しずつ形作られてきたものです。

■原点にあった違和感

新卒で入社した会社は、いわゆるブラック企業でした。

精神的にも肉体的にも追い詰められる日々。パワハラ上司のもとで、自分という存在が徐々に削られていくような感覚がありました。朝起きることが辛く、会社に向かう足取りは日に日に重くなり、このまま続けていけば自分が壊れてしまうという予感がありました。

当時の私には、この状況を変える具体的な方法が見えていませんでした。ただ、このままではいけないという確信だけがありました。会社員として働くこと自体に限界を感じ始めていたのです。

そこで選んだのが、公認会計士という資格でした。

会計士になれば、専門性を武器に、自分の働き方をコントロールできるのではないか。そんな希望を抱いて、私は会社を辞めました。20代前半、浪人生活をしながら、アルバイトで生計を立てつつ、受験勉強に打ち込む日々が始まりました。

■資格取得、そして模索の日々

一念発起して取得した公認会計士資格。その後、いくつかの会社で勤務しながら税理士資格も取得しました。

しかし、資格を手にしても、働き方の本質的な問題は解決しませんでした。組織の中で働く限り、時間と場所の制約は残り続けます。自分の時間をどう使うか、どこで働くか、誰と働くか。そうした選択の自由は、依然として限られていました。

会社員としての働き方には、やはり限界がある。そう感じた私は、会計事務所の開業を決意しました。

■転機としてのコロナ禍

独立開業のタイミングは、コロナ禍と重なりました。

世界中が混乱する中、皮肉にもこの時期、オンラインツールが一気に社会に浸透しました。ZoomやChatwork、クラウド会計ソフト。それまで対面が当たり前だった業務が、次々とオンラインに置き換わっていきました。

私はこのタイミングで、完全オンラインの会計事務所を立ち上げました。

対面での面談も、紙の書類のやり取りもしない。すべてをデジタル上で完結させる。当時はまだ珍しいスタイルでしたが、時代がそれを必要としていました。そして何より、私自身がそれを必要としていました。

■子どもたちとの時間

完全オンライン化を選んだもう一つの理由は、子どもたちの存在です。

子どもたちが生まれ、仕事と育児のバランスをどう取るかが切実な課題になりました。保育園の送り迎え、急な発熱、学校行事。子どもとの時間を大切にしながら、同時にクライアントへの責任も果たす。そのためには、時間と場所に縛られない働き方が、どうしても必要だったのです。

今も試行錯誤の連続です。完璧なバランスなど存在せず、日々調整を繰り返しています。しかし、少なくとも自分で働き方を設計できる自由があります。それが、独立して得た最も大きなものかもしれません。

■このメルマガで伝えたいこと

新卒で入社したブラック企業から始まり、資格取得、独立開業、そして完全オンライン化へ。振り返れば、私の働き方は何度も再編集されてきました。

その過程は決して順風満帆ではなく、むしろ辛い経験の連続でした。しかし、それらすべてが今の働き方につながっています。

このメルマガでは、そうした日々の気づきや考えを、週に一度、静かに綴っていきたいと思います。生き方、働き方、独立、起業、そして自由。それぞれのテーマに、私自身もまだ明確な答えを持っているわけではありません。

ただ、変化の時代に、自分らしく働き、生きるために。ともに思考を整える時間を共有できたら、それは私にとっても大きな意味を持ちます。

どうぞ、よろしくお願いします。

デジタル公認会計士・けゆあ