米国では現在、トランプ政権と大手メディアの対立が、単なる報道姿勢をめぐる論争にとどまらず、選挙制度そのものをめぐる議論へと広がっています。メルマガ『在米14年&海外販路コンサルタント・大澤裕の『なぜか日本で報道されない海外の怖い報道』ポイント解説』の著者・大澤裕さんは今回、トランプ政権が進める選挙制度改革の背景と、それに対する米メディアや専門家の見方を整理し、米国でいま何が議論されているのかをNYタイムズの記事を引きながら見ていきます。
選挙制度をめぐるマスコミVSトランプ大統領
米国のトランプ大統領は18日、CNNらの米メディア3社について、「ホワイトハウスから排除する」とSNSに投稿しました。
以前からメディアVSトランプ大統領の対立はありましたが、それがますます精鋭化しています。
焦点は米国の選挙制度そのものを改革したいトランプ大統領と改革の必要はないとするマスコミの対立です。
これについてNYタイムズの9月25日の記事を見てみましょう。
記事抜粋
「トランプ政権が有権者確認のために全国市民データベースを構築している実態」
9月25日に最高裁が下した、トランプ政権が連邦政府各機関に分散して保管されている機密性の高い個人データを統合することを認める命令は、非市民や投票資格のない有権者を特定しようとする政府の取り組みに対し、広範な手段を与えるものとなった。
この決定により、トランプ大統領は、全国的な市民権データベースの構築という長年の目標に一歩近づいた。同大統領は、このデータベースが、合法的な在留資格を持たずに国内に滞在している人々を特定するために不可欠であると述べてきた。
解説
トランプ大統領はSAVE法(Safeguard American Voter Eligibility Act)を通したいと考えています。
米国では選挙で投票する前に有権者登録が必要です。SAVE法ではその有権者登録に米国パスポート、出生証明書、帰化証明書、市民権証明書らのいずれかを求めています。
今までのように自己申請の選挙登録を認めないということです。かつ選挙投票の時には、運転免許所等の写真付き身分証明書提示を求めます。
なぜなら不法移民が有権者登録をして投票している例があるからです。有権者登録が自己申告でできるならば、それは簡単でしょう。
防ぐためには、全国的な有権者(米国市民)の名簿が必要です。今回の最高裁の判決はその一歩ということになります。
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しかし大手マスコミは反対しています。引き続き記事を見ましょう。
記事抜粋
迫る中間選挙に先立ち、トランプ政権は、非市民による違法投票が極めて稀であるという証拠があるにもかかわらず、非市民が違法に投票していることを証明するための集中的なキャンペーンにも乗り出している。
政府が正確な記録を収集する能力には課題がある。
無党派の監視団体「プロテクト・デモクラシー(Protect Democracy)」の選挙法専門弁護士ベン・バーウィック氏は、現在の形態のデータベースでは、各州が有権者名簿を整理するための強力な根拠とはなり得ないだろうと述べた。
解説
左派マスコミは言います。「不法移民が大規模に不正投票したという証拠はない」と。
しかし、問題はそこにはありません。
実際に今の米国の選挙人登録は不正ができる余地が十分にあり、それで多くの米国人が選挙制度に疑問をもっていることが問題なのです。
「選挙は信頼できる」と納得できなれば革命がおこります。
まして、「政府に散らばるデータベースを集めたところで、米国市民の正確なデータべースはできない」という主張は、「どうせ無理だからやめろ」といっているようなものです。
これが米国の現実です。戸籍制度が充実している日本では考えられないことです。
トランプ大統領の性格には多々問題あります。
しかし頭の中でトランプ大統領の顔を消して、彼の繰り返す主張のみを純粋に吟味すると、見えてくる世界が少し違ってくるでしょう。
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